富良野岳 (1912m) 三峰山 (1866m) 上富良野岳 (1893m) 上ホロカメットク山 (1920m) (十勝)   2005.7.13(水)  晴れ



7.13(水)
十勝岳温泉登山口 0400
安政火口分岐 0435
上ホロ分岐 0455
稜線出合 0605
富良野岳山頂 0635
0700
三峰山 0820
上富良野岳 0850
上ホロカメットク山 0905
0940
上富良野岳 0955
上ホロ分岐 1030
十勝岳温泉登山口 1110
富良野岳は火山特有の荒々しい地形の十勝連峰にあって、只一つ深い緑に覆われどっしりした風格すら感じさせる山で、花の名山としても名を馳せています。

今回7.13(水)から7.16(金)までの3日間、富良野周辺の山々を訪ねて回る事にしました。
実はこの夏、3日間の縦走をしたいと思っているのですが、体力的に続くかどうか自信を持てません。
そこで、3日連続で歩いてみて試してみようと言うのです。

第1日目は、十勝連峰の富良野岳から稜線上を上ホロカメットク山まで北上しながら花を訪ねてみます。
体力C'Kの為には、そのまま十勝岳まで歩きたかったのですが、望岳台から十勝岳温泉までの交通手段が見込めず諦めました。
えっ!! 歩けば良いだろうって?
それはそうなんですけど・・・、なかなか舗装道路を歩く気になれないんですよね。

前夜、登山口である十勝岳温泉の駐車場へ。
登山者だけでは無いのでしょうが、十数台の車が停っていて皆さん車中泊のようです。
私も簡単な食事をしながらビールを頂いて、早めにシュラフに潜り込みました。

朝0330に目覚めると富良野市街は雲海の下ですが、山は晴れ上がっていて上々の天気です。
朝食を摂りながら出発準備です。
回りでも何人もの人達が起き出してやはり登山準備をし始めました。

0400に登山届けを出して、今日一番の出発です。
安政火口目指して立派に整備された道を進みます。進む正面には上ホロなどの険しい火山壁が望まれています。


安政火口付近から見る上ホロなどの山々

火口手前から右手の尾根に取り付き一登りすると、朝日を浴びた富良野岳が姿を現しました。


朝日を浴びた堂々とした富良野岳

道端にはミツバオウレン、イソツツジ、ウラジロナナカマド、ショウジョウバカマなどが絶える事無く咲いていました。

小さな雪渓が幾つも残っています。
木道や木の階段が何ヶ所も整備されていますが、これは道を補修する為のものですから歩きにくいったらありません。

上ホロへの分岐を過ぎると、ハイマツの道は山腹を等高線に沿うようになだらかに登って行きます。
ハイマツや潅木に混じってチングルマが群落を作って一部はすでに花を落としていました。

稜線上の縦走路分岐に出ました。
これまで見えなかった南側の景色が目に飛び込んできます。
原始の原や昨年登った大麓山、トウヤスベ山が静かに佇んでいました。


稜線分岐付近のお花畑から原始の原方面

北東側には噴煙を上げる十勝岳、さらに遠くには大雪の旭岳が逆光の朝日を浴びて聳えています。

ここから富良野岳へは一面に広がるお花畑の中を進んで行きます。
山の斜面一杯に覆い尽くす御花畑、言葉をなくすほどの見事さです。


エゾヒメクワガタ

イワウメ、エゾコザクラ、ハクサンイチゲ、コイワカガミ、エゾツガザクラなどなどが所狭しと咲き誇っています。


エゾコザクラ

花達に挨拶しながら歩いて行きますが、呼び止められるような感じで足が前に進みません。
「私がNO1モデルよ」なんて言っているようで、カメラを仕舞う暇も無いぐらいです。


