美笛高原  (道央)   2005.1.10(月)  曇り、晴れ



2005年の幕開けです。15万人もの犠牲を出したインドネシア沖大地震の悲報で明けた2005年ですが、どうかこれ以上の災害の無い年であって欲しいと願わずにはいられません。

年明けの北海道はぐずついたお天気が続いていて出掛ける意欲が殺がれていたのですが、成人の日になってやっと安定してきたようです。
急遽、カミさんと相談して、近場の美笛峠の丘陵地帯をスノーハイクするべく出掛けて見ました。

連休中の3日間、札幌では連日かなりの雪に見舞われたようですが、千歳は全く雪は降りませんでした。支笏湖周辺の山々が雪雲を遮っている為なのでしょう。
美笛峠に向かう道も殆どが乾いている状態でした。

美笛トンネルの大滝側出口の駐車帯に車を置いて、出発準備です。
超1級の寒気が入っている為が、空気がとても冷たく感じられ、スノーシューを付けているだけで指先がかじかんで来るようです。

ルートは美笛トンネルの北から北東に続く、緩やかな高原丘陵帯を適当に歩こうと言うものです。
白老岳に向かっている一本のトレースがあり、送電線まで利用させてもらいました。送電線をくぐる辺りで、トレースと別れ、進路を北東に向けて進んでいきます。

雪は思ったより深く、スノーシューを履いて膝下まで潜るほどです。
そんなに重くは無いものの、久し振りのラッセルはそれなりに辛いものです。
緩やかな丘陵地帯でアップダウンは殆ど無いのに、15分もすると息が切れてきます。カミさんと交代して一息つきます。


静か過ぎる美笛高原、後ろは945m峰方面

ラッセルを交代して後ろに付くと、急に寒さが身にしみます。
美笛峠の温度計は−13℃を示していました、そのうえ風がかなりあり、時折り地吹雪状態になっています。
カミさんがサングラスの金属フレームが顔に張り付いてくる感じがすると顔をゴシゴシ擦っています。

それでも、誰も足を踏み入れていないような雪原は何とも気持の良いものです。
疲れと寒さよけの為、頻繁にラッセルを交代しながら、美笛峠北方の668mPを目指して進んでいきました。
お天気は風で運ばれてくる雲の動きが目まぐるしく、晴れたと思えば薄暗く曇り、時々雪も舞ってきます。


668mPからの支笏湖と周辺の山々を楽しみにしていたのですが、あいにく丁度雪が舞い降り始め、何も見えません。
しばらく待とうかと思ったのですが、止まると寒くて、とてもそんな気になれません。テルモスの紅茶を一口づつ飲んで、西の603P方面に足を進めます。


緩やかなアップダウンをラッセルしながらトドマツやダケカンバの林を抜けて行きます。小さな谷あいや吹きだまりでは雪も深く膝上までとなり、登りになると体ごとぶつけて行くようにしないとなかなか進みません。

それでも日が射して、眩いような雪景色と木々の織りなす風景は寒さや苦しさを吹き飛ばす美しさです。


668mP、その向こうには支笏湖が・・・。

603mPからはさらに西に進んで607mPに向かい、後は送電線伝いに美笛トンネルへ戻ることにしました。
白老岳の北斜面が見え隠れしています。今ごろ誰かが歓声を上げつつ、滑り降りているかも知れません。


白老岳を望みながら

送電線下は木々はありませんが、風が吹き通る為、かえって寒いぐらいです。
途中、小さな沢を渡りますが、スノーブリッジを適当に選んで難なく渡ることが出来ました。


寒さをこらえて送電線下をひたすら進む

どうやら無事に戻ってきました。
軽く、スノーハイクのつもりで出掛けてきたのですが、思わぬ耐寒訓練と雪漕ぎ訓練でした。
余りの低温にまだ大丈夫の筈のデジカメのバッテリーがアウトになりそうになり、写真も十分撮れませんでした。
冬の山を甘く見てはいけないと言う教訓であったのでしょう。
十分な準備と気構えを持って、冬の山を楽しんでいくことにしなければと思いました。


もうすぐ出発点に

車に戻り暖房を入れて、紅茶やおにぎりを食べて、しばらくすると体の芯が溶け出してくるようで、何とも気持ち良く、そのまま眠ってしまいたいほどでした。

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