来馬岳(1040m) (道央) 2004.2.8(日) (曇り・雪)
カルルス温泉から見る来馬岳 |
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2004.2.8、この日北海道地方は強い冬型の気圧配置となり厳しい冷え込みになりました。 お天気も日本海側の留萌、後志、石狩方面は雪、太平洋側の胆振、日高方面は晴れの予報です。 そこで、胆振のオロフレ山の近くにある来馬岳に行くことに。 自宅のある千歳から苫小牧、白老、登別を経て、カルルス温泉を目指します。 |
登別から道道、登別ー洞爺湖線に入りカルルス温泉に近づくと、来馬岳がハッキリ見えてきました。丁度来馬岳付近だけが晴れているようです。オロフレ山は見えませんが、中腹の羅漢岩の辺りが確認できます。このまま晴れていて欲しいと願いつつ、サンライバ・スキー場に急ぎます。
準備を整え、さあ出発です。当初は練習を兼ねてスキー場のゲレンデを登るつもりでしたが、天気の良いうちにとリフトを利用することに。
リフト乗り場まで緩やかな50m位の登りになっていて、スキーヤーの皆さんはV字歩行で上がっています。その横を歩いていくと家族連れの小学生らしい女の子が「どうして真っ直ぐ歩けるの?」「ウン。おじさんスキーが下手だから滑らないスキーで遊んでいるんだよ」「良いな〜。私もそれが欲しい!」
1時間はかかるであろう登りもリフトを使えば15分程でOKです、さすが機械力大したものです。利用しない手はないのですが、何となく後ろめたい感じになるのは私だけでしょうか。
リフト降り場のすぐ脇からトラバース気味に来馬岳に続く稜線に向かいます。
リフト降り場からの来馬岳 雲の動きが急、お天気の変化が激しそう |
稜線は狭く、左側(南側)には小さいですが雪庇が出来ていますし、風が吹き抜けるのでしょう吹きだまりと吹き飛ばされてえぐられたところが連続していて歩きにくいこと。
木々の間から見えていたオロフレ山の中腹が見えなくなってきました。天気の変化は思ったより激しそうです。
来馬岳に向かう痩せ尾根 |
この数日誰も歩いていないようで、トレースのかすかな跡もありません。
振り返ると、太平洋がうす暗い感じで見えています。
雲に覆われ、暗く静かな感じの海岸線と海 |
痩せ尾根を過ぎると、来馬岳への急登です。大きな太い岳樺の疎林の急傾斜をジグを切りながら登っていきます。七合目の標識を過ぎる辺りから心配していた雪が降り始めました。あっという間に見えていた山頂も見えなくなり、雪が降る音が聞こえそうなぐらいシーンと静まり返る中、自分の息遣いとラッセルするスキーの音だけが響いているようです。
雪はかなり深く、スキーを履いていても膝まで入ってしまうほどでスキーの先端が出てきません。でも軽く乾いた感じでラッセルがキツクテ、キツクテと言う感じではありません。
頂上直下に雪庇が出来ていたのを確認していたので、大きく南側に巻きながら登っていきます。
本当に大きく立派な岳樺が所々に生えています。何年ぐらい生きているのでしょうか? 自分の存在をさりげなくしかし毅然と主張している姿にあやかりたくて、木肌を触り、撫でてみました。
お前のことなんか知らない、勝手にしろよ。とでも言っているのでしょう、ゴツゴツごわごわした感触でした。
大きく南に回り込み一登りで、標識のある山頂に到着です。雪は相変わらずかなりの勢いで降っていますし、北風も強くなってきたようです。
来馬岳、山頂標識 |
風を避けながら、昼食にします。ラーメン党の私ですが今日は友人から教えてもらったアイデア弁当のホッカイロ・オニギリです。ホカホカの暖かいおにぎりとみそ汁がお腹にしみ渡るようです。
晴れてくれないかなーと思いつつコーヒーを沸かしたりしながら、しばらく待ちましたが好転の兆しは見られません。
雪と風で何も見えず |
何も見えない天候にしびれを切らして、下山することに。
念のために、GPSをトラックバックにしてから雪庇の小さいところを見定め、来馬岳東斜面に滑り降ります。すごい深雪ですが軽いので私でも難なく曲がれます。それに大きな岳樺が所々にあるだけでぶつかる怖さもありません。これが山スキーの醍醐味なのでしょう。
ウオーッ! 最高だー。気持ちいいー!! 調子に乗ってあやうく登りに付けたトレースを見逃すところでした。1時間ほど前なのによく見なければ分からないほど雪で消されかかっています、油断大敵です。
谷に降りていっては大変です。ここからはGPSとにらめっこで慎重に下山しました。
見覚えのある痩せ尾根から一滑り、サンライバ・スキー場の一番上に出て一安心です。
綺麗に整地されたゲレンデを思いきり滑ってスキー場のハウスに到着。山スキーも楽しいけれどゲレンデスキーもまた楽しいですね。どちらで無ければと片意地張るのではなくてどちらもそれぞれ楽しめばいいのだと思います。
サンライバ・スキー場 |
期待していた展望は残念でした。冬の山なのですからいつも期待通りにはいきません。これもこれで楽しさなのだと思わなければ一人前の山スキーヤーになれないのでしょう。
そう思えるまで冬の山へ通い続けることにするとしましょう。何年掛かることやら・・・。