945m峰(草笛山) (945m) (道央)    2004.3.22(月)



1月にカミさんと登った945m峰、もう一度素晴らしい景観を見たいと友人のMiさんとMeさんの三人で訪れました。
この945m峰、無名峰かと思っていましたら、ある方から草笛川の源流にあることから「草笛山」と呼ばれているのだとお聞きしました。
945m峰よりずっと良い名前だと思います。

実は1月の山行時、カメラの設定ミスからほとんどの写真をパーにしてしまい、そのリベンジの意味もあったのです。
天気は快晴、白老台地や支笏湖方面の景観のみならず道央の山々の大展望も期待です。

登山口の美笛トンネル大滝側出口に向かう途中の美笛付近から945m峰を見上げると稜線には雪庇が張り出している様子が見られます。


美笛から見た945m峰

登山口の除雪ステーションに車を止めて北電の送電線沿いに登っていきます。此処は駐車スペースの心配が無いのも安心です。
昨日の日曜日に遊んだのでしょう、スノーモービルのトレースが何本も走っていてその上であればツボ足でOKでした。
送電線下の大ゲレンデとでも言える斜面を登りきり、スノーシューを履いて送電線と別れ東南東に延びる尾根に歩を進めます。振り返ると羊蹄山と尻別岳が親子のように並んでいてほほ笑ましく感じられます。

尾根に取りついて間も無く北側の視界が開け、支笏湖とその周辺の山々そして白老台地が見え出しました。始めてみるMeさんが歓声を上げています。


南西から見る支笏湖

独特な不思議な姿の白老台地の様子もよく見ることが出来ます。台地の形成の歴史や台地の中にある社台滝やインクラの滝などの生い立ちなども興味が湧くところです。


樽前山、風不死岳と白老台地

ウサギやエゾリスの足跡の多い斜面をさらに登っていくと、右手に白老岳、南白老岳そしてその間から徳舜瞥山が見えてきました。
先週、撤退を余儀なくされた徳舜瞥山のガリガリ氷の斜面が思い出されます。


白老岳と南白老岳、その間から徳舜瞥山

3月も中旬ということで、雪も1月に訪れた時のフワフワ雪とは違いザラメ状の雪となっていて、スノーシューですと凍りついている急斜面のトラバースには神経を使います。
945m峰への尾根は痩せていて狭く、木々がかなり混んでいます。尾根の北側数mは木が無く歩きやすいのですが、雪庇が出ているので要注意です。
この日もクラックが入りその中に新たな雪が入っていて、ストックで突くとブスッ!と突き抜けそうになる所が幾つもありました。

頂上直下の狭く、急な氷混じりの斜面をトラバース気味に慎重に登り山頂に着きました。

スゴーイ! 大展望です。
どうぞ、ゆっくりご覧ください。


支笏湖と紋別岳

春の日差しを浴びて支笏湖がコバルトブルーに輝いています。その奥には紋別岳の稜線とさらに遠くには夕張岳、芦別岳が見えています。

樽前山の西峰が鋭く尖って見え、支笏湖温泉方面からの見慣れた姿とは大分違って見えます。


恵庭岳、左の尾根にオリンピックの滑降コースの跡が

目を少し左に転じれば、盟主恵庭岳がどっしりと佇んでいます。
すでに回復したと言われているオリンピック時の滑降コースの跡が2本ハッキリ見えています。植栽した木の種類が違うためなのだそうです。一度傷つけられた自然が完全に回復するのは至難の業なのですね。
恵庭岳からさらに左には、漁岳、空沼岳、狭薄岳、札幌岳が並んでいます。


白老岳

目を南西から南に移すと白老岳の北斜面が手に取るように見えていますし、南白老岳そして徳舜瞥山、ホロホロ山、オロフレ山が鎮座しています。
コースを間違えて苦労した白老岳南斜面の事や頂上直下で退散した先週の徳舜瞥山の事が思い出されます。


右から徳舜瞥山、ホロホロ山、オロフレ山

白老の町や苫小牧への海岸線が美しく、遥か遠くには恵山の姿も確認出来ました。


羊蹄山と尻別岳

西側にはルスツスキー場その奥には昆布岳が、さらに西には羊蹄山と尻別岳がくっきりその姿を現しています。ニセコの山々も見ることが出来ました。
Miさんがこの時期の羊蹄山は本物の富士山より良いんじゃないかとホレボレしています。確かに良い姿形ですが、いくらドサンコでもそれは富士山に失礼ですよね。


余市岳、無意根山、中岳

そしてひときわ白さを際立たせていたのは、無意根山と余市岳でその存在感をアッピールしていました。

なんという大展望でしょう。こんな素晴らしい時に登れたなんて本当に幸せで感謝したいぐらいです。

何十年も千歳に住んでいるけれどこんなに素晴らしい所があるなんて知らなかったとMeさんも大満足、心から嬉しそうです。


顔はともかく、気立ての良い
気さくな仲間達

感動に包まれながら、温かい飲み物と軽いものを食べながら小一時間、景観を存分に満喫しました。

あまりの素晴らしさに945m峰と名も無いのは可愛そうだと、今後は「草笛山」と呼ぶことで衆議一致です。

余韻に浸りつつ、下山です。雪庇と少し煩い木々に注意しつつ、足取りも軽く降りていきます。

登り1時間40分、下り1時間の手軽な山ですが、本当に素晴らしい展望の山だと思います。特に南西方向から見る支笏湖と周辺の山々の景観は他からは見れないものだと思います。
手軽過ぎると感じる方は白老岳との縦走を楽しむと良いのではないでしょうか。

Homeへ Page Topへ 次に進む

inserted by FC2 system