ペラリ山 (718m) (日高)   2005.5.3(火) 晴れ



5.3(火)
登山口入口 0920
ペラリ山登山口 0955
505mP 1015
ペラリ山山頂 1055
ペラリ山山頂 1125
505mP 1145
ペラリ山登山口 1155
登山口入口 1225
ペラリ山は横山三山と共に、静内の北側にたおやかに横たわっている標高700m前後の山並みの一つです。

数年前まで登山の対象として見られることは無かったようなのですが、日高山脈の展望台として名を馳せているピセナイ山がアプローチ林道の崩壊によって登りにくくなった為、代りの展望台として登山道が開かれたとのことです。

またペラリ山には天測点が設置されていて、南日高山脈測量の基点になっていたと言う、歴史上は意味のある山なのだそうです。

私達は約1ヶ月前の4月上旬に訪れたのですが、登山口が判らず、その時は仕方なくペラリ山の一つ北側の687m無名峰で遊んで帰ったのです。

今回はしっかり登山口までの道順を調べ、再挑戦です。
春を迎えた日高の山々の凛々しくも優しい姿を見られたらと期待も膨らみます。

登山口へは、静内市街から静内川沿いに静内ダムに向けて北上、御園のふれあいセンター「御園館」を過ぎて間も無く右折して、御園橋を渡り右折、500m程の「山下産業採石プラント」の黄色い看板で左折、牧場地帯を直進して「原牧場」で左折します。
約1km程のゴミステーションと物置のような通学バスの待合所で右折、直進して行くと右カーブの上り坂で橋を渡る手前を左に入ります。
この川がパンケペラリ川で川沿いに進むと二股に出ます。ここを右の砂利道へ入り、約500mで左側に「ペラリ山登山口入口」の看板が立っています。


見逃しやすいので要注意の登山口入口の看板

この標識から急激に右に上って行くのですが、ここから登山口までの約1.5kmは道がかなり荒れています。
4月に来た時、これを確認していた私達は登山口入口の数台は置ける広場に駐車してここから歩くことにしました。

雨裂や小さなガケ崩れなどがあちこちにある林道を進んで行くと、通ってきた静内町御園付近の長閑な田園風景が広がっていて、のんびりした豊かな気分になって来るようです。


春の日差しを浴びて、長閑やかな田園風景が広かる

林道の両側には赤い芽を沢山付けたカツラの木を始め、多くの木々が芽生えの準備をしています。
道の端にはタラノメやコゴミ、アズキナなどがもう少しで食べられる位に大きくなっていました。

木々や山菜、そして点々と咲いているエンゴサクやスミレ、アズマイチゲなどを見ながら、歩いて行くと目指すペラリ山が近くに見えるようになってきます。


林道から見るペラリ山

林道から見えるペラリ山へ続く山には至る所に林道が走っていてまさに山を切り刻んでいるかのようです。
山を適正に管理するには必要なのでしょうが、余りにもの数の多さに必要悪なのではないのかと考えさせられる有り様でした。

登山口入口から概ね30分で登山口に着きました。
ここにも広場があり、10台位は駐車出来そうです。


ペラリ山登山口、正面の505mPに取り付いて行く

登山道はペラリ山から西の延びる稜線を忠実に辿って行くようになっています。
まずは登山口正面に見える、505mPを登ります。
何でもなく見える小山、これが以外に急坂、私達は準備運動を兼ねて30分歩いてきたのでそうでもありませんが、登山口まで車で来てすぐにこの急坂では辛いかもしれません。

木立に囲まれて景色は殆ど見えません。
点々と咲いているカタクリやキジムシロ、スミレなどが気を紛らしてくれ、元気をくれるようです。


結構な急坂をひたすら頑張る

505mPを越えると少し斜度は緩みますが、再び斜度を増し山頂へ一直線に突き上げています。
小さいけれど、日高を感じさせる直登です。
北側の日陰になっている斜面や谷間には雪が所々残っていて、草の緑とで鹿の子模様を作っていました。

空が広く見え始めました。山頂の予感が漂います。


頂上はもうすぐ、一頑張りしよう。

右手に横山三山、その向こうにアポイ岳が見えたと思ったら、山頂へ飛び出しました。
山頂標識の手前には黒い大きな四角い石が置かれています。
何だろうと見ると、「天測点」と誇らしげに書かれてありました。
数メートル離れて、一等三角点が埋められています。


ペラリ山山頂、手前の石に「天測点」の文字が。

山頂部はダケカンバがかなりの密度で茂っていて、葉の無いこの時期でも木々が邪魔して景色は良く見ることは出来ません。
展望台とはお世辞にも言えない状況です。

お天気は素晴らしいのですが、霞んでいて日高の山々はボンヤリ見えている程度でした。


かすかに見える、日高の山々。

明確な山座同定は出来ませんでしたが、ペテガリの北のルベツネから1839峰辺りが見えていたようです。


南日高の山々ぴがかすかに

南には神威岳、ソエマツ、ピリカヌプリなどを始め、楽古岳らしい姿も見ることが出来ました。


ピセナイ山の向こうには神威岳などが

暖かく風も無い山頂で霞んで見える景色が見えただけでも嬉しいと喜びながらお昼ご飯です。
と言っても、1時間半程度の山歩きですから汗もかいていませんし、お腹も空いていません。
オニギリとトマトなどを頂いただけで、バナナやゼリーは食べられず持ち帰ることになりました。

南東方向には横山と手前には林道が縦横に刻まれた山並みが続いています。


横山三山、その向こうは太平洋

帰路は静内町方面の景色や花々をを楽しみながら、のんびり下山しました。
冬の間は下山時にはスキーやスノーシューで楽をしていましたが、久し振りの夏山下山は足に負担が掛かって、鍛練不足を実感させられました。
夏山に備えて、しっかりトレーニングしなくては・・・。


静内方面の景観

ペラリ山は花の山と言えるほどではありませんが、点々と絶えることなく続く花々は久し振りのせいか、美しく楽しませてくれました。

この時期、エゾエンゴサク、フクジュソウ、スミレ、カタクリ、ヒメイチゲ、アズマイチゲ、キバナアマナ、キジムシロ、エンレイソウ、ザゼンソウを確認出来ました。
その一部を御紹介しましょう。


ヒメイチゲ

カタクリ

スミレ

キジムシロ

アズマイチゲ

エゾエンゴサク

ザゼンソウ

展望を期待して訪れたペラリ山、展望は余りお勧めではありませんでしたが、長閑な田園風景を楽しめ、心穏やかに豊かな気持になれる山でした。

下山途中、大きく食べごろになったのを少々採ってきたタラノメやコゴミ、アズキナは天ぷらや酢みそ和えに姿を変えて晩酌の肴となり、ペラリ山の思い出と共に楽しませてくれました。

GPSトラック
Homeへ Page Topへ 次に進む

inserted by FC2 system