丹鳴岳 (1040m) (道央)    2005.2.16(水)  晴れ、小雪


2.16(水)
美笛パーキングエリア 0750
C396m分岐 0845
C660m尾根取り付き 1020
856mP 1135
856mP 1225
美笛パーキングエリア 1430
丹鳴岳は支笏湖の西側に位置している1000m級の山です。

夏道は無く厳しい薮漕ぎを強いられますし、冬も長い林道歩きか稜線歩きをしなくてはならない為、一年を通じて余り登られることの無い山の一つです。

語源はアイヌ語で、高原の麓に入る沢(丹鳴沢)の源にある山と言う意味のようです。

私も地元なのに支笏湖周辺でこの丹鳴岳と隣のフレ岳は未踏でした。
二山同時には体力的に難しいと、丹鳴岳を目標に冬晴れの一日、平日登山隊のGKさんとYHさんの三人で訪れてみました。

冬に丹鳴岳に登るのには千歳市美笛から美笛川沿いに延びている長い林道を歩いて丹鳴岳から西と南に延びる尾根のどちらかに取り付くか、漁岳から小漁岳方面からフレ岳を経由して来るかのいずれかです。

私達は国道276号線の美笛パーキングエリアに車を停め、すぐ横から延びている美笛川林道を約7km進んで丹鳴岳から西に延びている尾根から山頂を目指すことにしました。

準備を整え長い林道を歩き出します。
一級の寒気が入っているのと晴れて放射冷却とが相まって、厳しい冷え込みです。


長い林道歩きが始まる

雪はスキーを履いて10ー15cm潜るぐらいでラッセルも大したことありません。
冷え込んでいるのに雪がサラサラしておらず重い感じなのが気になります。

林道の両側には丹鳴岳から派生している南に延びる稜線と西から南西に延びる稜線が迫っています。
この間に延々と延びる林道をひたすら遡っていきます。
林道には昨年の台風で倒れた木々が何本も横たわっていました。


林道の西側に延びる稜線

三人で交代でラッセルしながら歩いていきますが、体力自慢のGKさんはさすが、ラッセルしているGKさんに置いて行かれる有り様でした。

やがてC396mの分岐です。ここから尾根に取り付いて丹鳴岳から南に延びている稜線から丹鳴岳を目指すことも出来るのですが、私達はさらに林道を上って行きます。


休憩!! まだまだ元気です。

林道の傾斜が段々急になってきました。
汗をかきたくないのですが、ポタポタ滴り落ちるようになって、サングラスが曇ります。

歩き出して2時間半、やっとC660mの林道終点手前である尾根への取り付きに着きました。
少しお腹も空いてきました。行動食を食べて一息入れます。


C660m尾根取り付き地点から、遠くに徳舜瞥山が

尾根に取り付いて、丹鳴岳方向にトラバース気味に進んでいきます。
多くの山では要所要所にピンクテープや標識が付けられている所が多いのですが、この山にはその手のものが全くと言って良いほどありません。
それだけ人の入っていない大げさに言えば原始の趣が残っている山と言って良いのかも知れません。

稜線には雪庇がかなり発達していてトラバースしていると余り気持の良いものではありません。
少しのアップダウンは覚悟で稜線に上がって安全に歩くことにします。

木々の間から、丹鳴岳の姿が見え始めました。


姿を見せた丹鳴岳

後、おおよそ1時間強でしょうか。
厳しい登りもありません。ひたすら稜線を辿れば良いだけです。


稜線上を丹鳴岳目指して。

北に向かっていた稜線が東に大きく向きを変えるようになると丹鳴岳も大きくはっきり見えて、山頂からの支笏湖や恵庭岳、風不死岳などの大景観が頭をちらちらよぎります。


丹鳴岳はもう一息。

いつも元気なGKさんのペースが鈍ってきたようです。
見るといつもより異常に多くの汗をかいています。

「GKさん、どうかしたかい?」
「ウン、調子が悪い。寝不足の性かな?」

私達のような高齢登山者にとって体調は何にもまして第一優先で考え、対処すべきものです。
迷うことなく即決心です。

「今日はここまで! ゆっくり休んで降りましょう。」

場所は丁度、C856mPです。


C856mPから見る、徳舜瞥山

雪を踏み固めて、風を避けて座れるスペースを作り、ゆっくりと昼食です。
皆さんに暖かいものを食べてもらおうと持参した、おでん鍋を作ります。
寒い中、コンロの「ゴォ〜」と燃える音が何とも頼もしく暖かく感じられます。


C856Pからの丹鳴岳

遠くに見える徳舜瞥山、ホロホロ山から物凄い雪煙が吹き上がっています。
昨年、ガリガリ氷と強風で退散して時のことを思い出しました。

木々に妨げられて良くは見えませんが、羊蹄山や無意根山、余市岳も僅かに姿を見せています。
そしてすぐ側にはフレ岳が、その後ろには小漁岳が真っ白に輝いていました。


フレ岳、左後ろには小漁岳

小一時間ゆっくり休憩して下山することに。
荷物をまとめたり、シールを外したり、靴の調整をする為、薄い手袋に換えて作業をしていると指先の感覚が無くなってきて、慌てて手を握ったりぐるぐる回して血流を良くするようします。

林道までは登り返すのは嫌だと、雪崩れにビクビクしながら急斜面をトラバースして下ります。
林道に出てからも長い下りです。
おまけに重い雪がスキーを滑らせません。
傾斜の緩い所を歩く時ほど、ワックスをしっかり塗っておくことがコツだと言うことを再認識しました。

国道276号線を走る車の音が聞こえてきた時は正直言って、「ホッ!!」としました。

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