白雲岳(2230m)小泉岳(2158m)緑岳(2020m) (表大雪) 2003.7.4(金)晴れ
緑岳から阿寒連山を望む |
大雪の山々は、北海道の屋根として知られていますが、花の名所としても有名です。
今回は大雪山の中でも、最も高山植物の種類が多いとされている小泉岳を中心に緑岳、白雲岳を訪れました。
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HYML(北海道山メーリングリスト)のメンバーや他の方から大雪山系の花が見ごろになりつつあるとの情報を入手し、出かけることにしました。 お花大好き人間のカミさんは、オロフレ山で捻挫した足首がまだ本調子でないのとボランティアの約束があり泣く泣く断念です。 午後1時に自宅を出発し夕方5時か6時には着くだろうと思っていたのですが、いやはや遠いこと。道を間違えたのではと途中道路マップを何度も確認するほどでした。 7.4(金)0330薄明るくなって鳥達がさえずり始め、外を見ると晴れているようです。このところ天候に恵まれず晴れ男の勲章を返上しなくてはと思っていただけに心ウキウキ。 朝食をとり身支度を整え、大雪高原温泉山荘の横にある管理事務所に登山届を出して、いざ出発です。 |
第一花畑から緑岳への取り付きまでは、3カ所の雪渓を繋いで行きます。雪渓はかなり大きいものですので霧などで視界が悪いときは要注意です。でも、7月にこんなに大きな雪渓を歩くなんてやはり大雪ですね。
8月になれば、雪渓の下は大お花畑に |
緑岳の登りはゴロ岩の急斜面でジグを切って登ります。何もなければつらい登りでしょうが、ここは花あり、景色ありでつらさを感ずる暇もありません。
オッ、コマクサだ。イワウメがこんなに。オヤマノエンドウ、イワヒゲ、ジムカデも、と。
ふと周囲を見ると、南西から東側にかけてトムラウシ、ニペソツ、石狩岳、音更岳、武華岳、武利岳の大雪の山々が指呼の間に姿を現しています。
そして「チィッ、チィ、ピィッ。」の声を見れば、ナキウサギとあっという間で緑岳山頂です。
緑岳山頂は風が冷たく寒いぐらいでしたが、広大かつ雄大な大雪の真っただ中で見渡すかぎり私しか居ない情景に身が引き締まるような思いと幸せを感じ、噛みしめました。
緑岳から高根ガ原とトムラウシ山 |
石狩岳とニペソツ山(右) |
緑岳から小泉岳、白雲岳はいかにも大雪らしい豪快かつ爽快な稜線歩き。しかも登山道の両側は花、花、花で埋め尽くされています。
ありとあらゆる花達が咲いているのではと思うほどの数と種類です。こんなに素敵な花達に出迎えられ、素晴らしい景色の中を私一人で歩いていて良いのだろうかなどと思ってしまいます。
とてもすべてを記載できませんが、チョウノスケソウ、ホソバウルップソウ、キバナシオガマ、キバナシャクナゲ、エゾツガザクラ、イワツメクサ等が特に印象に残りました。
チョウノスケソウ |
キバナシオガマ |
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ホソバウルップソウ |
コマクサ |
お天気は上層雲の薄曇り、青空も見えています。視程も素晴らしく、いつもの北海道の空で一点の曇りもありません。ざっと見て200km以上ありそうです。
白雲岳からは大雪の山々はもちろんのこと、遠くには東から羅臼岳、斜里岳、阿寒連山、日高山脈、十勝連峰、芦別・夕張山地、暑寒別の山々、天塩の山などをくっきりと見渡すことができました。
白雲岳山頂から旭岳 |
白雲岳からは大展望と花達を愛でつつ、白雲岳避難小屋を経由して緑岳に戻り、大満足と感激を背負ってルンルン気分で下山しました。この日、出会った人は僅か6人、大雪高原温泉からの登山者はたった2名の静かな山行でした。
下山して大雪高原温泉山荘で汗を流しました。入浴中、温泉管理の方が温度C'Kに来たのでチョットおしゃべり。それによるとは源泉は1kmも上の沢から引いていて、源泉温度は93℃もあるのだが季節や入浴者数等によって変化するので温度管理が大変とのこと。
そんなご苦労のお陰で気持ち良く楽しむことができると、お礼を言ってゆっくり疲れと汗を洗い流しました。お湯はやや緑がかった白濁湯で、なかなか良いお湯でしたよ。
旬の情報をタイミング良く得ることができて、気持ちの良い素晴らしい山行を楽しむことができました。来年はカミさんと一緒に再び訪ねたいと思いました。