武華山 (1759m) (北大雪)   2005.10.19(水)  晴れ・曇り



10.19(水)
登山口 0620
登山道分岐 0635
東尾根C1575m 0725
C1747稜線出合 0750
0810
武華山山頂 0830
0900
ライオン岩 0920
0955
登山口 1045
武華山は表大雪連山の東側に位置し、稜線で連なっている武利岳と一体として「武利岳・武華山」と称される事が多いようです。

有名な大雪の陰に隠れて訪れる人も少ない割には、静かで展望も花も豊かな山として知られています。

両山を結んでいる吊り尾根にはかって道が付けらたのですが廃道同然だったそうです。
この為、これら二つの山に登るにはそれぞれ別個に登るしかなかったのです。
この道が再び通れるようになったと聞き、吊り尾根を利用して両山を歩いてみようと訪れてみました。

登山口へは旭川方面からですと、国道39号線で石北峠を越え、下り始めて間も無く、左側に「武華山登山口」の看板標識が有ります。
ここで左折し林道を走ると、しばらくしてT字路となり、ここを右折、あとは一本道で10分も走ると登山口です。

5〜6台ほど駐車出来るスペースがあり、湧き水の水場も有ります。


武華山、登山口

日の短くなった晩秋、出来るだけ早立ちをとまだ薄暗い6時過ぎに登山口に着きました。
身支度を整え、勇躍出発です。

道はイトソムカ川に沿って緩やかに続いています。
小さな沢ですが、清流と苔むした岩そして降り積もった落ち葉が何とも良い雰囲気です。


イトソムカ川に沿って歩いて行く

15分ほど行くと、道は二手に分かれています。
右に行くと東尾根経由で、左を取ればライオン岩経由で武華山に行け、多くの人は一巡りして楽しんでいるようです。


登山道分岐

私は武利岳に続く吊り尾根へそのまま行ける、東尾根コースへ進みました。
しばらくは沢沿いに進み、その後ジグを切りながら尾根に取り付いて行きます。
所々風倒木があり、歩きにくく、よけたり潜ったりしながら歩きます。

道はダケカンバ林から針葉樹林帯となり、左手前方に武華山の稜線が見え出してきました。
何と、稜線上の所々は霧氷のようで白く輝いています。
「もう凍っているんだ!」驚きと共に冬用の手袋などを持ってきて良かったと一安心です。


東尾根からみる武華山の稜線と遠くに表大雪の山々

じっとり汗ばんできた頃、標高1575mで東尾根に乗りました。
東側から南側は雲で覆われていますが、西側と北側は上天気です。
目指す武華山からライオン岩に続く稜線が奇麗に見え出しました。

そして稜線の向こう側には表大雪の山々が山頂部を雪化粧して並んでいます。


表大雪の山々、中央遠くが旭岳

東尾根に出ると背の丈を越えるハイマツ帯となり、その中を奇麗に刈り分けられた道が延びています。
ハイマツの葉に霧氷が付いていて、触れるたびに袖から肩にかけて氷の破片で真っ白になってしまいました。

道端の草にも霜がびっしりと付いています。


霜で真っ白になっていた草達

その内、晴れていた空がガスで覆われ始めました。
南側から続々とガスが沸き上り始め、どんどん濃くなって行きます。
「折角来たのだから、晴れてくれよ。」と祈りますが、思いは通じないようです。

武華山から続く稜線上のC1747地点に着きました。
ここから武利岳に続く吊り尾根が延びている筈です。
標識は無いと聞いていたので、それらしい踏み跡と思われる所に入ってみますが、いずれも途切れています。
吊り尾根が見えていればしゃにむに行っても良かったのですが、ガスで吊り尾根が見えません。

稜線の武華山側に道があるかも知れないと進んでみます。
ガスに加え風も出てきて、寒いぐらいです。
マウンテンパーカーを着て、軍手を厚手のものに換えて進みます。

武利岳への道は中々見つけられません。もう通り過ぎてしまった筈です。
道の両端にはドライフラワー化した花達が霧氷に覆われ、珍しい姿を見せていました。


霧氷と化した花

チングルマの穂も凍りついています。


凍りついたチングルマの穂

武利岳への道を探し当てられないままその内、武華山山頂に着いてしまいました。

ガスは濃淡を繰返しながら続々と沸き上ってきています。
ジッとしていると半端ではなく、寒いぐらいです。
でもガスが晴れてくれれば、武利岳に行こうとしばらく待つ事にしました。


武華山山頂、向こうにはドッシリとした武利岳

武利岳はおろか、大雪の山々も、今歩いてきた稜線も見えません。
待つ事しばらく、フッとガスの切れ間が出て来ました。
「シメタ!もうしばらく待てば。」と写真を撮りながら待ちましたが、数分すると又閉ざされてしまいます。


ガスの晴れ間から、やっと姿を見せた武利岳

ガスの合間から姿を見せてくれた武利岳は、ドッシリとした山頂部に岩を侍らせた何とも良い形をしています。

できれば折角来たのだから登ってみたいと思いますが、ガスの中では道を探し出せる自信はありません。
9時まで待って、ダメなら諦めようと寒さの中、ジッと我慢です。

ガスは相変らず断続的に流れてきます。
残念だけど今回は諦めよう。後ろ髪を引かれる思いで武利岳を諦めます。

ライオン岩へは岩混じりの稜線を下り、登り返すように歩きます。


ライオン岩

ライオン岩の天辺は平で比較的広くなっています。
ガスの状態は変わりませんが、このまま降りるのでは時間が早過ぎますし、勿体ないと、風のよけられる場所を探してしばらく待ってみる事にしました。


武華山(中央右)方向、正面ピークの左手に武利岳

30分程待つと、ガスの流れがゆっくりになり、小さな雲の塊となって山肌から離れて行きます。
大雪の山々もやや霞んでいますが、見え出しました。山頂部の新雪と雪渓の古い雪との対比が面白い感じです。


表大雪の山々

北西方向には平山やニセイカウシュッペ山、有明山、チカトニウシ山なども見え始めました。

南の石狩岳やニペソツ山などは雲に覆われています。
東側の阿寒や斜里岳、知床方面は雲の中です。

天気は概ね安定してきたようです。
この天候なら武利岳へもチャレンジ出来たでしょうが、今からでは時間的に無理です。
今回は武華山に登れ、大雪などの大景観を見れた事だけでも良しと致しましょう。

ライオン岩からは南東に延びる尾根を下って行きます。
3ヶ所ほどロープ付きの急な所もありました。
針葉樹帯からダケカンバ林に降りてくると、先程とは逆に暑いぐらいです。
一枚脱ぎ、二枚脱いで、手袋も軍手に換え、登山口へ帰ってきました。

今回の山行は武華山と武利岳の両山を歩きたいと計画しましたが、ガスで武利岳への道が判らず、武華山のみの山行となりました。

無理を為れば行けなくはなかったかも知れませんが、無理を為る歳でもありません。
またチャンスを見つけてチャレンジする事にしたいと思います。
武利岳も「むりだけはするな」と言っているのでしょうから。

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