平山(1771m) 比麻奈山(1811m) 比麻良山(1796m) (北大雪) 2004.7.30(金) 晴れ
比麻奈山から見た平山 |
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平山は大雪山系NO1と言われる小泉岳から緑岳にかけての御花畑に匹敵するほどの高山植物の宝庫としてその名を誇っています。 そして層雲峡を挟んで黒岳に最も近い所に位置しているので、大雪山系の展望台としても知られています。 私達、平日登山隊の三人は昨日のニセイカウシュッペ山に引き続いての平山登山です。 昨日、ニセイカウシュッペ山から下山後、北見峠を越えて白滝村に入り、グランドホテルで汗を流して、道の駅で車中泊。 早朝、平山登山口を目指します。 道は白滝から上支勇別を経て概ね1本道ですし、標識もしっかり付いていますので安心です。 見ると、6月の芽室岳、伏美岳で一緒になった、やはり定年退職組の単独行の男性が居るでは在りませんか。 |
平山の登山道は1420m地点の第一雪渓までは概ね、支湧別川沿いに付けられていて、幾つもの支流や滝、小沢を越えて歩いていきます。
水は何処ででも取る事が出来ますし、沢音が涼しさを与えてくれるようです。
登山口から約40分の間に、夫婦滝、行雲の滝、冷涼の滝と言う三つの滝が現れます。
どちらもなかなか姿形の良い迫力のある滝です。
この間には、コバノイチヤクソウ、エゾレイジンソウ、ヤマハッカ、ミソガワソウ、オニシモツケ、ヤマブキショウマ、ミゾホオズキ、オトギリソウなどが咲いていて期待がどんどん高まります。
冷涼の滝 |
昨日登ったニセイカウシュッペ山と登山口からの標高差はほぼ同じなのに、距離は前者が5.2kmで平山は3.2km、それだけ斜度がきつい事になります。と言っても、そうたいした登りではありません。
水流が細くなり、水音がしなくなって程なく第一雪渓が現れました。
エソノリュウキンカやミヤマキンポウゲが今を盛りと咲いていました。季節が逆戻りした感じです。
第一雪渓 |
第一雪渓を過ぎると、岩礫混じりの道となり斜度もやや険しくなってきます。
雪渓の跡と思われる所や岩混じりの庭園のような所は御花畑になっていて、チングルマ、エゾコザクラ、ヨツバシオガマ、チシマフウロ、シナノキンバイ、モミジカラマツ、カラマツソウ、ウサギギク、エゾツガザクラ、アオノツガザクラなどが咲いていました。
写真モードの私達の歩みは益々遅くなり、遅々として進みません。
岩の斜面に咲く、チングルマ |
そしてハイマツが目立つようになると、稜線からの涼しい風が吹き下ろしてきて汗まみれの体を冷やしてくれます。
先程のチングルマが咲いていた地点から標高差100mほどなのに、ここではチングルマは花ではなく穂になって風に揺らいでいました。
立山リンドウ、イワギキョウもひっそりと咲いていて秋の気配です。
やがてだだっ広い稜線に飛び出しました。平山分岐です。
そこに待っていてくれたのは、大雪の大展望でした。
思わず、歓声が上がります。昨日の借りを返したような爽快な気分です。
大雪の山並みが正面に |
平山分岐から平山へは南へ15分ほど。広い稜線上を景観と花を楽しみながらの快適な散策路です。
その間には、コマクサ、タカネシオガマ、イワブクロ、チシマツガザクラ、ウズユキトウヒレン、メアカンキンバイなどが点々と咲き続けていました。
平山からの大展望です。
愛別岳(右)から黒岳(正面) |
黒岳(正面)から小泉岳・緑岳(左) |
平山からの展望を堪能します。
間近かに見える黒岳や烏帽子岳、小泉岳、白雲岳、北鎮岳などは勿論、遠くトムラウシや旭岳も望めます。
東に目を転じれば武利岳、武華岳がどっしり佇んでいますし、その右には石狩岳、音更山などが存在を主張しています。
皆さんで山座同定を楽しみつつ、レンズを交換したりフィルターを付け替えたりしながら、写真撮影にも余念がありません。
平山からは花を堪能しながら、比麻良山まで気持ちの良い稜線歩きです。
コマクサが点々と群生しています。こんなにまとまって群生しているのを見るのは久しぶりです。
在りました、探していた白花のコマクサ。ピンクの中に一際清楚な白が引き立っていました。
白花のコマクサ |
この稜線からは昨日登ったニセイカウシュッペ山が大槍を始めとする岩峰達を従えた美しい山容を見せています。
比麻奈山からニセイカウシュッペ山へ延びる稜線上には顕著な岩峰が並んでいて歩いてみたい誘惑に刈られます。
比麻奈山からのニセイカウシュッペ山 |
それにしても比麻奈山、比麻良山とはどんな意味を持つのでしょうか。
「暇な山」、「ヒマラヤ」などの愛称で呼ばれることもあるようです。
比麻良山で景色を楽しみながらゆっくり食事をとりました。
北側には天塩岳がうっすら姿を見せています。
すっかり堪能しました。帰路も写真を撮りながら、ゆっくり下山します。
確かに平山は景観も花も素晴らしい良い山でした。
6月中旬頃の花の時期に再び訪れてみたいと思います。
人気の山だけあって、私達が第一雪渓やその下の滝で写真を楽しんでいる時間にこれから登る人達10人ほどに出合いました。
でも普通に歩いても下山は夕方近く、ゆっくり花や景観を楽しめば暗くなってしまうのではないでしょうか。
自己責任ですから何とも言えませんが、下山を1500頃に計画して何か突発事態が起きても夕方までに降りられるようにするという、山の常識は大事にしたいものだと感じますが皆さんはどうお思いでしょう。
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