目国内岳 (1203m) (ニセコ) 2004.8.28(土) 曇り、晴れ
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目国内岳はニセコ連峰の西側に位置し雷電岳、岩内岳と稜線続きです。
夏山シーズンもそろそろ終わりの8月末、目国内岳と岩内岳のコルに広がるパンケ目国内湿原を訪れて見ました。 ニセコの山はすでに初秋の雰囲気で空気はもとより、草木の葉や花、実も秋を感じさせる佇まいで、気持もゆったりのんびり一日を楽しむことが出来ました。 目国内岳の登山口は蘭越・岩内を結ぶ道道の新見峠にある駐車場脇にあります。 |
天候は晴れているのですが、ニセコ連峰には雲が掛かり山々の頂上付近には雲が漂っています。
午前中には雲も取れて晴れてくれるに違いないと登り始めます。
雲で山頂を覆われた目国内岳 |
前目国内岳(980m)までは、背の高い笹の刈分道で展望は利きません。
道の両側にはアキノキリンソウが主役になっていて、オトギリソウ、ミミコウモリが遅い花を付けていました。
またツタウルシやオオカメノキの葉は赤く色付き出していました。
道は緩やかでいつの間にか前目国内岳です。
目国内岳は雲に覆われていますが、岩内岳と海岸線はハッキリ見えています。
岩内岳、遠くは積丹 |
前目国内岳付近には花柄を付けたエゾカンゾウやホツツジ、ゴゼンタチバナが沢山あり花の時期の美しさが目に浮かぶようです。
一旦、コルまで降りゆったりと登って行きます。
途中、岩の門と言う門柱のような岩を通り抜けていきます。
「岩の門」と言う玄関を入って |
道はゴロゴロした大きな岩が目立ち始め、道端にはアキノキリンソウの他ヤマハハコ、クロマメノキ、クロウツゴ、シラタマノキ、ゴゼンタチバナ、ウツギなどが実や花を付けていました。
やがてハイマツが出てくると、大きな岩が重なり合った山頂部、慎重に岩を伝って目国内岳頂上です。
残念ながら、雲はまだ晴れません。
雲の切れ間から南側の目国内湿原や西側の雷電岳への稜線が垣間見られます。
眼下に広がる目国内湿原 |
風をよけられる岩の陰で休んでいないと寒いぐらいです。
時間も早いし、パンケ目国内湿原に足を伸ばして見ることにしました。
岩内岳へのコルへはしばらくハイマツの中を行きますが、良く刈り払われていてハイマツ漕ぎをすることは無く、一安心です。
この間、熊の掘り起こしが2ヶ所ほどと比較的新しい糞がありました。
熊の糞を始めて見るカミさんは「大丈夫かしら?」と心配顔です。
パンケ目国内湿原は日差しも射していて明るい秋の湿原の姿で迎えてくれました。
ススキの穂やリンドウで一杯のパンケ目国内湿原 |
さすが花の時期は過ぎていますが、ススキやエゾオヤマノリンドウ、ナガボノシロワレモコウが見頃、遅咲きのイワイチョウやウメバチソウが咲いています。
タチギボウシが実を一杯に付けています。
遠くから見ると赤っぽくなっていたので、早くも草紅葉かと思っていたら、モウセンゴケの絨毯でした。
モウセンゴケ |
湿原の中をゆっくりと水が流れています。
まことに平和で気持の良い風景ですが、この湿原からの水の流れがパンケメクンナイ川となり、幾つもの大きな滝を流れ落ち良い沢登のルートとなっているのです。
自然の大きさとか力を感じた時でもありました。
イワイチョウ |
湿原から目国内岳への登り返しの道にはイワツツジやゴゼンタチバナの真っ赤な実やツバメオモトの瑠璃色の実が沢山あって周囲を秋色に染めていました。
美しいツバメオモトの実 |
秋の気配を満喫しつつハイマツの中を目国内岳へ戻ってくると一瞬、雲が晴れ目国内岳の山頂岩峰が姿を見せてくれました。
目国内岳山頂岩峰 |
目国内岳は新見峠からゆっくり歩いて2時間弱、体力的にも楽ですし花も比較的多いように感じました。
花の時期、紅葉の時期、共にゆったり楽しめる山ではないでしょうか。
この秋、少しニセコの山を歩いて見たくなりました。
登山後、良い温泉が近くにあるのも魅力ですね。