隈根尻山 (971m) 樺戸山(890m) 浦臼山(718m) (樺戸)  2005.5.29(日) 晴れ



5.29(日)
浦臼登山口 0635
電波反射板 0710
浦臼山 0800
樺戸山 0920
隈根尻山 1000
隈根尻山 1040
樺戸山 1110
浦臼山 1215
登山口 1315
隈根尻山はピンネシリ山、神居尻山と共に樺戸三山と呼ばれています。

今年の冬、カミさんが読んでいた「新十津川物語」を何年か振りで再読し、物語に何回も登場するピンネシリ山を始めとする樺戸山地の山々に春になったら訪れてみようと楽しみにしていました。

今年は雪が多かったとは言え、もう大丈夫だろうと晴れの予報の5.29(日)に樺戸三山の一つ、隈根尻山を訪れてみました。

コースは浦臼から浦臼山、樺戸山を経て隈根尻山を往復する浦臼ルートです。

千歳から岩見沢、国道12号線を奈井江へ、ここから浦臼へ左折、石狩川を渡り道道275号線に出て、浦臼方面に少し戻ると右側にお寺と消防署があります。
この間を右折して農家の間を通り、道なりに進めば、大きな砂防ダムの手前が広場になっていて登山口となっています。

登山口にトイレはありませんので、とても奇麗な浦臼駅のトイレを借りると良いでしょう。


石狩川の奈井江大橋から見た樺戸連山

私達が登山口に着くと、二人の男性が出発する所でした。
準備を整え、閉鎖されている林道を歩き出します。
林道は春の気配が濃厚で桜やキタコブシの花はもう散っていましたが、何種類もの新緑の緑が複雑に交じり合い、何とも美しい限りです。
道の両側にはコゴミが大きくなって林のようになっています。

ふと見ると沢山のウドが斜面にニョキニョキと延び出していて美味しそう。
これは帰りの楽しみが出来たとルンルン気分で歩いて行くと、今度はカタクリとエゾエンゴサクがびっしり咲いています。まるでピンクとブルーの競演です。


カタクリとエゾエンゴサク

所々これにニリンソウやヒトリシズカの白が混じり、美しい事この上なしです。


負けずに咲いていた、ヒトリシズカ

やがて、電波反射板を過ぎると傾斜も少し深まり、雪が出て来ました。ここから浦臼山までの1/3程が雪で覆われていました。
右前方にピンネシリ山が見え出しましたが、木々が煩く遮られよくは見えません。


あれがピンネシリ?

花達をゆっくり見たり、写真と撮ったりしながら1時間半ほどで、浦臼山山頂です。山頂と言っても樺戸山へ続く稜線の端と言う感じでした。

稜線歩きは風がさわやかで心地よく、道の両側にはカタクリの絨毯がずっと続いています。
浦臼や奈井江の町や石狩川が朝もやに霞みながら横たわっていました。


朝もやの中に静かに横たわる田園風景

浦臼山から樺戸山までは緩やかなアップダウンの連続で、そろそろ樺戸山は次のピークだろうなどと思っていると実はかなりの距離があり、なかなか着きません。

道にはエンゴサクの代りに白いイワハタザオの花や判別出来ない花がカタクリの間に咲き出しました。
この判別出来なかった花、エゾワサビに似ていると思ったのですが沢筋から遠く離れた稜線上に咲いていたので「違う、分からない」と思ったのです、後日調べたらエゾワサビは稜線上にも咲くと分かりました。


判別出来なかった花、エゾワサビでした。

稜線上には殆ど雪はありませんが、北東斜面などにはまだ残っていて山肌に白と緑の美しいマダラ模様を描いています。


所々残っている雪の斜面

道の両側には延々とカタクリが咲き乱れています。
カタクリは普通、葉に紫の斑点があるものが多いと思いますが、ここのは葉に斑点の無いものが圧倒的に多く、また大きいのが特徴のようです。
中には何を間違えたのか、俯きにでは無く、真上を向いて咲いているのがあって、「節操のない花もあるんだね」と、大笑いしてしまいました。


