千歳湖 (道央)     2004.1.17(土)  (晴れ)>



千歳湖に映る木々の陰

北海道は1.13(火)〜15(木)まで暴風雪が吹き荒れ各地で被害が出たりで大変でした。
千歳でも新千歳空港が2日間、閉鎖状態になり大混乱でしたし、交通機関や道路は壊滅状態でした。

何とか除雪も一段落した17(土)は快晴に恵まれたので、雪かきの気分転換にと近くの千歳湖に遊びに行ってきました。
千歳湖は新千歳空港や千歳科学技術大学のすぐ傍にある小さな湖ですが、林に囲まれ深山幽谷の気配さえ感じられる所で千歳の隠れた宝でもありますし、水芭蕉や野の花、山菜なども豊富で、私の好きな場所の一つです。
またウトナイ湖に注ぐ美々川の源流の一つでもあります。

大雪の後の千歳湖の林はどんな感じでしょうか?
千歳科学技術大学実験棟の駐車場に車を置かせてもらい、スノーシューを履いてすぐ前の林に入り込みます。時折、新千歳空港から離陸する旅客機の轟音が響きますが、それ以外はシーンと静まり返った落葉樹の林に私達のスノーシューの足音だけがサクッサクッとするだけです。

真っ白い雪面に明るい日の光が差し込む林の中は、木々の枝が雪で曲がったりしていて、思わぬ造形美を見せてくれています。


明るく日が差し込む林の中

雪はスノーシューを履いて約20cm位沈む程度で、丁度歩きやすい深さです。わざと新雪の上をワサワサ歩きたくなります。


新雪を踏みしめて

緩やかな起伏を越えて、流れ込む沢沿いに千歳湖を目指します。
所々にキツネやネズミの足跡が付いています。変な足跡を見つけました、よく見ると雪の柔らかい所をキツネがお腹を擦って歩いたのでしょう、溝状の中に足跡がある跡が残っていました。

所々、小さな流れが雪の下に埋もれていて注意していないと落ちてはまってしまいます。
まだ一月だというのに、木々の冬芽は大きく膨らんでいるのもあって木の成長力と言うか季節を感じる力のようなものを伺い知ることが出来ました。


かれこれ約1時間の楽しい雪中散歩を経て、目的の千歳湖近くへ出てきました。
急に目の前が開けて、小さな湖が見えてきます。遠くに鴨やアオサギの姿を見ることが出来ます。


橋を渡るキツネの足跡

正面の林の左側約1kmの所から歩いて来た。

そろそろ湖の上も歩けそう

千歳湖はどうやら結氷し始めていて上を歩けるのももうすぐでしょう。僅かに開いている水面には数々の水鳥が羽を休めていました。
私達も持ってきたコーヒーとお菓子を食べながら大休止、静かな湖面の上空を切り裂くように旅客機が急角度で上昇していき、いかにも千歳らしい雰囲気です。

ここから千歳湖の駐車場を経由して、除雪されていない千歳科学技術大学構内の道路を歩いて車まで戻りました。


大学構内道路に続く、私達の足跡

大雪の後の誰もまだ入っていない千歳湖は静かな姿で私達を迎えてくれました。
雪は苦手のカミさんも大満足のようです。これからもスノーシューであちこち楽しむことにしましょう。

私の好きな千歳湖ですが、残念なことがあります。それは千歳湖が最も美しく見える高台からの風景が一変してしまったことです。
これまでは湖と林だけが見えるだけで深山の雰囲気が感じられたのですが、正面にエプソンの大きな工場が建設され丸見えなのです。聞くところによると千歳市や商工会議所などは工業団地が売れた、新たな雇用が期待できると大喜びだそうです。
私からすればどうしてこの場所でなければならなかったのか、理解に苦しみます。売れ残っている工業団地はいくらでもあるのです。

千歳市民のささやかな宝物を赤字補てんのためにあっさり壊してしまう行政や議会に怒りの持っていきようもありません。出来てしまってからではもう遅い、行政の動きを監視して早期に手を打ち意見を言うことの大切さを改めて痛感した次第です。

 

 

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