おまけ (台湾で感じた事)



500mの高さを誇る超高層ビル

今回の台湾訪問は雪山登山が目的であったため、山登りの準備はしっかり行いましたが台湾そのものに対する勉強は何一つして行きませんでした。

考えてみれば大変失礼な話です。
わずか4泊5日、しかも3日間は山の中に居たのですから、分かったような事は言えないのですが、あえて私が感じた事を素直に雑感として書き連ねてみたいと思います。

台湾の風土
日本との時差僅かに1時間、沖縄からはほんの指呼の間に位置しているのですから当然なのかも知れませんが、自然風土的にはなんら違和感を感じる事はありませんでした。
戦前、戦中と日本の支配下にあったせいか、地名や何気ない身の回りの色彩、形などに日本人には慣れ親しんでいるものが多く、台湾にいる事を忘れる時間もあった程です。


東海岸の風景

確かに気温的には暑く、5月中旬で台北市では35度にまで達し湿度も高く、北海道に住む私には厳しい環境であるのは事実です。
台湾が気候的に良いのは台風シーズンが終わる10〜12月だと、地元の人から聞きました。
しかし暑い時期も熱帯性の植物など日本には無いものも多く、美しくまた珍しく、これらを見るたびに台湾を意識したものです。

台湾の人々
今回の旅で台湾の人と密接に接したのは、ガイドとポーター、ホテルの従業員など数名に限られました。


私達のガイドの施さん(左)とポーター兼コックの王さん
二人とも実直・誠実で明るかった

後は車窓から眺めたり、町中で何となく感じた印象に過ぎないのですが、共通して強く感じた事がありました。
それは一昔前の日本人同様、勤勉で実直、誠実な人が多いと感じた点です。
例えば町中を歩いている若者に茶髪や派手な服装をしてチャラチャラしている者は皆無と言っていいです。
特に男の子に茶髪など一人も見かけなかったし、目に輝きがあるような気がしました。
農村部では僅かな土地でも耕地として手を入れ、谷から何十本ものホースを引いて水を確保するなど日本では見られなくなった光景が普通に広がっていました。
確かに夜の屋台街や商店街などでは一見ずる賢そうな様子の人達もいましたがこれは当たり前、私達のポーターを務めてくれた王さんなど愚直、誠実の見本のような人でした。
日本の若者と台湾の若者を見て、近い将来、日本と台湾、立場が逆転してしまう日も遠くないのではと強く感じざるを得ませんでした。

その他の印象

健康指向
雪山から台北に戻った翌朝、ホテルから国父紀念館(蒋介石総統の記念館)が約3kmの距離である事を確認し、散歩がてら歩いてみました。
小さな公園や広場には三々五々人が集まっていて身体を動かしています。
国父記念館の回りは早朝にも関わらず、体操をする多くの人達で溢れていました。
数名から百人規模まで数々のグループがラジオ体操風のものから太極拳、少林寺拳法風のもの、或いはジャズダンス風のものまで、お年寄りから若者まで真剣な表情で体操をしていました。


早朝から体操に専念する人達

健康を気づかう意識の高さでしょうが、辛く苦しい事はなるべく避けようとする日本の風潮とは大分違うものを感じざるを得ませんでした。

故宮博物館
中国本土から蒋介石一族が台湾へ逃げ延びる時、目ぼしいものを大量に持ち込んだそうで、とても数時間では見て回れないほどの素晴らしい展示物でした。
何の予備知識も持たなかった私は価値も良く分からず、日本人客を案内しているガイドの傍でその説明を聞いて感心していました。
やはり国を代表する美術館や博物館を訪れる時にはそれなりに調べ、知識を持って行くのが礼儀だと再認識しました。


忠烈祠

忠烈祠の衛兵交代式
故宮の側に忠烈祠と言う日本で言えば靖国神社に当たるものがあり、毎時警護に当たる衛兵の交代式が行われ、これが観光名物になっています。
丁度時間も良かったので、私達も見物に訪れました。
観光バスが何台も来て、何百人と言う観光客でごった返していました。殆どが日本人です。


衛兵交代式

私はこの人達はこの施設が何であるのか知っているのか? 靖国神社には参拝した事があるのだろうか? と思わず感じてしまいました。
我先に衛兵を見ようと制止を無視するオバサン、「全然動かないわね。動いてくれないかしら」「何であんな事してるの」「暑いわ〜、早くバスへ戻ろう」・・・
国の為に命を捧げた人々を偲び、感謝するのは万国同じ、台湾でもキチンと礼節をもって遇しているのに、日本はこの分野でも世界の常識から外れてしまっているようで複雑な思いを味わされました。

交通
市民の交通手段を体験してみようとバスとMRT(台北新交通システム)を使ってみました。
バスは市内であれば一律15元(50円程度)ですし、行き先も漢字で案内が出ていますので戸惑う事もありませんでした。
MRTも日本の地下鉄と同様大変便利に使えます。ただ、切符の買い方が日本と少し違っていて戸惑いました。
まず目的地までの料金を確認し、人数のボタンを押します、次に料金のボタンを押して、お金を投入するシステムになっています。
私が戸惑っていると、「機械は正常です」という表示が出て、機械にも馬鹿にされたかとガッカリしてしまいました。
また、台湾の人達の車の運転はいつも急いでいるように感じられとても恐いですし、駅のエスカレーターでも走っている人が多くこの辺は日本と同じだと苦笑してしまいました。

食事
中国料理と言えば、世界に冠たるものとして評判です。
今回私達が口にした台湾の料理は山での食事を含めて、いずれも大変美味しいものでした。
私だけではなく、一緒に行った5名も一様に美味しいと食事を楽しみにしていたようでした。
一つ感じたのは台湾料理を楽しむコツは大人数で行く事だと思います。
少人数ですと少しの品数で満腹になってしまいますが、大人数だと色々な料理を楽しむ事が出来るようです。
いずれにしても、お肉料理も海鮮料理も野菜料理も食後のフルーツも私には本当に美味しく、堪能する事が出来ました。


国父紀念館


物価
台湾の通貨は元で、1元3.5円ほどのレートです。
物価は商品によってかなり異りますが、概ね日本の三分の一から五分の一位と思えば良いと思います。
例えば電車やバスの料金は平均して50〜150円程度、台湾料理を堪能しお酒もたっぷり頂いて2000〜3000円程度です。


観光地の商店街


信仰
台北で一番古い伝統を持っていると言う龍山寺というお寺を参拝してみました。
そこで驚いたのはお参りしている人の多さと真剣な事でした。
日本では神社仏閣へ参拝しても大半の人が手を合わせる程度だと思うのですが、台湾の人達は必死と言う感じで真剣にひれ伏してお参りしていました。


龍山寺にて

僅かな期間の台湾でしたが、私は台湾大好き人間の一人になってしまったようです。
機会を見て次はカミさんとのんびり訪れてみたいと思い始めています。

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