エゾノハクサンイチゲ

花に堪能しながら富良野岳に到着です。
当然今日の一番乗りと思っていたのですが、そこには先客が。
上ホロの避難小屋から来た人で、その人の話によれば稜線上で熊と出くわしたとの事。
鈴の音に気付いたらしく、立ち上がってこちらを確認して谷の方に降りて行ったそうです。その距離およそ20mだったとか。
万一の為に、人も多いだろうから迷惑を掛けてはいけないと鈴はザックのポケットに入れておいたのですが、早速取り出してキチンと鳴るように取り付けました。


富良野岳山頂から十勝岳方面を見る

頂上からの展望も素晴らしいです。
これから辿る十勝岳に続く稜線、その向こうに旭岳。
東側には下ホロカメットク山や東大雪の山々が見えています。


雲海に浮かぶ芦別岳

富良野や山部の町は雲海の下に沈み、その上には富良野西岳、芦別岳、夕張岳などが一列に並んでいるように端座していました。

まだ朝7時前です。軽めのブランチを楽しみながらのんびり一休みです。
続々と登ってくる人達も皆さん満足そう。
「楽しくて嬉しくて、足が前に進まないのよ!」花好きの陽気な御夫婦の登場で一気に賑やかになった富良野岳山頂でした。

クッキリと見える十勝岳に向かって、稜線を歩き出します。
リンドウやミネズオウ、コケモモなどを始めとする花々に囲まれながら、ゆったりした気分で歩を進めて行きます。


三峰山付近からの十勝岳と上ホロ

振り返ると、登ってきた富良野岳が独立峰のような感じで雲海の上にそびえ立っていました。


富良野岳を振り返る

2時間ほどの快適な稜線歩き、三峰山、上富良野岳を経て今日のもう一つの目的地上ホロカメットク山に到着です。
富良野岳とは雰囲気のガラッと変わった火山の山特有の荒々しく脆い感じの岩肌が目に付きます。
足下が切れ落ちている所もありますので要注意です。

ここで時間もあるとゆっくりしていると、上富良野岳から十勝岳へ縦走すると言う本州からの登山ツアーの20名ほどの人達がやって来ました。
ガイドが1人、添乗員らしき人が2名、ツアーとしてはまともな方なのでしょうか?
とにかく賑やかです。ああいう山旅もたまには良いものかもしれません。

私が多くを単独で行動していると言うと、「熊は怖くないのか?」
北海道の山と言うと羆はやはり大きな関心事の一つなのですね。
私が熊に出会った時には「俺の人生、まんざらでも無かったな」と思うようにしたいという話と、美しい北海道の山も汚れてきているぜひ使ったティッシュは持ち帰って欲しいと言う話とすると、何故かただ笑っているだけでした。


上ホロカメットクから安政火口を見下ろす

上ホロから上富良野岳に戻ると富良野岳山頂で出会った滝川の花好きの御夫婦が到着しており、一緒に十勝岳温泉まで降りる事にしました。
上ホロ分岐までかなりの急斜面を降りて行きます。
この斜面にも多くの花達が咲き競っていました。


ミツバオウレン

楽しかった花巡りを終えて十勝岳温泉に戻ってきました。
まだ11時です。滝川の御夫婦と別れ、十勝岳温泉の凌雲閣で温泉に入り、登ってきた富良野岳から上ホロカメットクにかけての稜線を眺めながらのんびりした時間を楽しみました。
ここの温泉、とても暖まり良い湯なのですが、タオルが土色に染まってしまってなかなか落ちないのが困り者です。
タオルをお湯につけるからですって。そう、そうなんですよね。

富良野岳、登山口の標高が高い事もあり、比較的簡単に楽しめる山だと思います。
加えて、花の種類も数もとても多く花好きには堪らない山でもあり、人気の山となっているのでしょう。

何時までもより多くの人達が楽しめるように、私達一人一人の登山者が注意して何時までも奇麗に気持ち良い山であるよう、していきたいものです。

こうして、体力C'K富良野山の旅の第1日目は無事終了です。
明日は体力・気力とも鍛え、試しがいのあるハードな山の予定です。
今日の所は気力体力とも余裕十分、余力を持って今夜の宿である山部の太陽の里のキャンプ場を目指します。

さぁ、明日はどうなる事でしょうか?

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