風不死岳(1102m) (道央)    2004.7.1(木) 晴れ


7.1(木)
樽前7合目ヒュッテ 1015
風不死岳登山口 1115
風不死岳山頂 1220
風不死岳山頂 1310
樽前7合目ヒュッテ 1450
風不死岳を始めとする支笏湖周辺の山々は千歳市に住む私にとって正に地元の山、思い入れもひとしおなのです。

雨上がりの初夏の一日、半年ぶりで訪れました。

足許に広がる支笏湖ブルーの湖と雄大な景観は勿論、可憐な花達との出合も楽しみです。


前日の6.30(水)は一日激しい雨に見回れました。天気予報では回復して晴れると言っています。
雨で空気中のほこりや塵も洗い流されて、すっきりした大景観が期待出来ると急遽、風不死岳を訪れることにしました。

樽前山7合目ヒュッテに着くと、平日にも関わらず20台以上の車が駐車しています。皆さん考えることは一緒なんだなと思いつつ、樽前山、風不死岳の人気の高さを再認識する思いです。

ヒュッテを出発し、いつ来ても気持ち良く歩ける樽前山の御花畑を風不死岳登山口へ向かいます。



樽前ガーデンから支笏湖、紋別岳

春の花から夏の花への過渡期なのでしょうか、思ったより花の数は多くありません。ウコンウツギの花は落ちてしまっていますし、コメバツガザクラは茶色になった花柄を突き出しています、イソツツジやコメバツツジ、イワヒゲも終わりかかっていました。
でも、マルバシモツケが最盛期、タルマイソウは正に旬を迎えているようです。タルイソウは別名イワブクロで何処にでもある花ですが、樽前山のは色がやや薄いような気がします。


咲き始めのタルマイソウ

樽前山の砂礫の道は昨日の豪雨にも関わらず、すでに乾いていて自然の処理能力というか回復能力の高さに感心してしまいます。
樽前山への道を左に分け、932m峰との分岐を過ぎて、1時間で風不死岳登山口へ到着です。今まで見えなかった樽前の溶岩ドームが黒々と大きくそびえ立っているのが見えてきました。

登山口からしばらくは樹林の中の緩やかな道を歩きます。周囲には絨毯のように敷き詰められたシラタマの花がビッシリ咲いています。その中に所々コケモモも存在を主張しているようです。

やがて風不死岳の核心部、岩場の急登にかかります。
私はここに来るといつもある光景を思い出します。それは数年前、私達が岩場にさしかかると一組の老夫婦がすでに降りてきたようでした。お早いですねと声を掛けると、「いや〜、その先で恐れ入りましたと二人で岩に最敬礼して戻って来た所なのですよ。」と笑顔で淡々と話され、お互い笑いながら別れたのです。
近い将来、私達もそうなるのでしょうが、それでもあの方達のようにそれなりに自然と付き合って楽しませてもらいたいと思います。

何度も来ているので、今何処なのか、あとどの位なのか、分かっていても結構辛い登りです。
カミさんがつかんだ木の根が折れていて、すっぽり抜けバランスを崩した時は肝を冷やしました。


核心部の岩場はしばらく続く、慎重に

しばらく続く急な岩場を慎重に通過すると後は小さなアップダウンを繰返し偽ピークを二つほどやり過ごして山頂を目指します。

この道にはマルバシモツケやミヤマハンショウズルが登山者を励ますように咲いていました。


マルバシモツケ


ミヤマハンショウズル

山頂の一つ手前のピークからは登り始めて最初に支笏湖と徳舜瞥山、羊蹄山方面が望めます。素晴らしい期待通りの景観に山頂を目前にして見入ってしまいました。
足許にはコイチヤクソウ、ベニバナイチヤクソウ、ハナニガナなども可憐な花をつけています。


山頂は目前、支笏湖ブルーが目に染みる

風不死岳山頂にはすでに7人ほどの人が休んでいて、夫々景色を堪能したり食事をしたりしています。
挨拶をして私達も仲間に入れてもらいます。

素晴らしい天気になりました、視界も申し分ありません。空気が青く見える感じがします。
周辺の山々は勿論ですし、苫小牧から静内方面にかけての海岸線がキレイに見えています。道南の山々もその姿を見せていました。
そして何といっても圧巻は支笏湖の色です。その時々によって微妙に変化するのですが、今日は深く濃い藍色というのかミスティブルーで引きつけられます。


風不死岳山頂から羊蹄山方向

風不死岳山頂から恵庭岳、無意根山方向

素晴らしい青の世界に浸りながらオニギリやフルーツを頂きました。強かった風も止み強い日差しが暑いぐらいです。山頂で楽しもうと持ってきた紅茶は飲む気になりません、冷たいものが欲しいぐらいです。


恵庭岳と漁岳

樽前山をバックに

三人連れのグループのオバサン二人が大きな声でしゃべり続けています。よくあれだけしゃべることがあるものだと感心する一方、馬鹿でかい声でしゃべる無神経さに腹立たしい思いを感じるほどです。
折角気持ち良くいるのにと横目で睨んだら、カミさんからやめなさいと御注意を受けてしまいました。

大声でしゃべり続けるオバサン達に嫌気がさして下山することにしました。
静かで深いダケカンバの森を抜け、岩場を慎重に、慎重に降り、再び樽前山山腹の砂礫の花畑をのんびり楽しみながら、今日の山行を終えたのでした。


慎重に用心して下降

半年ぶりに訪れた風不死岳は期待にたがわない素晴らしさで迎えてくれました。
こんな素晴らしい山を地元に持っていることに誇らしささえ感じるほどです。

多くの人達に訪れてもらい、楽しんでもらいたいと思わずにはいられません。
でもこの山だけではありませんが、いつまでも奇麗な山であるよう御配慮をお願いしたいと思います。

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