新・苔の洞門 (道央)     2003.11.11(火) (曇り)


樽前山から支笏湖へ下るシシャモナイ沢にある苔の洞門は神秘的な雰囲気と美しい苔に覆われた岩のハーモニーが観光客達の人気を呼んで居ますが、現在は残念ながら岩の崩落が進み、立ち入り禁止となっています。

この付近には苔の洞門と同じような苔に覆われた回廊状の所があると土地の古老から聞きました。
そこで幾つか、周辺の沢に入ってみました。

調べた幾つかは、ただの浅い涸れ沢でした。
ですが、その内の一つで、苔の洞門と同じような函状の涸れ沢で見事な苔の壁が続いている所を見つけました。

このページで細部をご紹介したいと思いますが、散策気分で行くことは危険です。
足場は悪いですし、よじ登ったり・高巻きしなければならない所もありますので、行かれる場合には山歩きの経験者と行かれることをお勧めします。


最初は平凡な沢地形

沢に入って500m位は平凡な感じの涸れ沢が続き、至る所に鹿の新しい糞や足跡・食痕がありましたし、タヌキの糞も何ヶ所もありました。
木の葉が落ちて見通しが効くので少し安心なのですが、木の葉が茂っていれば熊が出てくるのではと心配になるような所です。
ほとんど人は入っていないので自然のままというか、荒れ放題の沢で、落ち葉に隠れた歩きにくいゴロゴロ石の沢を倒木を跨いたり、潜ったりしながら遡っていきます。

その内、沢形が深く・函状になってきて、倒木や地面の石にも苔が目立つようになってきます。

切り立った両側の壁にもビッシリと苔が美しく生え独特の景観を演出しています。

原始の神秘的で幻想的な世界です。
壁の高さも高いところは10mはあるでしょう。
思わず、見とれてしまいます。

以下、撮影してきた写真です。 どうぞ、ごゆっくりご覧下さい。


落ち葉の厚さは30cm以上も

一部が崩落している

高さ3m程をよじ登って

所々、柔らかい砂岩が崩落しています。苔の洞門と同じような状態なのでしょう。

苔の付いた大岩を乗り越えていかなければならない所も何ヶ所かあります。
苔を傷つけないように慎重に注意しながら、足を置きます。

そんなとき、すぐ傍で見る苔は色々な形や色をしていてなかなか美しいものです。
苔の世界は奥が深いと言われていますが、やみつきになる人が居るのも判るような気がします。


短めの美しい苔

長めの苔

素晴らしく美しい苔の回廊は約7・800m程続くと、沢形は浅くなってきて日の光が十分に差し込み、普通の涸れ沢の様子に戻っていきます。

今は11月中旬、苔も休眠期に入っているのですが、それでも美しい色をいていました。
これが6月頃だったら、どんなでしょう。その時期、もう一度見に行ってみたいと思いました。


沢形も浅くなって

苔の上での樹木更新

何本もの沢地形を歩き回って、偶然見つけた苔の回廊。新・苔の洞門と名付けましょう。

距離も1.5km弱と短く、標高差も僅か150m程で、純粋な山歩きとは違いますが、何が出てくるのかと期待を膨らませ歩くのはまた楽しいものでした。

地形的には樽前山や風不死岳の麓にはまだこのような所がいくつもあるはずです。
夏山シーズンが終わり、かと言って山スキーには早いこの時期、こんな探検気分の山歩きも楽しいものだと判りました。

色々な楽しみ方で、四季を味わっていきたいと思っているところです。

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