ホロホロ山 (1322m) (道央)   2005.4.19(火)  晴れ



4.19(火)
大滝村工芸館 0755
C600m地点 0825
C800m地点 0855
C1000m地点 0930
C1200m地点 1010
C1280m地点 1020
ホロホロ山山頂 1045
ホロホロ山山頂 1125
C1280m地点 1145
C1000m地点 1205
大滝村工芸館 1300
ホロホロ山は大滝村にあり、徳舜瞥山と並んで聳えていますが、徳舜瞥山が鋭く独特な姿で屹立していて目立つのに対して、標高は逆に高いにもかかわらず余り目立たない存在だと思います。

これまで積雪期のホロホロ山には訪れたことが無かったのですが、この日目覚めると眩いばかりの快晴、視界も良好のようです。
急遽、山行きを決めて家を出ます。
勿論、行き先は大滝村のホロホロ山です。

大滝村の三階滝公園の駐車場は除雪されていましたが、売店やトイレは閉鎖中、どうやらGWからオープンのようです。
そこで、大滝村工芸館の駐車場に車を停め、出発準備です。

ルートはホロホロ山から三階滝に延びている北西尾根を忠実に辿って行くことにしました。
尾根通しですから、迷うことは無いと思いますが、念のためGPSにルートを入れての出発です。

工芸館の裏手から尾根の末端斜面を一登りすると、見晴らしの開けた広い尾根に出ました。
これからホロホロ山へ辿る尾根筋が良く見えていますし、徳舜瞥山が独特な姿を大きく見せていました。


広い尾根からの徳舜瞥山とホロホロ山

雪は時期が時期だけに腐っていますが、朝の時間は程よく締まっていてスパイク長靴のツボ足で快適に歩けます。
尾根は幅広く、広過ぎて視界の悪い時には不安になるかも知れませんが、尾根の高い所高い所を選んで歩けば、問題ないと思います。

C650m地点からの急斜面を登ると左手の北東方向の視界が開けてきました。
恵庭岳から小漁岳、無意根山へ繋がる山々が悠然と横たわっていました。


札幌岳、狭薄岳、小漁岳、フレ岳、丹鳴岳、恵庭岳などの山々

右側の南西方向には谷を挟んで徳舜瞥山がその存在を主張しています。
谷あいの林からはアカゲラやクマゲラでしょうか、キツツキのドラミングが力強くコダマしていました。


C700m付近からの徳舜瞥山

広い尾根は標高800m〜900mの間はやや狭まりますが、迷う心配が無いだけ安心な感じです。
木々はエゾマツが多く、真冬にはさぞかし樹氷が素晴らしいだろうと思われる斜面が続いています。
太いダケカンバも多く、ウサギやエゾクロテン、リスなどの足跡も数多くあり、単調な歩きを慰めてくれるようです。

左手に白老三山が最初は南白老岳に隠れ一つに見えていたのが、次第に南白老岳と白老岳に、続いて北側の945m峰も姿を見せ始めます。


白老三山を挟んで、左に恵庭岳、右に紋別岳

ホロホロ山の北西尾根は標高1000m程までは南東に進みますが、それからは南に方向を変えていきます。
今まで真後ろに見えていた羊蹄山が右手に姿を見せるようになってきました。
木々も疎らになってきて、山スキーで滑るには楽しい斜面です。


やはり雄大な羊蹄山、手前の尻別岳を飲み込んでいる

お天気は上々で、風も無いので暖かいぐらい、山シャツを脱いでアンダーウェアー一枚になって登って行きます。
視界も素晴らしく、支笏湖周辺の景観に思わず歓声が出てしまうほどです。


疎林の斜面から白老三山と支笏湖から札幌方面の大景観

ニセコや積丹の山々が羊蹄山を挟んで対称的に並んでいます。
手前にはルスツのスキー場がまだまだタップリの雪で幾つものコースを描いていました。


羊蹄山とニセコ連峰

標高1100メートルを過ぎると、尾根は真っ白な大斜面へと変貌して行きます。
まるでスキー場のゲレンデのようです。

これまで見えなかった支笏湖の湖面が見えるようになってきました。
風が無いのでしょう、紋別岳が湖面に陰を映しているようでした。


紋別岳の姿を映す支笏湖、右手遠くは芦別岳

樽前山と風不死岳が二つでワンセットの姿を見せています。
風不死岳の麓には多峰古峰山がこんもりと盛り上がっています。


樽前山と風不死岳

大雪原を登り切ると、そこは標高1280m地点です。
ここから稜線は急に細く切り立ってホロホロ山山頂に続いています、東側はスッパリ切れ落ちていますし、西側はハイマツに覆われながら急角度で深い谷に落ちています。


