オコタン〜美笛、雪中トレッキング (道央) (小雪) 1.28(水)
オコタンキャンプ場から見た恵庭岳 |
人気が少なくなる冬の支笏湖、そんな中でも人が入っていないだろう所を歩いてみようと昨秋紋別岳からイチャンコッペ山への稜線縦走を行った暇な物好き3人で、国道453号線のオコタン分岐からオコタンペ湖、オコタン渓谷、オコタンキャンプ場、巨木の森を経て美笛までの約17kmをスキーで歩いてきました。
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ご存知のように支笏湖は静かで豊かな大自然で名を馳せています。 そして冬の支笏湖周辺は一年の中でも一層静かな佇まいを見せています。 ですが、そんな静けさや自然を求めて多くの愛好の人達が支笏湖周辺を訪れます。 今回はそのような人達も滅多に入らないだろうコースを歩きながら、冬の表情を堪能しようと訪れてみました。 3人のうち一人は歩くスキーで、二人は山スキーで歩きます。 気になる天候は小雪が降っていましたが、回復することを願って出発です。 |
美笛側に帰りの車を手配して、国道453号線のオコタン分岐に設置されている除雪基地用スペース兼駐車場に車を置いてまずはオコタンペ湖を目指します。
概略のコース状況はオコタンペ湖の手前約500mまでの約2kmは軽い登り、その後約1kmの平地、そしてオコタンキャンプ場まで約5kmの下り、最後の美笛までは若干のアップダウンが連続する約8.5kmの計17kmです。
オコタン分岐のゲートからスノーモービルの後が薄く残っています。有り難いとこれを利用させてもらいます。途中、市境界付近から恵庭岳北東尾根に向かうスノーシューの足跡もありました。
スノーモービルのトレースのお陰で夏と大差ない時間でオコタンペ湖に到着しました。オコタンペ湖でも小雪が降っていて見通しは効きません。湖面は雪のため定かではありませんがすでに完全に凍結しているようです。
雪に覆われたオコタンペ湖 |
オコタンペ湖で小休止してシールを外し、先に進みます。スノーモービルは湖に降りたのでしょうかトレースは無くなっています。
交代でラッセルしながらオコタン渓谷へと進みます。動物の足跡が多くなってきました。ウサギ、キツネ、エゾリス、テンの仲間、タヌキなどの足跡が入り交じっています。やはり豊かな自然が残っているのですね。
待望の約5キロメートルに亙る下り坂です。ですが残念なことにスキーを履いていても20cmほどもぐる雪に全然滑りません。気持ち良く滑ることは出来ませんでしたが、それでもストックで押しながら楽に下ります。
恵庭岳の岩の頂きが雪の切れ間からかすかに望まれます。
雪で霞む恵庭岳 |
オコタン渓谷は雪のため暗く陰湿な感じで出迎えてくれました。オコタンペ川の水音だけがゴウゴウと音を立てていました。
暗く雪に覆われたオコタン渓谷 |
オコタンペ湖の登山口から2〜3人のスノーシューが降りてきてオコタン分岐の方に行っているかすかな跡がありました。多分、小漁岳から降りてきた人の足跡でしょう。そうだとしたら、オコタンペ湖はまだ結氷していなかったのかも知れません。凍っていれば真っ直ぐオコタンペ湖を渡って展望台方向に行くはずですから。
オコタンキャンプ場まではストックで漕ぎながらですが、比較的楽に到着です。この間も動物の痕跡が至る所にあり、此奴はデカイとか、今通ったばかりだとか、わいわいがやがやお喋りでした。
キャンプ場は勿論閉鎖中で誰も来た形跡もありません。
相変わらず小雪が降っていて、見通しが悪くオコタン岬がやっと見えるぐらいです。
キャンプ場からオコタン岬 |
お腹も空いてきました。ここで昼食にします。
私は定番のラーメン定食。仲間の一人がすごいアイディア弁当を持ってきました。皆さんにもご紹介しましょう。これは使えますよ。
プチ・ホッカイロという小さな貼ることが出来るカイロをご存知でしょうか? これをおにぎりに貼り付けて袋に入れてきたのです。ホカホカ出来立ての暖かいおにぎりを食べることが出来ます。
一つだけ注意点はビニールなどの密閉する容器に入れてはいけないことです。カイロは空気が無いと発熱しないからです。ぜひ私も真似してみようと思いました。
北の空が少し明るくなってきて、恵庭岳が見えてきました。いつ見ても勇壮な姿です。今年の夏はオコタンキャンプ場から見える西谷コースを登ってみようと思っています。
姿を見せた恵庭岳山頂 |
オコタンキャンプ場から美笛方面を望む |
オコタンペ川の岩に積もった雪と氷 |
ここで計画ルートの丁度半分です。後8kmは概ね平坦なのですが細かいアップダウンがいくつもあるはずです。
オコタンから美笛までは支笏湖のカルデラ斜面に付けられた現在は通行止めになっている道をたどります。カルデラ斜面は40〜50°以上の傾斜で支笏湖へ落ち込んでいて、木々の葉が落ちている冬は真下に支笏湖の澄んだ湖水が見えて少し怖いぐらいです。
崖の斜度がきついため、この時期でも何箇所も雪崩が起きていて道を塞いだデブリを乗り越えていかなくてはなりませんでした。どうもこのルートは雪崩れの巣と思ったほうが良いようです。冬は止めて置いたほうが良いと思いました。
崖になっているため動物も棲みにくいのでしょうか、形跡もありませんでした。
やっと巨木の森に着きました。ここまでに何箇所もあったアップダウン、結構効きました。特に山スキー組にとってはシールを付けていないと緩やかな登りも体中の力が入ってしまい余分なエネルギーを使ってしまうようです。巨木の森に着いたときには太ももが痙攣しそうな感じで騙しだまし、ゆっくりしか歩けない状態でした。
とても巨木の森を歩こうなどとは思いもしないで、真っ直ぐ国道246号線の合流点へ、国道を走る車の音が近づいてきたときは正直言ってホッとしました。
6時間15分、気まぐれ思いつきの雪中トレッキングは何とか無事に終了しました。予想した通りオコタン渓谷以降は人が歩いた形跡は全くありませんでした。挑戦した自分たちだけがこの景色を見ているだと思うとやってよかった、面白かったと幸せ感に浸れます。ですがもう一回やる?と聞かれればごめん被ると答えるでしょう。
家にたどり着いて風呂に入りビールを1本飲むと、バタンキューでありました。
話題がそれますが、この数日前、美笛の滝に行ってきましたので、写真だけですがご紹介しましょう。
この日はお天気は良かったのですが、前日の雪が滝に被っていて期待していた青氷の姿を見ることは出来ませんでした。
美笛の滝。雪が被っているため青氷の姿には お目にかかれなかった。 |
滝の氷柱 |
美笛の滝の沢筋 |
美笛の滝にはスノーシューで行きましたが、何処でも自分でルートを選べるのでかえって夏より楽で歩き易い感じがしました。除雪も千歳鉱山まではきちんと行われていますので気軽に行くことが出来ます。