カタクリの花、普通のものより大きい花ばかりだった

アップダウンを繰返しながら、樺戸山に近づいて来たようです。
目指す、隈根尻山も大きく見えるようになってきました。


左が樺戸山、中央に隈根尻山を見ながら稜線を歩く

樺戸山に着くと、先行していた男性二人組がここから引き返すと休んでいました。
聞くと、白いカタクリを見にきたとの事。
二年前まで例年見られたのに、昨年から見なくなったそうで残念がっていました。
私達もこれだけの量のカタクリなのだから、白のカタクリがあるのではと探しながら歩いてきたのですが、色の薄いものはあっても白は見つけられませんでした。

樺戸山から見る隈根尻山はコルまで一旦大きく下って、登って行きます。
今日一番のアルバイトと覚悟を決めて、コルへと下ります。
この辺りは笹が茂って少し煩い所もありますが、良く見ると太い袴もしっかりしたギョウジャニンニクの立派なものが至る所に群生しています。
ほのかに香る葱の香りに包まれながら、ゆっくり一頑張りするとピンネシリとマチネシリが大きく姿を見せる隈根尻山山頂に本日の一番乗りです。


隈根尻山山頂からピンネシリ(中央)、マチネシリ(右)、神居尻山(左)

隈根尻山と稜線続きのマチネシリ、盟主のピンネシリ、そして神居尻山がバランス良い姿を見せていて、その奥にはまだ白一色の増毛山地の山々が見えていますが残念ながら雲が掛っていて今一の状態です。

反対側の東側には歩いてきた樺戸山から浦臼山への稜線が続いていました。


樺戸山(右)から浦臼山へ続く稜線と石狩川流域

お天気は良いのですが、やや全般に煙っているのが残念です。
暖かく風も無い隈根尻山山頂でオニギリやゼリー、フルーツ、コーヒーと次々にお腹に収めながら、のんびり大休憩です。


隈根尻山頂で

遠くが見えない為か、余り気にした事の無い、当別から浜益にかけて横たわる山並みが目を引きます。


青山湖と当別の山並み

山頂で一時をゆっくり楽しみ、満足して引き返す事にしました。
戻ると言ってもかなりの登り返しが待っていますから、緊張感を緩める訳にはいきません。
再び咲き乱れるカタクリの絨毯を楽しみながら来た道を引き返します。


カタクリの咲き乱れる道を

樺戸山を過ぎる頃から、登ってくる人達と頻繁にすれ違うようになりました。
さすが日曜日です。普段平日しか歩かない私達はその人の多さに驚いてしまいました。
中には手にしっかり、葱やアズキナを握って歩いているオバサンもいましたよ。

この稜線にはカタクリやイワハタザオの他にも、ヒメイチゲ、シラネアオイ、キジムシロ、エゾクサイチゴなどが咲いていました。


シラネアオイ

多くの人達とすれ違いながら浦臼山に戻ってくると、視界が段々良くなってきました。
隈根尻山からはうっすらとしか見えなかった、増毛の山々も良く見えるようになってきました。
思わぬ所で、山座同定です。


視界が開け、良く見えるようになった、増毛山地の山々

見上げるピンネシリもなかなかの姿形です。


ピンネシリ山、手前にマチネシリ山

登る時には朝もやが懸っていた東側の景色も良く見えるようになり、のどかな田園風景がたおやかに広がっていました。


新緑の緑と水田の水とのハーモニーの広がる田園風景

林道を下りながら、登る時目をつけていた、ウドを今晩の酒の肴にと少々頂いて登山口へ戻りました。

初めて訪れた、樺戸連山の隈根尻山、カタクリを始めとする春爛漫の姿で迎えてくれ、心底楽しい時間を過す事が出来ました。

隈根尻山で私達が見かけた花々は、カタクリ、エゾエンゴサク、ヒメイチゲ、ニリンソウ、エゾクサイチゴ、イワハタザオ、ザゼンソウ、キジムシロ、シラネアオイ、ショウジョウスゲ、ヒトリシズカ、ミヤマスミレ、タチツボスミレ、ムラサキヤシオなどでした。

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