多峰古峰山(661m) (道央)    2004.4.4(日) (晴れ)



多峰古峰山からの紋別岳と支笏湖
4.4(日)
支寒内橋 0920
445P稜線出合い 1000
多峰古峰山 1100
多峰古峰山 1130
支寒内橋 1235
樽前山の西側に広がる白老台地、平らに見える白老台地も良く見ると、小さな盛り上がりが幾つかあります。

そんな目立たない白老台地のコブの一つが多峰古峰山です。
でも歴史的には風不死岳や樽前山等はおろか、四万年前に誕生したという支笏湖より古くからあった山なのです。

早春の一日、その多峰古峰山を歩いてきました。

支笏湖のモラップから走って苔の洞門を過ぎる頃から、正面に多峰古峰山と手前の445Pが見えてきます。
支笏湖周辺の白く輝いて存在感を自己主張している山々とは異り、ひっそりと目立たない、つい見過ごしてしまうような雑木林の小山です。

苔の洞門から1kmほどの支寒内橋が登山口、近くに車を停めて出発準備です。
春先ですからツボ足で歩けると思うのですが、雪が緩んでいるとズボズボ潜ってしまうのでスノーシューを持っての歩きだしです。

地図を見ると目の前の445Pを登って行っても大したことなさそうですが、もっとも楽そうな445Pの南を大きく巻いて、445Pと多峰古峰山を結ぶ稜線の鞍部へ向かうルートを選びました。
樹齢のたった大きなエゾマツやダケカンバの巨木が点在する445Pの麓の雑木林をのんびり歩いていると、ハシブトガラやエナガなどの小鳥達が群を作って飛び回ったり、餌を摂ったりしています。

この多峰古峰山、規模は小さいものの、沢が幾つも流れていたり小尾根が入り組んでいたりと、山としても良い顔を持っているようです。
小さいながらスノーブリッジもあり、慎重に渡ります。


小さなスノーブリッジを慎重に

日の当たる沢の流れには、フキノトウが顔を出していて春を感じさせてくれます。そんな沢沿いの尾根を一登りすると多峰古峰山に通じる稜線です。
木々が多いのでスッキリとは行きませんが、支笏湖ブルーが目に飛び込んできます。少し雲が多いものの、何時見ても美しい支笏湖です。


稜線出合からの支笏湖と恵庭岳

木々が多く煩わしい感じです、木々の間をすり抜けるように進んでいくうち、目指す多峰古峰山の山頂が見えてきました。
北東側には雪庇が張り出しているようです。


多峰古峰山の山頂付近

多峰古峰山への登りにかかりました。思ったより急な斜面です。
北東側には雪庇が張り出しているので、西側に巻くように登っていきます。多峰古峰山の南西に位置する646pが見えてくる辺りから、頂上を目指すとあっけないぐらいで狭い山頂に到着です。

幅の狭い山頂からは北西側の白老岳や羊蹄山方向は木々が煩く十分には見えませんが、それ以外は想像以上の景色です。
風不死岳や樽前山が本当に呼指の間に見えています。


山頂からの風不死岳

白老台地が圧倒的な広がりを見せています。この中に社台滝やインクラの滝、樽前ガローなどが形作られているのだと思うと不思議な感じがします。
白老の製紙工場の白い煙が目立っていますし、ホロホロ山の後ろにはオロフレ山がひときわ白い姿を輝かせています。


白老台地を経て太平洋方向

少し早いお昼を食べたり、コーヒーを飲んだり、風もなく暖かい日だまりの山頂を存分に楽しみます。
でも、こんな時に「晩ご飯のおかず、何が良い?」なんて所帯じみていないかい。
今日は33回目の結婚記念日だよ、僕が奢るさ。


お山の大将?

樽前山も美しい姿を見せています。
でもその美しさとは裏腹に降り積もった雪が火山の地熱で溶かされ、また凍ると言う事が繰り返され、ガリガリの厳しい状況なのだと思います。


樽前山

春の日差しを浴びて恵庭岳やその後ろの漁岳が輝いています。
山頂付近はまだ冬の趣で山スキーヤーで賑わっているのではないでしょうか。


恵庭岳

木々の間からはこの冬、夫々楽しませてもらった白老岳と945m峰を望むことも出来ました。
白老岳や945m峰から見た時には、支笏湖や樽前山などの景観には感動したけれど、多峰古峰山のことは目にも入らなかったと、立場が違えば変わる自分自身の感情に戸惑ってしまいます。


白老岳と945m峰(手前)

ゆっくり休み、景色を楽しんで、下山です。
頂上直下の急斜面も下りは快適、思い思いのルートで飛ぶように降りていきます。


下りはラクチン、頂上直下の斜面で

下山途中、面白い形の「雪まくれ」を見つけました。普通は縦に転がってバウムクーヘンのようになるのですがこれは斜めに転がったのでしょう、花びらのようにも見えます。自然の面白い造作の一つでしょうね。


花型の雪まくれ(直径30cm位)

お昼を過ぎて雪も緩んできたのでしょう、下の方では時々ズボッ!と股まで埋まりながらも面倒だとスノーシューも履かずに、降りてきました。

帰路、千歳川沿いの土手で鮮やかな黄緑色が奇麗なフキノトウを見つけ、少し頂いて帰りました。
帰宅して入浴後、天ぷらとフキ味噌にして早春の香りを肴にの一杯は最高でありました。

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