美唄山(987m) 芦奈江岳(930m) 奈井江槍(830m) (夕張)  2005.6.7(火) 晴れ



6.7(火)
登山口 0720
奈井江槍分岐 0810
林道分岐 0830
美唄山山頂 0900
美唄山山頂 0930
林道分岐 0955
芦奈江岳山頂 1020
芦奈江岳山頂 1030
奈井江槍山頂 1045
奈井江槍山頂 1100
登山口 1145
美唄山は美唄市と奈井江町の東側にあり、十勝連峰や夕張山地、樺戸山地、増毛山地を望む展望の山との評判です。

登山道は美唄市の美唄ダムからと奈井江町の不老の滝からの二本が開かれています。

今回は奈井江町からの奈井江ルートを使って美唄山、芦奈江岳、奈井江槍の三山を巡ってみました。

登山口へは国道12号線を奈井江駅のすぐ手前で右折、高速道路の下を潜りそのまま砂利道を約15km進みます。
途中3ヶ所ほど「不老の滝」「美唄山」の小さな標識が出ていて迷う事は無いと思います。

作業小屋のような小屋を過ぎて間も無く、不老の滝へ400m地点で斜め左に上る林道ゲートの所が登山口、広場になっていて10台位が駐車出来るスペースがあります。

この日はゲートは開いていましたが、先の状況が判らないので予定通り登山口に車を停めてここから歩く事にしました。


登山口、美唄山へは左の林道を行く。右は不老の滝へ。

大変です。準備を始めて、山靴を忘れてきたのに気付きました。
しばし呆然です。
思い悩んでしても仕方ないと、山靴用の厚手の靴下を履き運転してきたジョギングシューズで行ける所まで行こうと決めました。
早朝家を出る時は前日にしっかり準備をしないといけないと言う、良い教訓でした。

いつもと違う足下を気にしながら、林道を歩き出します。
この林道、普通の林道と違い凄い急勾配です。
幅が広くなければ、山道で十分通用するぐらいの傾斜が続いています。

林道の両側にはミヤマスミレやタチツボスミレ、クサイチゴ、エンゴサク、エゾワサビ、エゾノリュウキンカなどの草花とヤシオツツジ、オオカメノキなどの木の花が咲いています。


点々と咲く、ヤシオツツジの花

50分ぐらい歩いた所で、「奈井江槍」への道を左に分けました。
この辺りから少し雪が出てきました。
林道の傾斜は相変らずで、ゲートが開いていたからと言って車で入らなくて良かったと心底、思いました。


オオカメノキの花

急で荒れている林道を上って行くと、美唄山の姿がハッキリ見えるようになってきました。
展望が良いと言うのが頷けるような、すっきりした姿です。


目指す美唄山が姿を見せた

しばらくすると登山届け記入箱と美唄山の標識が設置してあり、登山道は林道から離れて稜線に取り付いていきます。
急坂の林道を1時間以上も歩いてきて、やっと登山口とはとても違和感を感じましたが、届けを出して山道へ入りました。


林道と別れ、ここから山道

細い稜線の道を辿って行きます。
所々雪に覆われた所があり、ジョギングシューズでは心もとなく、かと言って蹴り込むと冷たく、用心しながら登りました。

足下にはキジムシロ、ニリンソウ、ヒメイチゲなどに混じって、ツバメオモト、ハクサンチドリが咲き始めていました。


気品を感じるツバメオモト

稜線上からは東側の展望が開けていて、夕張山地の山々が静かに横たわっていました。
残念ながら十勝連峰の山々は薄い雲に覆われています。


稜線上から夕張山地方面を望む

林道分岐から約30分で、美唄山山頂です。
何だかあっけない感じがしないでもありません。

山頂には一等三角点と奈井江山岳会と美唄山岳会が建てた山頂標識が二本張り合うように立っていました。


並んで立てられている二本の山頂標識と一等三角点

さすが評判通り、妨げるものの無い大展望です。
ただ、やや春霞でしょうか、モヤ〜としているのが残念です。


芦別岳と右手前にシューパロ岳、左手前に崕山

南東方向には夕張山地の芦別岳、夕張岳などが意外な近さでゴツゴツした姿を屹立させていました。


夕張岳

北西方向には樺戸山地と増毛山地の山々が空知の町並みを挟んでゆったりと佇んでします。


樺戸山地の山々。右がピンネシリとマチネシリ、左は隈根尻山など

増毛の山は他の山々と比べても、雪の量がケタ違いに多い様子が良く分かります。


増毛山地の山々。右が暑寒別岳、左に群別岳、奥徳富岳など

北側に目を転じると、深川の音江山が裾野を広げたような姿を見せていて、その手前にこれから巡る芦奈江岳、奈井江槍が見えています。


芦奈江岳(右)と奈井江槍(左)

北東の十勝連峰は相変らず薄い雲に覆われ、良く見えません。

コーヒーを飲みながら一人静かなゆったりした時間を過します。
私が歩いてきたのと反対側には美唄ダムから来る道が続いていました。

すぐそばに見えている芦奈江岳に寄って行くべく美唄山を後にします。


芦奈江岳への途中の稜線から芦別岳

一旦、美唄山への林道分岐まで戻り、稜線上を北へ進みます。
ツバメオモトやハクサンチドリ、そしてギョウジャニンニクが茂る道を美唄山から1時間弱、かなり急な道を辿ると芦奈江岳山頂です。


芦奈江岳から見る美唄山

芦奈江岳山頂は狭いながらも美唄山に劣らぬ程の展望です。
天気は予報通り下り坂のようで、西の樺戸山地には雲が掛かり始めてきました。

見納めと夕張の山々を目に焼き付け、奈井江槍に向かいます。
芦奈江岳と奈井江槍の間はまさにギョウジャニンニクの畑、太い立派な葱が至る所に群生しています。
こんな所まで来て採る人は居ないのでしょう、葱の香りに包まれながら奈井江槍へ登ります。
ここにはツバメオモトなどと一緒にサンカヨウも咲いていました。


サンカヨウの花

ほんの一登りで着いた奈井江槍の山頂からは美唄山が見下ろしているように感じられました。


奈井江槍からの美唄山

奈井江槍からはすでに夕張山地は望む事は出来ず、僅かにシューパロ岳が望まれました。


奈井江槍山頂からのシューパロ岳

奈井江槍からは一旦芦奈江岳とのコルまで戻り、登ってきた林道へ降りて行きます。
少し怖いぐらいの急な林道を滑らないよう注意しながら、登山口へ戻りました。

今回訪れた美唄山、評判にたがわぬ素晴らしい展望の山でした。
次の機会には美唄市の美唄ダムからのルートで歩いてみたいと思いました。

ただ、現在は美唄ダムからの道路が工事中の為、通行止めになっているそうです。
年に数回、美唄山岳会が催す登山会の時は通れるようですから、美唄山岳会か、美唄市教育委員会体育振興課(0126-62-6500)に問い合わされると良いでしょう。

下山後、近くにある「不老の滝」に寄ってみました。
高さ40〜50mもある立派な滝で、一見の価値ありです。


奈井江町の秘境、「不老の滝」
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