ルベシベ山 (1740m) (日高) 2005.8.16(火) 晴れ
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ルベシベ山は北日高のチロロ岳から東へ延びる稜線上にある山です。 北のペンケヌーシ岳から芽室岳に延びる稜線と、南の伏美岳からピパイロ岳、1967峰へ延びる稜線に挟まれた位置関係にあります。 北日高の良い展望が得られる上、沢歩きも易しいと聞き、この所留守番役を務めていてくれた、カミさんと訪れてみました。 チロロ岳の曲沢へのパンケヌーシ林道に入り、曲沢を過ぎてしばらく行くと、五の沢の看板標識が出ています。 |
沢装備に身を固め歩き出します。もっとも沢は易しく滝も無いので、ヘルメットでは無く帽子です。
踏み跡が五の沢の左岸に沿って付いていました。
沢は平凡な沢相で面白みはありませんが、水はとても冷たく奇麗、ネオプレーンの靴下を通して冷たさが伝わってきます。
平凡な様子の沢だが、水は冷たく奇麗。 |
やがて沢の中を辿ったり、枝沢を利用して巻いたりしながら上流に遡って行きます。
40分ほどで1150m二股、この二股を右に入るとルベシベ山への直登沢ですが滝があると言う事で、私達は本流を進みました。
高度1300m程から沢の傾斜が急になって来て滑滝状の所が出てくると共に、これまで東に遡っていたのが南に向かうようになってきました。
滑滝状の所が続くようになる |
沢の両側にはミゾホオズキ、キバナノコマノツメ、ヒメクワガタ、ミソガワソウなどが咲いています。
振り返ると、北東に1726Pがピラミダルな端正な姿を見せています。
無名峰とは思えぬ程姿良く屹立する、1726P |
標高1500mを越える辺りで水が涸れてきました。
狭く急な涸れ沢を登って行きます。
沢の周囲はすでに花は終わっていますが、一面ツガザクラです。花の時期には素晴らしい夢のような光景なのでしょう。
ですが、羆の掘り返しや真新しい糞が至る所にあり、彼らの領域にお邪魔していると言う感を強くしました。
源頭まで後僅かと言う所から右斜め上にルベシベ山の山頂直下の稜線へ踏み跡が続いていました。
薄い踏み跡ですが、数ヶ所赤テープが付けられています。
かなりの急傾斜ですから、沢靴では慎重さが必要です。
稜線に上がると後は少しのハイマツ漕ぎ(と言っても一部はかなり手強い)で、山頂です。
山頂から伏美岳と十勝幌尻岳(左)と札内岳(右) |
ルベシベ山山頂に着きました。お天気も上々です。
十勝平野は雲海に沈み、その上に山々が顔を覗かせています。
すぐ南側には伏美岳からピパイロ岳、1967峰が、その向こうには十勝幌尻岳、札内岳、エサオマンなどがドッシリと端座しています。
ピパイロ岳と1967峰(頭を雲で隠している) |
想像していたより素晴らしい大展望です。
太陽の陽射しは強いのですが、風が爽やかでしばらく居ると涼し過ぎるぐらいです。
北日高の名峰をバックに |
北側には昨秋登ったペンケヌーシ岳から続く稜線がなだらかな曲線を描いています。
ペンケヌーシ岳(左端、雲を被っている)から延びる稜線 |
そしてさらに東側には昨年登った芽室岳も見えていました。
1726Pの向こうに双耳峰の芽室岳 |
素晴らしい展望に堪能しながら、のんびりお昼ご飯を頂きます。
保温ケースに入れてきた、冷えたトマトやゼリー、スポースドリンクが美味しく食欲を増進してくれるようです。
「これだから山に来ると肥るのよね!」とボヤキガ入ります。
チロロ岳をバックにお昼ご飯 |
小一時間、景色を楽しんだり、おしゃべりをしながら一時を過しました。
夕方までに帰らなくてはいけないので、そろそろ下山です。
五の沢源頭までの草付きの急斜面は沢靴ではとても滑るので要注意です。
五歩下ってはツルリ、三歩下ってはスッテン、最後にはしゃがんだまますべり台を滑り降りるように降りてきました。
簡易アイゼンを持って行くと良いかも知れません。
帰りはほどんど巻き道を使わず、沢の中をジャブジャブ濡れるのも構わず下ってきました。
滝が無い為でしょうか、魚の陰が頻繁に横切ります。かなり大きいのも居ましたよ。
疲れちゃった〜! |
ルベシベ山、思ったよりお値打ち感のある予想外に良い山でした。
展望も良いですし、沢は易しく迷う事もありません。
花は今の時期の良いですが、ツガザクラの時期は素晴らしい筈です。
日高の夏道の無い山は、難しい沢を遡らざるを得ない山が多いのですが、このルベシベ山は初心者でも大丈夫です。
「すっごく楽しかったわ!」と言うカミさんの言葉がその証拠でしょう。