雨竜沼湿原  南暑寒別岳 (1296m) (増毛)  2005.7.22(金) 晴れ



7.22(金)
南暑寒荘 0600
湿原入口 0700
南暑寒岳登り口 0740
南暑寒岳山頂 0900
0945
南暑寒岳登り口 1050
湿原入口 1155
南暑寒荘 1245
雨竜沼湿原は「北海道の尾瀬」とも呼ばれています。

尾瀬が至仏山と燧岳に囲まれている高原湿原なのに対し、雨竜沼は暑寒別岳と南暑寒別岳に囲まれ、規模は尾瀬より小さいものの、湿原の状態、景観の素晴らしさ、花々の美しさでは尾瀬を上回っているように感じられる、謂わば北海道の宝なのです。

雨竜沼がある増毛山地は北海道でも有数の豪雪地帯で5月一杯は残雪登山が楽しめます。
雨竜沼湿原も6月中旬から9月一杯がシーズンでそれ以外は雪に埋もれ、誰も訪れない場所なのです。

私はこの雨竜沼湿原には何回も訪れているのですが、エゾカンゾウの時期に訪れた事が無く、今回はエゾカンゾウ狙いで訪れてみました。

まだ薄暗い早朝、自宅のある千歳を出て、一路雨竜町を目指します。
雨竜町からは道路標識に導かれ、ゲートパークとして整備されている雨竜沼湿原への入口になっている南暑寒荘に着きました。

準備を整え、南暑寒荘で入山届と環境美化協力金500円を払って、歩き出します。
この環境協力金には様々な意見があるようですが、私は大賛成です。
このお金で大切な湿原の維持管理の一部がまかなわれ、登山口のトイレなどが奇麗に維持されているのですから。
多くの山でオーバーユースによる環境破壊が叫ばれていても、行政などは財政不足で手を出せない。それを私達ユーザーである登山者が入山料を支払い、その一部として活用してもらう事は自らの為でもあると思うのです。

道はペンケペタン川に沿って緩やかに登って行きます。
直ぐの所にある白竜の滝を右に見ながら進み、2番目のつり橋を渡ってからは急斜面をジグを切って高度を稼いで行きます。
傾斜が緩むと高度800mの湿原はもう一息です。
湿原入口の手前に水場がありますが、チョロチョロとしか流れていませんでした。以前はもっと流れていたと思うのですが、どうしたのでしょう。
水を汲むなら、南暑寒岳登り口の小沢を利用する方が良いと思います。


朝霧の雨竜沼湿原

霧に包まれた湿原に到着です。
緑の中に黄色と白が縞模様のようになっています。
エゾカンゾウの黄色とワタスゲの白、草地の緑のコントラストが朝霧の中に浮かんでいました。


ワタスゲとエゾカンゾウの競演

雨竜沼湿原の大きさは東西3キロメートル、南北1.5キロメートルほどで木道が概ね一周するように整備されています。
一方通行の木道を右回りに進んで行きます。
エゾカンゾウやワタスゲの他にもハクサンチドリ、イワイチョウなどが沢山の花をつけています。


イワイチョウ

湿原をグルッと半周して、湿原の西側に南暑寒別岳の登り口があります。
ここからダケカンバとチシマザサの単調な緩やかな道を登って行きます。

曇っていたお天気が段々明るくなって、青空も見えてきました。
隠れていた暑寒別岳もその姿を現し始めています。

南暑寒岳の山頂に着きました。
増毛山地の山々がお出迎えしてくれています。


南暑寒岳山頂からの暑寒別岳

暑寒別岳から連なる稜線上には群別岳、尾白利佳加岳がすっきりした山容を見せています。


尾白利加岳(左)と群別岳

時間はまだ9時、4時間ほど頑張れば暑寒別岳に行ってこれない訳ではありません。
行ってみようとザックを担ぎ、足を踏み出そうとして、引き返してくる時の強烈な登り返しの急坂を見て気持がスウッと萎えてしまいました。
一昔前ならこんな事なかったのにこれも歳かな?・・・と自分で自分の事を仕方ないな〜という感じで笑ってしまいました。


尾白利加岳から暑寒別岳の山並み

山頂で虫達に追い回されて手で払い身体を動かし続けながら写真と撮ったり、軽食を食べたりして小一時間過し、下山です。

単調な下りを慰めてくれたのは、眼下に広がる雨竜沼湿原でした。
幾つもある池塘がキラキラ光っています。


雨竜沼湿原の全容

湿原に戻り、ここからはゆっくりと花々を見ながら歩きます。
アヤメが日の光を受けて鮮やかな紫色を放っています。


紫と虎模様が美しい

池塘の中にはヒツジグサやコウホネの葉が浮かんでいますが、花はまだのようでした。


アヤメ

花々が咲き乱れる湿原に山が背景となって引き立て役になっているようです。


湿原の花々と南暑寒別岳

平日ですが、多くの人達が訪れて湿原の風景と花達を楽しんでいます。
期待してきたエゾカンゾウはまさに旬。
色鮮やかな黄色で湿原の主役気取りで咲いていました。


エゾカンゾウ

エゾカンゾウの少し派手な黄色を目立たぬように陰で支えているのがワタスゲです。
控えめで前面に出てくるような花ではないのでしょうが、とても風情を醸し出してくれる花だと思います。


ワタスゲ

期待してきたエゾカンゾウも見る事が出来ました、朝霧のシットリした湿原も見る事が出来ました、山頂から増毛山地の山々の雄姿も見られました、大満足で雨竜沼湿原を後にします。

のんびり下りながら途中、白竜の滝を見ながら南暑寒荘に戻ってきました。


白竜の滝

今回も雨竜沼湿原は大いに私を楽しませてくれました。
何時来ても期待外れの無い、素晴らしい所だと思います。

ただ一つだけ困り者が・・・それは虫です。
ゆっくり楽しむには、十分な虫対策をしてお出かけ下さい。

GPSトラック
2011.7の雨竜沼湿原から暑寒別岳へ

 

 

 

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