漁岳(漁川本流・林道出合まで) Part-1  (道央)    2003.8.5(火)  晴れ



漁川の滝(F1)

私達夫婦はもっぱらきちんと整備されている登山道(いわゆる夏道)を利用して山を楽しんできました。
でも、HYML(北海道・山メーリング・リスト)のメンバーの人達とお付き合いするようになって色々なバリエーションの登山をしている人が居て、それはそれで楽しそうだと思うようになってきました。

今回はその第一段として、初めての沢登りに期待半分・怖さ半分でチャレンジしてきました。


8.5(火)
千歳(自宅) 0800
奥漁橋 0900
林道出合 1100
林道入口 1215
奥漁橋 1230
「沢初心者が沢を体験するには、ここが最適」とHYMLの例会で沢登り大ベテランのganさんからアドバイスされた、漁川。

やって見なければどういうものかも判らないし、漁岳なら千歳周辺で土地勘もあるから丁度良いと初チャレンジを決意したのです。

初めてでも、登山靴でと言うわけにもいかず、沢歩き用の足回りから整えましょう。

沢歩き用の履物は、フェルト靴派と地下足袋派に大別され、どちらが良いかと言う論争には際限が無いそうです。私達には判るわけもないので色々試してから決めようと、私は廉価版のフェルト靴を探し出し、カミさんは鳶の人達用の道具を扱っている店で地下足袋状でつま先がしっかりガードされている安全靴を見つけ、買い求めました。

さて、沢歩き初チャレンジの8.5(火)は快晴で気温も高く、水遊びには最適です。
奥漁橋付近の広場でいそいそと準備です。買い求めた足回りのほかは、濡れてもいい速乾性のジャージと帽子、荷物は台所用の防水袋(ジップロック)を二重にしてカメラを入れ、後はゼリーや果物などの食べ物と雨具、そして万一のためにとロープ(5ミリ×30m)です。

奥漁橋の上流約300m付近から川に足を踏み入れます。8月とは言え北海道、それなりの冷たさを覚悟していたのですが、冷たさを感じません。ネオプレーンの靴下の威力なのでしょうか、まずは不安の一つが解除です。
それでも本能なのでしょう、出来るだけ水に入らず石の上を伝って歩いてしまいます。入渓しているのは私達二人だけ、林道や山道なら風の音ぐらいで静けさを楽しみつつ歩くのですが、沢は水音が賑やかで話をするにもつい大きな声になり、大きな声を出すからなのか何だか陽気になってきます。

入渓してから約30分程はゴロゴロ石の川原を歩きますがその後は様相が変化してきて、すべり台のような白い大きな一枚岩の上をさらさら水が流れていたり、プールのような感じのところが出てきたり、イヤー! スッゴク綺麗です。おまけに光が流れや川底に反射して、複雑にキラキラ輝いています。
これが沢歩きの魅力の一つなのでしょう。思わず歓声を上げてしまいます。


深い淵を持った滝、どうすれば良いの?

気持ち良いわー! 全身ずぶ濡れ。

なおも進んでいくとカミさんが遅れがちです。新兵器の地下足袋風安全靴が白い岩や乾いている石は滑らないのですが、藻の上や焦げ茶色の岩では滑ってしまうので川底の平らな深いところを歩かざるを得ないようです。
その内小さな函が出てきて、左岸をへつりつつ進みますがバランスをとるのがなかなかです。途中までへつって来たカミさんが足を滑らせ見事ドボンと沈してしまいました。でもさすが千葉育ち、抜き手を切って延ばしたストックの先に泳ぎ着き、事無きを得ました。

さらに進むとこのページの巻頭に載せた大きな流木が掛け橋のように倒れ掛かった滝が出てきました。なかなか迫力があり、見とれてしまうとともに、どうすればいいのか迷ってしまいます。
結局無理せず右岸に取り付けてあった鎖とロープを利用して巻いて乗り越えました。

その後も滑滝や深い淵を持った滝などが現れ、その都度緊張しつつルートを考え・相談してクリアーしていきます。これも夏道登山には無い、沢歩きの特徴なのでしょう。

でも、緊張ばかりではありません。両側の壁や岸にはひっそりと咲くガクアジサイの水色やミソガワソウの優しい紫色が一時の安らぎを与えてくれています。
キイチゴが真っ赤に熟しているのを見つけ、思わずドッカと座り込んで懐かしい味を堪能したりもしました。


キイチゴの食べ放題

2時間ほど沢歩きを楽しんだところで、林道出合に到着です。疲れはありませんが帰りはここまで沢の中を降りてこなければいけない訳で、カミさんの滑る靴では危ないと判断。今回はここまでとすることにしました。
林道歩きは沢とは全く違い、両側に咲くウツボグサやエゾチドリを始めとする花々を楽しみつつ、風の音だけの静けさの中を歩いてきました。


エゾチドリ

ウツボグサ

約1時間で林道入口、国道に出て少し歩けば奥漁橋です。
川原で沢の美しさや怖かったことなどを話ながら食べる、プルコギ鍋はまた格別でした。

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