狭薄山(1296m) (道央)    2004.5.8(土) 晴れ


5.8(土)
空沼登山口 0515
万計沼 0655
稜線出合 0800
狭薄山山頂 0925
狭薄山山頂 1030
稜線出合 1150
万計沼 1230
空沼登山口 1345
狭薄山は札幌近郊にあるにも拘わらず、札幌岳と空沼岳の稜線から外れた位置にあり、夏道も無いため、余り登られない山の一つと言うことです。
御多分に漏れず、私にとっても縁遠い感じだったのですが、札幌岳や空沼岳から見る鋭く尖ったピラミット型の山容は私の心を引きつけていた印象深い山でした。

メーリングリストの仲間から残雪のこの時季なら日帰りも可能と聞き、天候を見計らってチャレンジしてみました。

かなりの距離を歩く事と札幌岳と空沼岳を結ぶ稜線出合以降は地形が解りにくいような事から、地図を何度もC'Kし、GPSにもルートを入れての山行です。

お陰様で快晴のお天気にも恵まれ、快適に憧れの山の一つであった狭薄山に登る事が出来、満たされた幸せな気持ちで一杯です。


長い行程と迷いやすい地形を計算に入れ早立ちする事にして、0500には空沼岳登山口に到着です。入山届を見るとこの数週間何人かの人が狭薄山に行っているようで、日帰りは可能なのだと気持ちを強くしました。

万計沼までは道も明瞭で踏み跡も沢山付いていました。途中、水芭蕉が咲いていて目を休めてくれます。万計沢の沢音を聞きながらひたすら緩やかに登って行くと万計山荘などの2棟の山小屋がある万計沼です。
万計沼は氷も溶けて水面に木々を映して美しい姿を見せていました。


氷も溶けて、木々を映す万計沼

万計沼から30分ほどの真澄沼は万計沼とは対照的にまだ真っ白に凍っていて、湖上を歩いて横断する事が出来ました。


まだ凍っていた真澄沼

空沼岳へのルートと別れると踏み跡やスキーのトレースはほとんど無くなり、自分だけが頼りです。
地図とコンパスと太陽、そしてGPSをフルに活用しつつ特徴の無いだだっ広い斜面を歩いて行きます。

縦走路の稜線らしき所へ出ました。ですが広い丘陵状の雰囲気で明確ではありません。GPSで緯度経度をC'Kし、地点を確認します。そしてそこから進む1184mPへの尾根筋を確かめ、狭薄山を目指します。


札幌岳が直ぐそこに

尾根筋は予想したよりアップダウンがあり道間違えしたのではと不安になる時もありましたが、やがて前方にどっしりとした三角錐のような狭薄山が見えてきて一安心、この辺りからは右手に札幌岳が無意根山が見え始めました。


1184Pへの尾根から姿を見せた狭薄山

1184mPは北側を巻き、狭薄山北方の1200pを北側から回り込むと、標高差100mを越える狭薄山北斜面の急斜面が待っていました。


最後の急登、狭薄山北斜面

まだ時間も早い、焦る必要もないと、確実に一歩一歩を踏み出し頂上を目指します。
山頂に着きました。意外に広い山頂です。
思いもしなかった山頂標識が白樺に木にくくり付けられてありました。こういう事をしてくれている人達が居るのですね。

快晴の天気、視界もすこぶる良好です。
羊蹄山から北方向にはニセコ連山、積丹の山、無意根山、余市岳、札幌岳、手稲山、そして増毛や樺戸の山々がズラリと並んで出迎えてくれています。


羊蹄の左手遥か遠くには、狩場の山々も

日帰りは無理だろうと、諦めかかっていた狭薄山に来られただけでも幸せなのにこんなに素晴らしい大展望のおまけ付きなんて、なんという贅沢でしょう。


無意根山

無意根山や余市岳がなだらかな優美な姿を見せています。


余市岳

先週訪れた浜益岳などの増毛の山々も石狩湾の向こうに横たわっています。先週訪れたばかりなので、懐かしいような感じです。


増毛山地の山々達も

羊蹄から南方向には昆布岳、尻別岳、オロフレ山、徳舜瞥山、ホロホロ山、遥か遠くには狩場山や駒ヶ岳をも望む事が出来ました。

そして直ぐ南東には空沼岳から小漁岳へ続く稜線と恵庭岳が見えています。


ホロホロ、徳舜瞥、オロフレの山々

荷物を置く間も無く、大景観に時間の経つのも忘れ、写真を撮ったりしていると、豊滝から来たという男女3人パーティが到着です。

お互い狭薄山に来られた喜びを分かち合い、夫々の辿ったルートを地図で確かめ合い、夫々の健闘を賛えあいました。

少し風が出て涼しいぐらいの山頂で、他愛も無い話をしながらフルーツやお菓子を食べ、山座同定をしたり、写真と取りあったりして、あっという間に1時間が過ぎて行きます。


狭薄山山頂にて

楽しい時間ですがいつまでも居る訳にも行きません。
帰路はルートも解りましたし、天気も良いので大丈夫と思いつつ、念のためGPSをトラックバックにして下山です。

下山途中まで同行した3人パーティは1158mPから札幌岳への縦走路の稜線に帰って行きました。私も来た道を忠実に戻って行きます。
来たばかりの道なので迷う事はありませんが、特徴が無くしかもS字状に緩やかに曲がりくねっていて、余り気持ちの良い道ではありません。

こんな時GPSの威力は大した物です。いい加減に歩いていてからGPSの指示に従うとキチンと往路の自分の足跡に出あい、その信頼性の高さに驚くほどです。

真澄沼まで戻ってきて、少しほっとした気持ちです。腐り加減の雪をザクザク踏みしめながら万計沼へ、安心したせいかお腹が減ってきました。
万計沼でドッカと腰を据えて、お昼です。達成感と安心感で眠くなってくるようです。

万計沼からの下山路は明るく暖かい日差しの中、キツツキ達のドラミングが一際高く響いていました。


クマゲラの食痕跡

念願というより自分には無理かも知れないと諦めかかっていた狭薄山を訪れる事が出来て望外の喜びで一杯です。
これもHYMLというメーリングリストの情報のお陰でした。
仲間とはありがたいものです。私も何時か恩返しをしたいものだと思います。

さ〜て、この狭薄山で今シーズンの雪山は一段落としたいと思います。
いよいよ花のシーズン、そして夏山シーズンです。
今年はどんな花達に出会えるか、そしてどの山を訪れる事が出来るか、楽しみで心ウキウキしてくるようです。

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