空沼岳 (1251m) (道央)    2004.2.28(土)



空沼(からぬま)から見た、空沼岳
2.28(土)
金山鉱山事務所 0900
空沼 1200
空沼岳 1330
空沼 1400
昼食 1440
金山鉱山事務所 1520
空沼岳は登山コースが変化に富んでおり、札幌近郊でも人気の山として有名です。

HYML(北海道山メーリングリスト)のshinriさんとfujimotoさんから前日にお誘いを受けての山行です。今シーズン登ろうと思っていただけに、渡りに船と同行させて頂くことにしました。

夏は万計沢から万計沼、真簾沼を経て登るのが一般的ですが、冬ならではの金山鉱山からのルートで訪れてみました。

0815に登山口集合の連絡でしたが、私は東京に遊びに行くカミさんを空港へ0730に送って行かなくてはならなかったので、遅れて行くことに。
セカセカと準備して登山口に着いたのは0850、0900には後を追って歩き出します。このセカセカ準備が後で重大な影響を及ぼすことになるとは思いもせずに・・・・。

しっかり付いているトレースをたどって、15分ほど行くと7・8名の人達が戻ってきます。どうしたのかと聞いてみると沢に行く手を阻まれて戻ってきたそうで、そのグループの後ろにshinriさんとfujimotoさんの姿も。
丁度よかったと本来のパーティを組み直し、ルートを探します。丁度、私と出会った付近で沢を渡れます、shinriさんがC'Kしてそこから行く事に。もう一グループはさらに戻ったようです。

当初は斜度も緩く見た目はのんびりムードですが、雪が重くラッセルは結構大変です。適時交代しながら進んで行きます。
次第に傾斜がきつくなってきて、雪も深くなってきました。


交代でラッセルしながら

shinriさんは人生でも山やスキーでも大先輩、fujimotoさんはHYMLの女王様、お二人に負担をかけてはならないとキツイ所はラッセルを買って出ます。


雪は深く湿って重く、傾斜は急に
(fujimotoさん撮影)

傾斜はいったん緩みますが、再び狭い谷を挟んで空沼への急登となります。この付近は狭い尾根と谷が入り組んでいて地形の判断が難しい感じの所です。
ここはshinriさんの読図とGPSを頼りに突破して、平らな地形に出ると空沼は直ぐそこです。

時計を見るともうすぐ1200、お腹も空いた訳です。今朝はカミさんが早立ちするので0515に軽いトーストの朝食だったことも影響しているのでしょう。

空沼に到着です。曇りがちのお天気ですが時々晴れ間も見えています。空沼を背景に空沼岳が姿を見せています。下り坂のお天気で期待していなかっただけにラッキーでした。


空沼にて、fujimotoさん

空沼岳

ここでお昼ご飯と思っていたら、shinriさんもfujimotoさんも一気に頂上まで行くつもりのようで、おにぎりやエネルギードリンクを口にしています。
では私もと思って、ショック! ラーメンの準備はしてきたものの間食を忘れてきていたのです。いつもはバテル前に食べるのを主義にしているので何かしら持っているのですが、こんな時に限って忘れるなんて・・・。


空沼で、shinriさん(左)と (fujimotoさん撮影)

少し休んでいる間に、出発点付近まで戻っていたというグループが追いついてきました。彼らもここで一休みのようです。

頂上目指し出発です。凍りついた空沼を渡って稜線に向け突き上げるように登って行きます。ラッセルが苦しい感じになってきました。頻繁に交代しながら高度を挙げて行きます。


稜線を目指して(shinriさん撮影)

後続のグループが再び追いついてきました。ラッセルを交代してくれるのだろうとホッとしていると、彼らはそこでまた休むのです。オイオイ! それは無いだろう! 

頑張っている内、体の芯が何となくス〜としてきました。足に力が入らないような感じです。しまった、低血糖になった時の特有の感覚です。
でもお二人に迷惑を掛ける訳には行きません。頂上は見えているのです。気力だ、気力だ! 自分に叱咤激励です。
稜線に辿り着いてからはfujimotoさんに先頭をお願いしてしまいました。


頂上直下

稜線に出ると風が強くなってきました。雪は吹き飛ばされていてラッセルは無くなりましたが、雪庇が気になります。雪が飛ばされた下は青氷で、緑がかった氷の所もあり、ガリガリで風で押し流されるのではと心配になるほどでした。

頂上に着きました。風が強く、感激に浸る余裕もありません。景色も楽しむほどの展望は無く、写真を撮って直ぐに降りることに。


空沼岳山頂にて

空沼岳山頂(fujimotoさん撮影)


凍てついた山頂の木(fujimotoさん撮影)

まずは空沼まで下ります。shinriさんを先頭に滑り降りて行きます。私の低血糖の症状はだんだん強くなってきているようで、内心心配です。


下山準備開始(shinriさん撮影)

どうやら空沼へ降りてきました、沼を横切って歩くのも辛い感じでお二人との距離も離れがちです。
待ちに待ったお昼ご飯です。ラーメンのお湯が湧くまでの時間が長く感じられるほどでしたが、fujimotoさんからホットウィスキーやチーズを頂いたり、皆さんでおしゃべりをしながらのゆったりした時間を過ごしました。

お昼を食べて元気回復を願いたい所なのですが、直ちにはエネルギーにならないのか体に力が入りません、おまけに気力も使い果たした感じです。
しばらくここで座っていたい気分ですが、そうもいきません。

shinriさんを先頭に下ります。急な所が二ヶ所、木が密集している所が幾つかあります。shinriさんはさすが大ベテラン、スイスイと滑り降りて行きます。
fujimotoさんも「恐いわー、でも降りなきゃ帰れないもんね。」と言いつつ果敢に降りて行きます。
私も続いてと思うのですが、何とも力が入らないのです。気力も萎えています。従ってドタッ。ボテッ。バキッ(木にぶつかった音)。が周囲にコダマしたのでした。

ひっくり返って、このまま寝ていたいと思う目にトドマツの雪をまとった凛とした姿が飛び込んできました。負けるものか! 最後の気力を振り絞ってお二人の後を追います。


すっくと立つトドマツ
ここでしばらく寝ころんでいた

やっと、鉱山事務所に着きました。すでにお二人はスキーを脱いでいます。
いやー、今日は本当にお世話になりました。本来なら私がお役に立たなくてはいけないのに、後半はお荷物になってしまいました。心からお礼を言って今日の山行は終了です。

近くで行き慣れている山といっても、きちんと準備をして行かなければ思いもかけないことになると言う、良い教訓でした。

個人差はあると思いますが、低血糖になると本当に辛いものです。どうか皆様も御注意下さい。

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