黄金山 (740m) (増毛)   2004.9.16(木) 晴れ



9.16(木)
登山口 0845
旧道分岐 0905
旧道
黄金山山頂 1015
黄金山山頂 1115
新道
登山口 1215
黄金山は増毛山地の南端に位置し、ニョッキリと天に突き出したような特異な姿で知られています、地元では浜益富士と呼ばれているそうです。

初秋の一日、お天気にも誘われ、この特異な山容の黄金山を訪れてみました。

当別の「道民の森」から浜益方面に向かうと少し傾いた電柱のような岩峰が天を突いているのが目に飛び込んできました。
「あんな所に登れるの?」珍しくカミさんが弱気を吐いています。

浜益村の実田から案内標識に導かれ、黄金山登山口に向かいます。
登山口は整然と整備され、広い駐車場、水洗のトイレを備えた休憩所があり、水も近くの沢から引き込まれています。
こんな奇麗なトイレを清掃維持してくれている地元の方々に感謝しながら、登山準備です。
登山案内も丁寧に書かれていて、まさに手取り足取りの感じです。


奇麗に整備された気持ちよい休憩所

小沢沿いの静かな山道をのんびり20分も進むと、水場を備えた旧道と新道の分岐に出ます。
今回は旧道経由で登り、新道で降りる予定です。
旧道に入ってしばらくは樹林の中の緩やかな道をニョキニョキと顔を出し始めているキノコ達を見ながら歩いていきます。
時折、樹林の間から黄金山の姿が垣間見られます。


木々の間から姿を見せる黄金山

黄金山本体に取り付くと、傾斜は急激にかわってきました。
歩くというより階段登りのような感じです。
一歩一歩踏みしめるようにゆっくり登っていく途中、たわわになったコクワのツルを見つけ休憩をかねて熟した実をたくさん頂きました。


美味しそうなのを・・・

傾斜は間もなく、途轍も無いほどに急になってきて、両手両足総動員、木の根に捕まりながら這い上がっていくようになります。
要所にはロープが付けられていますが、強度的に心配なものもあり、あまり頼らない方が良いと思います。

瞬く間に高度が上がっていきます。先ほど歩いていた道が真下に見えています。
踏み外して落ちたら下まで転がり落ちそうな傾斜です。
「この木の根、グラツイているよ」「この岩角は大丈夫」などと注意喚起しながらひたすら高度を上げていきます。
大分登った所で視界が開け、群別岳の美しく鋭い山容が気持ちを癒してくれました。


急登を癒してくれる群別岳と奥徳富岳の美しい姿

急斜面を這い上がると大きな岩稜の下に出ました。
ここから100mほどですが、この岩稜の下をトラバースしていきます。
危険というほどではありませんが、下は切れていますのでゆっくりバランスに注意しながらのトラバースです。
このトラバース、登りではそうでもないのですが、下りではバランスに相当の注意が必要だろうと感じました。
旧道は登りに使うのが良いのではないでしょうか。

このトラバースが終わると、そこは新道との合流点です。
ここから5分ほど登ると山頂の一角をなす岩稜に躍り出ます。

山頂からの群別岳と奥徳富岳

山頂は南北に狭く、東西に長い切り立った岩稜で高度感は満点です。
覗き込むと足がすくむようで、何かに掴まっていないと怖いようです。


切り立った山頂岩稜

お天気も良く風もありません。暖かい日差しを受けて岩稜の上でのんびりお菓子や果物を食べながら増毛山地の山々や浜益の沖に広がる日本海、石狩湾を挟んで微かに見える積丹の山々を眺めました。


落ちるなよー!

目を引くのは、やはり群別岳です。
この春、浜益岳から見た雄姿が忘れられません。
来春には行くから、待っててくれよーと言う気持ちでした。


憧れの群別岳

1時間ほど山頂でゆっくりし、下山することに。
帰りは新道経由で降りていきます。

新道も傾斜はキツいですが、旧道ほどではありません。
ほとんど全行程にロープが設置してありましたが、古いものも多くあまり信用しない方が良いように感じました。
1時間ほどで登山口の休憩所に帰ってきました。
装具を解きながら紅茶を沸かし、黄金山の余韻に浸りました。

帰路、途中にある全国第6位と言われるイチイの木を見に行きました。
行くときは、どの位のものだろうと疑心案儀でしたが、実物を見てびっくり。
途轍も無く立派で、縄文杉を思い出してしまいました。
ぜひ、黄金山に行かれたときは立ち寄ることをお勧めします。


立派なオンコ(イチイ)の木

周囲を威圧する風格が漂う

1時間半程度の手軽さで登ることが出来る黄金山、その割には急坂あり、岩あり、展望ありのお値打ちの山のように思いました。

春には花も多いそうです。
チャンスを作り、また訪れたい山になりました。


浜益村実田付近からの黄金山

 

Homeへ Page Topへ 次に進む

inserted by FC2 system