C1280mからのホロホロ山山頂と稜線西側の斜面

稜線上は薄い雪に覆われていますが、その下は硬く凍っていてスパイク長靴のスパイクでは心もとなくアイゼンが欲しいぐらいの状態です。
稜線の風下側には雪庇は出来ていないものの、踏み抜けば転落は必至です。
風上側のハイマツで歩きにくい、凍った急斜面を慎重に渡って行きます。
正にホロホロ山への核心部です。

僅かな距離を25分も掛けて、切り抜けました。
そこにはホロホロ山山頂看板が静かに待って居てくれました。


エビのしっぽで覆われた山頂看板と羊蹄山

山頂の看板も岩も厚いエビのしっぽに覆われています。
風が冷たく感じられます。脱いでいた山シャツを着、パーカーを着込みます。
この所の暖かさに慣れた身体には寒さが厳しく感じられます。

でも、少しぐらいの寒さを吹き飛ばす大展望です。
春とは思えぬぐらいの澄み切った空の青さ、頭上の空の色は青を通り越して青黒い深い色をしています。

噴火湾を挟んで、道南の駒ヶ岳はおろか、恵山まで見えていました。

すぐ南西にはオロフレ山がなだらかな山容を見せていました。


ホロホロ山山頂から、オロフレ山

一人きりの静かな山頂で雄大な景観を眺めていると、心の中にポッカリと穴でも開いたような空虚な感覚に陥ってしますようです。

隣の徳舜瞥山がついでにここまで来たらと言っているようです。


徳舜瞥山と北西から西側の景観

寒さの中で、暖めて持ってきたオニギリやコーヒーでお腹から暖めます。
「美味い!」カミさん心尽くしのお昼ご飯で身体も心も温まり元気が出てきたみたいです。
見慣れている支笏湖や周辺の山々の姿なのですが、何となく新鮮に感じられます。


山頂からの支笏湖と周辺の山々

2度に亘って敗退している冬の徳舜瞥山、いっそホロホロ山から目指そうかとも思いましたが、やはり単独で目指したいと思い直し、今回はホロホロ山だけで引き返すことにしました。
徳舜瞥山、来年は良い顔して迎えてね。


屹立する徳舜瞥山の雄姿

再び戻る切り立った稜線の向こうには小漁岳から札幌岳に続く山並みが私を見ているようでした。


正面の山並みを見る余裕もなく、切り立った稜線を慎重に戻る

C1280mまで、注意深く慎重に戻ります。
一度足を滑らせハイマツに捉まって止まった時は、心臓が口から飛び出すぐらいドキドキでした。

広い大雪原に戻ってきました。ここからは危ない所はありません。
景色を眺めながら、ルンルン気分で下ります。


広い尾根に出て、きたルートを引き返す。

午後になり、気温も上がったのでしょう、標高800mを過ぎると雪が腐ってきて、ズブズブ潜るようになってきました。
スキーでも苦労する雪ではないでしょうか。
ここからはスノーシューに履き替えて、下ります。

森林地帯に入ってからは時々見える景色を堪能しながら、一路大滝村工芸館まで一気に下り降りました。


無意根山を見ながら、緩やかな斜面を下り降りる

思い付いたように訪れたホロホロ山、最高のお天気で迎えてくれました。
今回使った北西尾根は明瞭で、迷う心配はまずないと思いますし、とんでもない急斜面もありません。
積雪期、安心して使えるルートだと思います。
ただ、C1280mからの痩せ尾根は要注意です。
厳冬期であれば、アイゼンとピッケルは必需品となると思います。

山スキーを楽しむのなら、このC1280m地点を自分たちの山頂として楽しむのが正解なのではないでしょうか。

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