神威岳(983m) (道央)   2004.5.15(土) 晴れ後曇り


5.15(土)
林道ゲート 0825
登山口 0930
稜線出合 1030
厳望台 1050
神威岳山頂 1125
神威岳山頂 1205
登山口 1335
林道ゲート 1430
頭に冠を戴いたような、頂上から大きな岩塊を突き出している札幌の神威岳はその独特な山容で知られています。

夏山シーズン、花のシーズンの幕開けを楽しもうと、その神威岳を訪れました。
花の豊かな山のようで、この時期にも数多くの花達が出迎えてくれましたし、山菜も沢山育っていました。

冬の間の不摂生が祟ったのか、思いの外の長い道程にグッタリと疲れを覚え、トレーニングの大切さを痛感した山行となりました。
今更訓練に励んでも、もう手遅れでしょうか?


この所、寒いような日が続いていた北海道もこの日は暖かくなり七月の陽気になるという予報です。
汗をかいて喉が渇くかもと、水を1人2リットル持って神威岳を目指します。

定山渓に向けて走っていると、札幌南区の藤野辺りからは先週登った狭薄山が札幌岳の左手にその鋭角的な山頂部を覗かせています。そして目線をさらに右に移すと神威岳の独特の山頂部が見えてきました。

小金湯温泉を過ぎて百松橋で豊平川を渡ると直ぐに入林届け小屋、そしてその先200mが林道ゲートで手前に駐車スペースがあります。
出発準備をしていると時期なのですね、山菜狩りと思われる人達の車がゲートを開けて次々に入って行きます。鍵を持っていない私達はここから歩くしかありません。

林道を歩き出すと、道の両側には、ヒトリシズカ、ニリンソウが今が盛りと出迎えてくれています。
右手に砥山ダム湖が見えてきます。カモやアオサギ、カモメなどが春色の湖面で羽を休めていました。


砥山ダム湖

道は一部林道をショートカットして行きます。山道というより散策路の感じで、エンレイソウ、白花エンレイソウ、エゾエンゴサク、ネコノメソウ、オオカメノキそしてシラネアオイ等が咲いていました。
花達を愛でつつ、気持ちの良い林道を進んで行くと、登山口の標識があり山道らしくなってきます。

道は樹林帯の中を行き、枝越しに時折景色を見る事も出来ますが、展望は期待出来ません。尾根を乗っ越して別の尾根への取り付きでは、泥壁のトラバースとなり緊張させられます。
次第に樹林の見晴らしの利かない急登が続き、我慢の時間となります。所々雪が残っていてその変化が気休めをなりますが、逆に雪解け水でドロドロになった道が歩きにくく気分を滅入らせます。


残る雪を繋いで

辛い登りで汗が滴り落ちていきます。汗の匂いが誘うのでしょうか、虫達が群がって離れません。虫よけスプレーを持ってこなかった事が悔やまれます。

おまけに暑くて暑くて、水がどんどん消費されていきます。
一気に夏になったようで、暑さに体がついて行きません。
こんな時、気持ちを慰めてくれたのはヒメイチゲなどの可憐な花達でした。

やっとの思いで頂上に通じる稜線に出ました。たまらず大休止です。
グレープフルーツの酸味のある果汁が生き返らしてくれるような感じがします。

この稜線をしばらく行くと、厳望台という見晴らし台、と言っても神威岳の山頂部しか見えないのですが・・・。


厳望台からの神威岳山頂

ここからが最後の頂上岩塊の登りです。所々ロープが付けられている所も出てきて両手両足をフルに活躍させ這い上がって行きます。
雪の残っている壁では、ロープを出そうかと思ったほどでした。

この急壁を頑張って登れば、神威岳山頂です。
この日はだんだん高曇になって視界も良くありませんでした。でも、定山渓天狗岳、余市岳、目の前の烏帽子岳、札幌岳などの近くの山々を見渡す事が出来ました。


神威岳山頂からの定天と余市岳

頂上に着いたものの、汗びっしょり、暑さと疲れですぐには食欲も湧きません。
余力次第によっては、烏帽子岳にも行こうかと思っていたのですが、あっさり撤回、ゆっくり休む事に。

ゼリーやレモンを口にしているうちに、何とか元気が回復してきます。
おにぎりやコーヒーを食べたり飲んだりしている内に、笑顔や冗談も出て来ました。こうなると、日陰の無い山頂の日差しが鬱陶しくなってきます。


烏帽子岳

余り広くない頂上では、大学生らしいグループやジンギスカンで盛り上がっているグループで満員状態です。
のんびり降りながら、花を探す事にしました。

花や山菜を探しながら、降りて行く途中、カップル二組と女性の3人グループとすれ違い、やはり札幌近郊の人気の山なのだなと感じました。
登山口の近くの沢沿いの急斜面でウドを見つけました。良く見るとその斜面、ウドだらけです。ウドは崖のような所に生えると聞いた事がありましたが、こんなにすごいのは始めて見ました。
芽を出したばかりの美味しそうなやつを少々頂きました。

林道まで降りて、砥山ダム近くの小山は白樺やハンノキの新緑と桜の春模様で北海道の春を感じさせてくれていました。


新緑が美しい、春の色模様

山道で見かけた、花達。

花のシーズン、夏山シーズンの開幕として訪れた札幌の神威岳、期待した通りの可憐な花達に出会う事が出来ました。これからも続々とあるであろう花達との出合いがとても楽しみです。

でも、大した事ないだろうと軽く見ていた神威岳、思いの外長く辛い行程でした。冬の不摂生が祟ったのかも知れません。
遅ればせながら今からでも毎日トレーニングを行って、今年の夏山を心から楽しみたいと思います。

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