春香山 (907m) (道央)   2005.6.2(木)  晴れ



6.2(木)
春香山小屋 0840
580m標高点 0930
銭函峠分岐 1000
銀嶺荘 1035
春香山山頂 1105
春香山山頂 1145
銀嶺荘 1155
春香山小屋 1315
春香山、「春の香りの山」、とてもロマンチックな素敵な名前だと思います。

春香山は札幌市と小樽市の境にあり、手軽な山として四季を通じて訪れる人の多い山だそうですし、特に冬は山スキーを楽しむ人達で賑わうそうです。

この日私達は花を楽しみにオロフレ山へ行くつもりだったのですが、オロフレ峠が落石の為通行止めとなり、急遽予定を変更して、春の香りを楽しんで見ようと春香山を訪れる事にしたのです。

春香山へのルートの一つである、銭函の桂岡からのコースは駐車場所が少なく付近の方々へ御迷惑を掛ける事があると聞いていたので、札幌国際スキー場の約2km定山渓寄りの春香山小屋から春香沢のルートを歩く事にしました。

登山口にある春香山小屋は休憩したり泊まったり出来る小屋では無く、登山届け記入所です。
小屋から北西方向には札幌国際スキー場や朝里岳、白井岳などがまだ雪をたっぷり蓄えて白く輝いています。


登山口にある、春香山小屋

準備を整え、閉鎖されている林道を歩き出します。
林道に接して流れている春香沢は雪解けの水を集めて流れは速く、怖いくらいの勢いで滔々と流れていました。

雪が溶けたばかりの雰囲気の林道の両側には、争うように花達が咲き出しています。
ヒメイチゲ、エゾエンゴサク、カタクリ、シラネアオイ、まだ数は多くありませんが可憐に咲き競っていました。
木々の新緑が新鮮で美しく目に飛び込んできます。


目に清々しい、新緑の緑

春香山小屋から1km程進むと、所々雪が出てきました。
雪が溶けた大きな水たまりには水芭蕉とザゼンソウが咲いています。
何だか季節が2ヶ月近く後戻りしたような感覚です。


今が盛りと咲く、水芭蕉

小屋から2kmも行くと、林道は雪で完全に覆われてしまいました。
今年は雪が多かったのですがこの辺は豪雪地帯、雪解けも大幅に遅れているようです。
これでは「春の香り」を楽しむと言うより、「冬のなごり」を味わう山行となりそうな雰囲気です。


雪に覆われ始めた林道、日差しは厳しいのだが・・・

雪に覆われた林道に沿って流れる春香沢の流れは荒々しく、水しぶきを上げうねりながら水音も物凄く恐ろしいほどの勢いです。
それでも流れの緩やかな所には、エゾノリュウキンカが点々と美しい黄金色の塊となって咲いていました。


目立つエゾノリュウキンカの黄金色

春香沢コースは林道を歩くので緩やかなのですが銀嶺荘まで約6.3km、しかも比較的単調なので、かなり長く感じます。
焦らずのんびり森林浴のつもりで歩いて行きます。


ちょっと休憩

林道上の大きな倒木はすでに処理されていますが、林の中には直径30〜40cmはあろうかと言う、大きなトドマツ、エゾマツ、ダケカンバなどがまるで引き裂かれたように途中から折れているのが目に付きました。
昨秋の台風18号の凄まじいツメ跡なのでしょう、何とも悲惨な状況でした。


枯れ木は立っているのに、後ろでは
枝を広げていた大きな木々がなぎ倒されている

歩き初めて約2時間、銀嶺荘に着きました。
とっても趣のある、雰囲気の良い山小屋です。
山スキーで訪れ、ここでコーヒーを飲むのが楽しみだと仰有っていた方の気持が良く判るようです。


銀嶺荘、とても奇麗で雰囲気も良い山小屋

銀嶺荘までは林道歩きでしたが、ここからは林道はありません。
夏道はあるのでしょうが、何処だか全く分かりません。
山頂に続く、木々も疎らなスキーで滑るには絶好の急斜面を適当に登ります。
緩やかな林道に慣れた身体にはきつく感じる急斜面です。
途中何度も一息入れながら、ジグを切って登りました。


スキーには格好の大斜面を登る

厳しい日差しと急斜面に汗びっしょりの身体に、雪面からの冷えた冷気が気持ち良く一頑張りすると、春香山山頂です。
山頂標識が括り付けてある木の陰にへたり込んで、景色を眺めながらエネルギー補給です。


春香山山頂

本来なら眺望も勝れている山のようなのですが、この日は春霞なのでしょうか、ほんの周辺しか見渡せません。
札幌市街すら霞んでいて、手稲山もうっすら見えている程度でした。


手稲山も霞んでいた

隣の和宇尻山と銭函天狗岳の間から銭函の海岸線がボンヤリ見えています。
北西には小樽の町並みがかすかに浮かんでいました。
白井岳や余市岳方面は木々が邪魔して、良く見えないのが残念です。


和宇尻山(左)と銭函天狗岳

持参したオニギリや冷やしてきたトマト、ゼリーが抵抗無くお腹に入って行きます。
タオルに雪を包み、顔や首筋に当てると冷たく気持ち良く生き返るようです。

誰も居ない春香山山頂で、ゆったりした時間を過し、満足して下山する事にしました。
銀嶺荘までの大斜面を尻セードで滑り降ります。
誰も見ていないと言う気安さからか、恥ずかしげも無く子供のように歓声を上げながら滑ったり転げたり、あっという間の時間でした。


子供に返って、尻滑り

銀嶺荘からは登ってきた林道を戻りました。

今回訪れた春香山、その名の通りに春の香りを楽しむには少し時期が早過ぎました。
それでも春の日差しを受けつつ、残雪の感触を楽しむことも出来、大満足で春香山を後にしたのでした。

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