無意根・千尺高地 (道央)   2004.2.1(日) (曇り時々晴れ時々小雪)



千尺高地の樹氷群

今シーズンから三十年ぶりに山スキーを再開した私は、この1ヶ月間ホームグラウンドでもある支笏湖周辺で山スキーの取り回しなどを意識して遊んできました。
2月に入りそろそろ山スキー界にデビューしてみようかと、札幌近郊の山スキーのメッカ無意根山の千尺高地に行ってきました。(勝手にそう思っているだけかも知れませんが・・・。)
サーフィンに例えれば、九十九里でシコシコ練習に励んでいた若者が満を持して湘南デビューするようなものです。

2.1(日)
無意根山荘 1015
千尺高地 1155
昼食・休憩
千尺高地 1240
無意根山荘 1320
無意根山の元山コースは夏も訪れたことが無く、地形的にも不案内です。デビュー戦で大失敗したら大恥とHYMLなどの人達のHPを参考にイメージトレーニングを行い、GPSにもルートを入れて出発です。

天気予報によれば良い天気が期待できます。千歳は快晴でした、石山や藤野も晴れていましたが、定山渓に近くなるにつれて雲が多くなってきました、山は雲で覆われています。デビューなんだから晴れて欲しいなと思いつつ登山口の無意根山荘を目指します。

無意根山荘のある豊羽鉱山に差し掛かると「立ち入り禁止」の看板があり、根が真面目な誰かさんは手前に道があるのではと右往左往して時間を無駄にしてしまいました。
結局は鉱山の人に教えてもらい、やっと無意根山荘に無事到着です。

無意根山荘にはすでに10台以上の車が止まっていて、さすがメッカの雰囲気です。丁度先行するパーティが出発したところでした。
無意根山荘は閉まっていましたが、大変立派な山荘です。半分雪で埋もれている案内標識を見てコースを再確認し、はやる心を抑えつつ出発です。


無意根山荘

無意根山荘にあった、案内標識

まずはスキー場のゲレンデを登ります。もう何組ものパーティが先行しているようで、しっかりしたトレースがついています。新雪に入ってみると思ったより重い雪で、20cmほどのラッセルが必要でした。

トレースはかなり密度の濃い樹林帯の中を進んでいます。深雪でのスキーにいまいち自信の持てない私にとって帰りが思いやられるコースです。しっかりしたトレースがあるものの、土地勘がないため時々不安になります。でもGPSがオンコースを指し示しているのが心強い限りです。

天気もすっかり曇ってしまい林の中は暗くモノトーンの世界です。何故か動物の痕跡がほとんど見られません、豊かな林なのですから居ないはずはないのですが・・・。小鳥はハシブトガラやシジュウカラなどが盛んにさえずっていました。
汗をかかないようなペースでと思っていたのですが、一人でしかも始めてのコース、何となく気がせくのでしょうか、汗はかくし、やたらに喉が渇きます。

周りの木々が岳樺とエゾマツ、トドマツに変わってきて、傾斜も急になってきました。
だんだん空が明るくなってきたようです。いいぞ、晴れてくれ! と念じつつひたすら登ります。


晴れ間も覗いてきた

すでに滑り降りてくるパーティ何組かに出会いました。何回も来ているらしい人の話では、今年は例年より大分雪が少ないそうですし、今日の雪は重いとのこと。
先行していたパーティに追いつきましたが、初心者が追い越すのは失礼と一緒に写真を撮ったりしながら、千尺高地を目指して進みました。


樹氷や霧氷が美しい

無意根山荘を出発して1時間40分、今日の目的地である千尺高地の端にたどり着きました。広大な緩やかな台地の上、目の前には長尾山と無意根山のゆったりしたなだらかなシルエットが横たわっています。
険しく凛々しい山々の姿は心を奮い立たせてくれますが、千尺高地のようなたおやかな姿は心を柔らかくゆったり和ましてくれるような感じがします。


千尺高地に到着

無意根山が独特のどっしりした姿を見せています。何組かのパーティが稜線を登っているのが遠望されます。カミさんと夏に訪れたときの事を思い出しました。千尺高地の西側は大きく落ち込んでいてニセコ、羊蹄山方面に奥深く開けています。


無意根山

羊蹄山が大きく立派に見えています。羊蹄山は大きいだけに何処からでも見える感じですが、無意根山からの姿が一番整っていて素敵ではないでしょうか。


頭を隠した羊蹄山

お天気は晴れたり、曇ったり短い時間で変わりやすく変化は急です。
台地に点在する樹氷や霧氷の木々が心を捉えます。
寒くなってきました。マウンテンパーカーを着込んで、景色を堪能しつつお昼ご飯を頂きます。まわりでも私と同様に食事をしている人達が何人かおりました。暖かいコーヒーが体に染み入るようです。


長尾山と霧氷の木々


木々の雪の情景

名残は尽きませんが、いつまでも居るわけにはいきません。今度は無意根山まで足を伸ばしてみようと思いつつシールを外して下山準備です。

深くやや重い雪、曲がれるだろうか? 滑れるだろうか? 不安を抱えての下山です。
不安が体を固くしてしまうのでしょうか、力が入っているのが自分でも分かります。転んでもいいから思いきり良くリラックスして滑ってみようとやってみると案外滑れるものです。

何とか転ばず、降りることが出来ました。でも、ゲレンデと違いイメージ通りのターンが出来ないので木々が密集している林の中では、木に衝突してしまうのではとびびりまくってしまいました。
山荘前のスキー場まで降りてくると、この日始めて定山渓天狗岳がこの姿を見せてくれました。


姿を見せた定山渓天狗岳

ゲレンデのように開けて整備された所では安心して滑ることが出来ます。ここと同じ気持ちで滑れば何ということは無いのにと思うのですが、そこは鞍数がものを言うのでしょうね。


無意根山荘前のシュプール

人様から見れば、爺さんが一人で雪山を歩いていたと思うだけなのでしょうが、私としてはデビュー戦を戦い終わった気分です。
まあ、人様にご迷惑をかけたり、足を引っ張ったりせず、自己責任で歩き、滑り降りてこられたことに対して、自分自身に拍手です。
これからは先輩達の仲間に入れてもらい、一緒に楽しんでいければと思います。

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