樽前山ロックガーデン (道央)     2004.1.30(金) (晴れ)



樽前山8合目付近

樽前山7合目ヒュッテから風不死岳に通じる登山道の周りは一面のお花畑で、花の時期には多くの登山者達の目を楽しませてくれているようです。私は勝手にここを「樽前ロックガーデン」と呼んでいるのですが、冬のロックガーデンを歩いてみたいと訪れました。
山スキーを再開したばかりの私にとって、樽前山を山スキーで登り滑り降りるのは当面の夢です。今回はいきなり登頂を目指すのはおこがましいとロックガーデンを歩いてみるのが目的です。
でも、内心は行ければ頂上まで行こうかと思っていたのです・・・。

まずは道道、樽前ー錦岡線のゲート前に駐車して準備です。ここから樽前7合目ヒュッテまで約7kmのアルバイトです。山スキーに慣れるには丁度よい訓練でしょう。
ゲートからスノーモービルのトレースが何本も付いています。ゲートに見慣れたヒュッテ管理人の車がありましたので多分彼が付けたものでしょう。
これを利用して歩き出します。夏場は車がひっきりなしに行き交う道道も、信じられないほど静かで美しく見えます。

いつもは車であっという間に通り過ぎてしまう道も、歩くと景色が違います。針葉樹ばかりと思っていた所もよく見るとかなりの広葉樹が混ざっている針広混合樹林帯で、動物の足跡が沢山あります。ウサギやキツネは当然ですが、テンやエゾリスのものが多く驚きました。歩いたばかりなのでしょう、爪痕がハッキリ残っているものもいくつもありました。


道道、樽前・錦岡線とは思えぬ静かさの中、
スノーモービルのトレースに導かれ

樽前山登山道のゲートまで、1時間30分。一休みして7合目ヒュッテに向かいます。
林の間から樽前山が見え隠れするようになりました。スノーモービルの広いトレースがありますので何だか楽に登れるようです。


樽前山が見えだし、気分は上々

一頑張りで見慣れた7合目ヒュッテが見えてきました。管理人のスノーモービルが置いてあります。ゲートからここまで、2時間30分掛かりました。トレースが無くラッセルしながらですと、3〜4時間ぐらいを見ておく必要が有るのでは無いでしょうか?
管理人にお陰様で助かったとお礼と挨拶を言いながら、雪の状況を教えてもらいます。9合目より上はクラストしているそうで私には無理なようです。
ちょっぴり残念な思いも残りますが、樽前ガーデンで遊ぶことに頭を切り替えました。


樽前山7合目ヒュッテ

夏道より少し上の駐車場からロックガーデンを目指します。ほとんど樹林帯を通らず大雪原に出ます、ロックガーデンです。
夏道より大分上の方を真っ直ぐ風不死岳分岐方向に向けて歩きます。何処でも歩けます。天気も上々。樽前山の稜線が逆行を浴びてキラキラ輝いています。


7合目ヒュッテからものの5分で大雪原へ

小さな稜線を越えれば、風不死岳との分岐も近い

ロックガーデンの大雪原に出ると、風が出てきました。遮るものが無いのですから当たり前かも知れません。樽前山はいつも風が強く大変だと良く聞きますが、納得できる気分です。
マウンテンパーカーと毛糸の帽子をザックから引っ張りだして身に付けます。

支笏湖ブルーが一際映えているようです。紋別岳もイチャンコッペ山もそれぞれが自己主張しているようです。


まばゆい支笏湖のブルーと紋別岳

しっかり練習しなければ・・・

そして932m峰と風不死岳が真っ正面に迎えてくれています。
誰のトレースもありません、有るのはキツネの足跡と岳樺の枝先だけです。
気持ち良い! これが冬山の醍醐味なのでしょう。


932m峰

風不死岳

冬以外には、登山道から外れて歩くことは出来ません。お花畑の雄大さに見とれながら歩けても、実際に歩けるのは登山道で、よく見ることが出来るのも道から数メートルの範囲です。
ですが、今私が歩いている場所はお花畑のど真ん中、おまけに何処でも自由自在に歩けるのです。

気持ちいい! 美しい! 空も、雪も、山も、湖も。
空はあくまで青く澄んで、このまま絵にしたら嘘っぽくなってしまうほどです。かって経験した58000フィートの青黒い空の色を思い出していました。
雪の表情も豊かで面白い。柔らかい雪、クラストして縞や粒状の模様を描く雪、沢地形に結ぶ陰影のコントラスト。
寒くて顔がヒリヒリするほどでしたが、もっともっと遊んでいたいと感じた時間でした。


色々な表情を見せる雪面

樽前の稜線

こんな厳冬期なのに、樽前山の裾野に広がる樹林帯は赤っぽく見えています。木々の芽が大きく膨らんでいる証拠なのでしょう。きちんと季節が分かっていて春の準備をしているのですね。

夢中で遊んで、お腹も空いてきました。ヒュッテまで戻って友人に教えてもらった、ホッカイロ貼り付けおにぎりで昼食、暖かくてお勧めです。

シールを外して下山です。登山道入口まで登りは1時間掛かったところを6分で、その下の1時間30分掛かったゲートまでを20分で降りてきました。スキーの威力はたいしたものです。

今日は極められなかった冬の樽前山山頂、何時かは立ちたいと思いますが、それ以上に冬の山の美しさに感動した一日でした。

 

 

 

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