恵庭岳(1321m)(道央)     2003.10.17(金)



紋別岳から見た恵庭岳

恵庭岳はアイヌ語ではエエン・イワ(先の尖った山)と言われているように、山頂部の突き出た大きな岩稜が特徴なのですが近年、崩壊が続いていて二年ほど前から危険なため第2展望台(概ね9合目)で立ち入り禁止となっています。

2003.9の十勝沖地震でも山頂部の岩稜に亀裂が生じ、一部が崩落して立ち入り禁止部分の登山道に落下し、道を塞いでいる状態になっているそうです。


10.17(金)
恵庭岳登山口 0840
第一展望台 1000
第2展望台 1040
大休止
第一展望台 1200
登山口 1325
山頂部が立ち入り禁止になる前の2000年に訪ねて以来、久しぶりの恵庭岳です。

恵庭岳は支笏湖周辺の山々の中にあって、岩が主体のゴツゴツした山、北アルプスを連想する山と言う印象があり、私の好きな山の一つです。

10月も中旬とあって千歳から支笏湖へ向かう通称・支笏湖通りの紅葉は今が盛り。スピードを出して一気に走り抜けるなんて勿体ないぐらいです。
決して派手ではないけれど、落ち着いた彩りの紅葉が気持ちを安らいでくれるようです。

静かな佇まいを見せる、支笏湖とその周辺の山々は一年中季節に合わせて楽しめるところだと思います。
秋のこの時期も、心安らぐ一日を過ごせると思いますので、ぜひ訪ねられたら如何でしょうか。

登山口で身支度を整え、入山届けに記入して、山に入ります。登山口の駐車場は十数台止められますが、土曜・日曜は込み合うことも予想されるので、相乗りで行かれることをお勧めします。
恵庭岳の登山口にトイレは設置されていません。車で5分程度の支笏湖ポロピナイ湖畔にあるトイレを利用すると良いでしょう。

登山道は爆裂火口から続くポロピナイ沢に概ね沿った涸沢跡に付けられています。
道の周りは秋色に染められていて落ち着いた雰囲気の中を落ち葉を踏みしめ、ゆったり気分で歩きます。
ツバメオモトが多いところです。この時期はすでに霜で茶色くやや透明に変色していますが、まだ青い実を付けているものも見られました。


落ち着いた、気持ち良い、山道

枯れ葉が目立つ、秋の山道

道は山体の東側を切り裂くように走る爆裂火口から一旦、北側に大きく巻くように緩やかに登り、それからまた爆裂火口方向に戻りながらだんだん傾斜を深めていきます。
途中、四合目まではトドマツ主体の森林で、それから上は岳樺とエゾマツの森です。

五合目付近でけたたましい鳴き声を響かせながら、クマゲラが木々の間を渡っていきました。これだけ深い森だからの光景なのだと思います。

六合目からはロープ場などが出てきて、この標高差150mほどが恵庭岳一番の急所です。
ロープは地元山岳会などがしっかり固定してくれていますが、十分足場や手掛かりがありますので、余り頼りにしないほうが良いと思います。
かっては、同じ道を登りと下りで譲り合って使っていたと記憶しているのですが、いまは登り専用、下り専用と2本の道が整備されています。

ロープ場を過ぎれば、間もなく第一展望台です。
森林が切れて、岩場となってきます。
硫黄の臭いがだんだん強くなってきます。

目の前が急に開け、爆裂火口に出てきました。大きくえぐられた火口が不気味です。
火口の向こう側には静かに広がる支笏湖、そして上には山頂部の岩稜が・・・。


第一展望台から山頂

爆裂火口を挟んで広がる支笏湖

第一展望台で景色を楽しみながらゆっくり休憩。
真下にはポロピナイ・キャンプ場や水上バイクの航跡が白く光っています。

イチャンコッペ山や紋別岳、モラップ山等が良く見えます。

ここから第二展望台までは、爆裂火口の縁を登っていくようになります。岩で一部狭いところもありますので、慎重に歩きましょう。

次ページへ

inserted by FC2 system