945m峰(草笛山) (945m) (道央)  2004.1.24(土)  晴れ



945m峰中腹から見た支笏湖と紋別岳
左側の裾野は恵庭岳、右側の裾野は風不死岳

1.24(土)は寒気が入り寒い朝でした、千歳でも−15℃の冷え込みでしたが思いの外、良い天気となりました。
こんな好天、見逃す手はないと早速思案です。美笛峠辺りでもと地図を引っ張り出しているとカミさんが「山スキーでなければ私も行こうかな!!」大ウエルカムと、スノーシューで遊びに行くことに。
急きょ、準備を整え出発です。

美笛トンネルの大滝側出口に車を停めて、白老岳の北東に位置する945m峰を目指すことにしました。ここは支笏湖や樽前山、風不死岳等を南西方向から見ることが出来る隠れたスポットなのです。

美笛峠からまずは北電の送電線沿いに東に登っていきます。
ものの数分もすると国道を走る車の騒音も無くなって、静寂な誰も踏み入れていない雪原が広がっています。所々にキツネやウサギの足跡だけが残されています。


送電線下のルートを辿り、右端のピークが945m峰

汗をかかないようゆっくり歩きますが、30分もすると暑くなってきてパーカーを脱ぎ手袋も薄手のものに取り換えて雪の斜面を登ります。雪は比較的柔らかくスノーシューを履いても20〜30cmもぐります、急な斜面ではジグを切りつつのんびりゆっくりです。

雪原の緩やかな柔らかい曲線と陰影のコントラストが何とも優しく、こんな感じの絵を描いてみたいものだとほのぼの気分で歩いていきます。


優しく柔らかい斜面の表情

送電線下の斜面を登りきって後ろを振り返ると、羊蹄山と尻別岳が親子のように並んでいます。ルスツのスキー場も綺麗に見えています。


尻別岳と頭を隠した羊蹄山

送電線と別れを告げて、南南東にコースをとり945m峰の尾根へと取りつきます。
傾斜もそれほどではなく、スノーシューで歩くには快適な斜面です。


945m峰への尾根、三角ピークが945m峰


気温は低いが風もなく穏やか

少し進むと白老岳やその奥に徳舜瞥岳が姿を現してきます。


白く輝く、白老岳

だんだんと周りの木々がトドマツやハンノキから岳樺に変わってきました。
ウサギの足跡が縦横に走っています、歩いていて間隔が短いものや走ったのか間隔が2メートル以上のものもありました。私達が行こうとするルート通りにも足跡があって、あたかも道案内をしてくれているようです。
「キョッ、キョッ!!」と言う声に見上げると、アカゲラが飛び回っていました。

945m峰の尾根は思ったより狭く、おまけに上部は枝がうるさくてスノーシューで歩くのも煩わしいほどです。山スキーですと苦労するかも知れません。
枝が少なく比較的歩き易い尾根の北東側には雪庇がすでに出来ていますので要注意です。


岳樺の枝

左手に支笏湖が見えてきました。あまり見ない方向からの景色に思わず見とれてしまいます。
樽前山の西峰が鋭く尖って見えて新鮮な感じです。
紋別岳も千歳方面から見ると独立峰に見えるのですがここからだとイチャンコッペ側に延びる稜線と一体となって見えます。
キムンモラップ山とモラップ山の間から千歳市街をかすかに望むことが出来ました。


支笏湖と恵庭岳、紋別岳


風不死岳と樽前山
白老台地の様子が良く分かる

少しお腹が空いてきました。低血糖値になって動けなくなったら大変です、風を避けられる木の陰の窪みを平らにならして昼食にしました。お決まりのラーメンとコーヒーの定食です。
寒冷地用ガスボンベを使っているのですが、火力がいつもより弱いようです。いくら寒気が入っているといっても昼間ですしせいぜい−10℃位でしょう、万一のビバークなどを考えるとコンロも考えなくてはいけないなと感じました。

コーヒーの美味しさと暖かさが体に染み入ってくるようです。
野菜餅入りラーメンを食べると、ホカホカになり元気倍増です。ですがうかつに手袋を外していたため指先の感覚がなくなってしましました。冬山ではちょっとした油断が命取りになるということを体験できたように思います。油断大敵ですね。

945m峰からも支笏湖方面や白老岳が手に取るように見ることが出来ます。周囲の山々にかかっていた雲も取れ晴天の本当に気持ちの良い日和になりました。
カミさんも雪山の美しさ、素晴らしさに感動したようです。
白老岳の北および北西斜面はスキーで降りたら気持ちよさそうな斜面です。近いうちにぜひ訪れてみようと思いました。

帰りは来たルートを引き返します。下りでしかもラッセルも必要ないのですからラクチンラクチン。
ルンルン気分で写真を撮りながら引き返しました。
でも実はとんだ大失敗をしていたのです。食事後に厚手の手袋をしたまま感覚のない指先でカメラを操作してダイヤルを動かしてしまったのでしょう、シャッター速度1/4秒の優先モードにしてしまったため、その後撮った写真はすべてパーになっていたのです。
雲も取れ、天気も光線状態も良好で山々や雪の表情など面白い写真が撮れていたのではと思うと残念ですし、C'Kをしなかった自分に呆れてしまう思いでした。

思わぬ好天に恵まれて訪れた美笛の945m峰、もう雪山を歩くことはあるまいと思っていた私と雪というと元気が出なかったカミさんに雪山の素晴らしさ、美しさ、楽しさを改めて教えてくれた山になるのではと感じます。

これを機会に怖がらず冬山を訪れてみようと思っています、もっとも安全第一ですが・・・。

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