浜益岳(1258m) 浜益御殿(1039m) (増毛) 2004.4.29(木)(晴れ)



浜益岳(右)と群別岳

4.29(木)
0525 登山口
0730 浜益御殿
0845 浜益岳
1000 雄冬岳とのコル
1100 雄冬岳1000P
1215 浜益御殿
1415 登山口
増毛山地と言えば、暑寒別岳、南暑寒別岳、雨竜沼湿原しか訪れたことの無かった私達にとって、暑寒別岳の南西に横たわる雄冬岳、浜益岳、群別岳、知来岳と続く山稜は、魅力的でぜひ訪れたいと思っていた山々なのです。

夏道の無いこれらの山、沢登りの経験の浅い私達には残雪時期がチャンスと訪れてみました。
思いは同じなのでしょう、この日多くの人達が浜益岳を訪れていました。ツボ足の人あり、山スキーの人ありでこんなに賑わう山なのですね。

残念なのは何時は一緒のカミさんがこの一ヶ月ほど目まいに悩まされ気分がすぐれず病院通いの為、留守番な事です。
健康に自信がなければ山歩きも楽しめません。健康第一、一日も早い回復を願いたいものです。

4.29(木)は全道的に快晴の予報、念願の浜益岳を目指すことにして、「夕方までには帰るよ」と言い残して真夜中に千歳の自宅を出発です。
登山口へは浜益村から幌に入り、善盛果樹園の看板に従い右折、小中学校や果樹園を通り過ぎ、道なりに上って行って雪で通れなくなっている所に車を置きます。
ここまで約3時間、すでに一台の車が停っていました。夕方までに帰る約束ですから下山を1500までにと心に期して出発準備です。

しばらくは林道歩き、付いているトレースはスキーのシュプールもありますが大半はツボ足です。私の足回りも今日はスパイク長靴に念のためにスノーシューを背負っています。林道には所々ピンクテープがあり、林道をショートカットしていきます。
スノーモービル走行禁止の大きな横断標識を過ぎる辺りから、緩やかに尾根に取りついていきます。

1時間ほど広々とした疎林の尾根を小鳥達の声を聞きながら歩いていくと、一本南側の尾根の先に目指す浜益岳とその偽ピークが見えてきました。


浜益岳(左)と偽ピーク

山々の雪は残雪のこの時期とは思えぬような美しさで白く輝いています。前日の雨が山では雪になり、山々を覆ったのでしょう。尾根の雪も黄砂で薄茶色になった雪の上に5〜10cmのザラメ状の新雪で覆われています。

ハッキリと姿を見せてきた浜益岳の凍った斜面が朝の光を浴びて輝いています。


浜益御殿への尾根から見た浜益岳

増毛山地の山々はどれも優美な姿・形をしているように感じられます。日高の山々のように一気にそびえ立っているのと違って、緩やかに広いすそ野を持っているのがそのように感じさせるのかも知れません。
ですから、登っていて苦しい感じはしないのですが、長く遠く感じられ、まだかよ〜と言う感じさえします。


浜益御殿へのたおやかな美しい斜面

浜益御殿、山頂直前から風が急に強くなって来ました。暑く感じていたのが吹かれて寒いぐらいです。マウンテンパーカーを着て浜益御殿から浜益岳への長い稜線に足を踏み入れました。

増毛山地の盟主、暑寒別岳が一段と存在をアッピールしているかのように端座しています。一方目指す浜益岳は逆光を受けて凍っている山肌が不気味な凄みすら感じさせる雰囲気を漂わせています。


逆光を受ける浜益岳の山肌

浜益岳への登りにかかりました。風は相変らず強く、厳しさを感じます。
いったん傾斜が緩んだ所で目線を上げると、何とそこには群別岳がその鋭利な姿を惜しげも無く見せていました。
いや〜、スゴ〜イ。しばらく言葉も無く、見入ってしまいました。
大雪の前天狗からニペソツ山が突然出現した時の雰囲気です。


