伏美岳 (1792m) 日高   2004.6.14(月) 晴れ



6.14(月)
登山口 0450
5合目 0610
伏美岳山頂 0740
伏美岳山頂 0915
5合目 1015
登山口 1105
伏美岳は北日高の展望台と言われるように、山頂からの日高山脈全てを見渡せるような景観は正に絶景です。

昨年秋にカミさんと紅葉の日高を見たいと訪れていて、今回が2回目です。その時の大展望と紅葉そしてよく整備された登山道に感動した記憶があり、伏美岳と言うととても良い印象があるのです。

昨日に引き続き、定年退職平日登山隊のメンバー、SGさん、GKさんの三人で歩きます。
昨日の芽室岳では日高初デビューのGKさんが見ることが出来なかった幌尻岳や戸蔦別岳などが機嫌よく迎えてくれるのを祈って出発します。

昨日芽室岳を下山後、伏美岳避難小屋に夕刻到着しワイワイガヤガヤと夕食を摂り、早めの就寝です。
当初は避難小屋に泊まる予定でしたが、HYMLの会員3名を含む北見のグループが夜遅く到着予定と聞いていたので私達は各自の車の中で寝ることに、適度の疲れとお酒の力で私は北見のグループが到着したのも知らずに爆睡でした。

年寄りは朝が早いの言葉通り、朝0400には3人とも起床したので早めに出発することに。
北見のグループの人達も準備を始めています。

天気は快晴、文句を言ったら罰が当たりそうなお天気です。
昨秋登った時のキツイ登りが強く印象にありましたので、意識してゆっくり一定のペースで歩き出しました。
登山口からの高度差は昨日の芽室岳と大差なく1100m位なのですが、距離は芽室岳が約6kmなのに対し伏美岳は約4kmですから、平均斜度は伏見岳の方がキツイことになります。

取り付きから明るい樹林の急坂を登っていきます。期待していた花は思ったより貧弱でナンブソウがポツポツとあるだけです。
一気に1150m付近まで上ると一旦傾斜が緩みほっと一息です。

この辺りからムラサキヤシオツツジが私達を出迎えてくれるようになり、どんどんその数を増やしていきます。

オーバーでなく、ムラサキヤシオツツジの並木、街道です。
思ってもいなかっただけに、3人とも「ウレシイ! スゴイ! キレイ!」の連発です。
高度1400m付近まで約1時間に亘る赤・ピンク・紫の美しい街道です。

昨秋訪れた時、数の多さに気付いたシャクナゲはまだ蕾が固く、7月頃にツツジと入れ替わって登山者を楽しませてくれるのではないでしょうか。

ツツジに感動しながら歩いていくと、木々の間から左手前方に妙敷山が見え始めました。
木々もエゾマツ、トドマツからダケカンバへ変わっていき、太くねじれたダケカンバが目立ち始めました。


不思議に捩れたダケカンバで

時間はまだ朝の6時過ぎ、逆光の朝日に輝くツツジの花びらが半分透き通ったように見え美しい限りです。
写真のプロであるGKさんに教えてもらいながら、逆光のツツジに挑戦してみます。


逆光を浴びて輝くヤシオツツジの花びら

一旦緩んだ道は再び斜度を増し始めます。目線を上げる余裕もなくひたすら足許を見つめながら一歩を進めていきました。時折出てくるシラネアオイが元気をくれるようです。
やがて森林限界となったのでしょう、笹とハイマツが目立つようになってきて見晴らしも開けてきます。
いつの間にか高く見えていた妙敷山が同じ高さになってきて、妙敷山の背後には札内岳からエサオマンに延びる稜線が見え始めました。


8合目付近からの札内岳

小さな雪渓を過ぎハイマツが多くなれば頂上は間近かで、山頂に飛び出すと日高の大展望が待っていてくれるはず。
その感動を日高初デビューのGKさんに最初に味わってもらおうと、TOPを替わります。

歩くこと数分、GKさんが歓声を上げています。
山頂です。
ウオ〜! これはスゴイ。日高がみんな見えています、しかも少しも煙ってもいません。クリアーです。


遠くはカムエク・1839峰、神威岳・ソエマツまでの大展望

疲れも吹っ飛んでしまいます。みんなニコニコしてはしゃいでいます。
あまりの素晴らしさに気持ちが高揚して自分を押さえることが出来ないのでしょう。


戸蔦別岳からピパイロの山並み

山頂をあっちに行ったりこっちに行ったりしつつ写真を撮りまくりっていると、ピパイロから一人の縦走装備の男性がやって来ました。
何とこの方もHYMLの会員、YZさんでした。1泊で1967峰まで行ってきたのだそうです。
ピパイロではツクモグサが沢山咲いていましたと言う静かな口調からは芯の強い山の男の雰囲気が漂っているように感じました。


幌尻岳と戸蔦別岳

山頂からは日高の山々のみならず、ニペソツなどの東大雪の山、トムラウシなどの表大雪の山、十勝連峰、芦別岳などが一望出来、東側には十勝平野が果てしなく広大に広がっていました。
SGさんを中心に山座同定を楽しみます。さすがに詳しく、話を聞いているだけで地図が頭に浮かんでくるようです。


広大な十勝平野

やがて北見のグループも三々五々到着してきました。彼らもあまりの素晴らしい展望に感激しているようです。
山での出合はすぐに打ち解けあえるもので、感激を共有しようと一緒に写真に収まりました。


北見のグループの方々と

1時間半近く山頂でのんびり過ごし、GKさんも、SGさんも満足そうです。
まだ時間は9時過ぎですが十分堪能しました、早めですが下山することに。

下山中はツツジやシラネアオイなどの花を楽しみ、こんなスゴイ急坂を良く登ってきたなと思いつつ快適に下山してきました。
途中、お会い出来るかもとメールが入っていたKOさんとばったり。平日なのに多くの方々とお会い出来、嬉しい限りでした。

定年退職平日登山隊の山行は極めて心地よく楽しいものでした。
他人への気配りや思いやりをそれとなく発揮しつつ、各自の得意分野については自信を根底にしかも驕ることなく丁寧に話が出来る。そんな関係がお互いの結びつきを柔らかく、しっかりと包み込み、信頼しあえるからでしょうか。

近くの新嵐山荘へ汗を流しに行く途中、車窓から見える伏美岳は私達を優しく見送ってくれているようでした。


山麓からの伏美岳(右)と妙敷山
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