スックとそびえ立つ群別岳

浜益岳に着きました。物凄い風です。何とか風を遮る所をと探しましたか見当たりません。群別岳寄りの稜線を少し降りてみましたが、様子は変わりません。
ゆっくりしたい所ですが、あきらめて写真を撮り引き返すことに。

暑寒別岳と群別岳が、片やどっしりと一方は鋭く、いつまで見ていても飽きないほどです。
夏に訪れた時の暑寒別岳や南暑寒別岳は花やたおやかな優しい印象でしたが、雪を被った姿は厳しさと冷厳さそして美しさの印象でした。


浜益岳からの暑寒別岳

群別岳の浜益岳からの稜線の上部はとても登れそうには見えないほど険しく鋭く見えました。ですが、いつかあの群別岳の鋭い頂きに登りたいものだと強く思いを新たにしたのです。

天気は快晴、風強し。普通なら視界も良くて当たり前なのでしょうが、この日は天気が良過ぎて霞んだのでしょうか、遠くの山々は霞んで見えています。
かすかに羊蹄山や積丹の山々、道北の山々が見えていましたが、山座同定出来るほどではありませんでした。


浜益岳からの群別岳
何時かこの頂きに立ちたい。

時間はまだ0900過ぎです。このまま引き返しては昼前には下山してしまいます。どうせなら、浜益岳と群別岳が一緒に並んでいる所を見たいと、浜益御殿と雄冬岳とのコル付近まで行ってみることに予定変更です。
西側から見ると優しい姿の浜益岳ですが、浜益岳の北・北東斜面はかなりの迫力で切れています。


切れ落ちている浜益岳の北・北東斜面

浜益御殿への長い稜線を引き返して行くうちに、風が弱まってきました。
雄冬岳へのコルへと浜益御殿の北斜面をトラバースしていきます、雄冬岳がどっしりと正面に座っています。


どっしり雄大な雄冬岳

コルまで来ましたが、低くなり過ぎて浜益岳の方が良く見えません。仕方なく、雄冬岳の1000mPまで登ってみることにしました。

日差しが厳しく、暑いぐらいです。雪も腐ってきました。体力を消耗しつつ、やっと1000mPです。
展望は期待していた通り、暑寒別岳から群別岳、浜益岳が一望です。ゆっくり食事をしながら素晴らしい大展望を楽しみます。


1000mPから、暑寒別岳〜群別岳の大展望

至福の一時とは、こんな時のことを言うのかも知れません。
点々と稜線を歩いているパーティや御殿から雄冬岳に降りてくる人達が見えています。皆さん夫々、楽しんでいるのでしょう。


1000mPから、群別岳と奥徳富岳(左)

暖かい日だまりの中、熱いコーヒーとグレープフルーツの果汁が幸せ感を増幅させてくれるるようです。


1000mPからの浜益岳

ここまで来ると雄冬岳は目前で登頂意欲が湧いてきますが、登れば下山予定時間に間に合いそうにありません。
またの機会にと、浜益御殿へ登り返します。大したことないと馬鹿にしていたら、結構キツク、シンドイ登り返しでした。

浜益御殿でもう一度、グルッと景色を目に焼き付け、堪能して下山です。
カンカン照りの日差しとグズグズの腐れ雪、歩きにくい雪の長い尾根を淡々と下って行きます。喉が渇いて朝から1リットルも飲んでいなかった水をがぶ飲みです。

ようやく長い林道歩きを終え、車に帰ってきました。そこからは遥か遠くに群別岳と幌天狗がまた来いよ!と言っているように白く輝いていました。

疲れた体に気合いを入れ、連休中で活躍中のお巡りさんの世話にならないよう注意しつつ、予定通り1720に帰宅しました。
出迎えたカミさんの第一声「まあ!ひどい日焼け。良かったわー、行けなくて。」

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