空沼岳 湯ノ沢 (道央)   2006.6.15(木) (曇り後雨)



6.15(木)
駐車地点 0720
C350m入渓地点 0750
C480m二股 0920
C680m二股 1110
C880m林道 1235
万計山荘 1305
1450
空沼岳登山口 1605
駐車地点 1620
北海道神宮例大祭、通称「札幌祭り」は「よさこい・ソーラン」と並ぶ札幌の夏の一大イベントです。
厚生活動の一環として従業員達が祭りを楽しむ為に休業にしたり、交代でお休みにする企業もあるようです。

お休みを貰った山仲間は律義なのか不埒なのか、祭りに行かず山に行くのです。
毎日が日曜日の私にも声が掛り、喜んで御一緒させてもらう事にしました。

行き先は空沼岳の湯ノ沢、札幌近郊にありながら美しい変化に富んだ定評の沢だそうです。
予定コースは湯ノ沢を遡行しC900mで林道に上がり、万計山荘を経由して夏道登山道を戻る計画です。

空沼岳万計沼コース登山口へ向かう途中の採石場を過ぎて直ぐの橋の手前に車2〜3台駐車出来るスペースがあり、そこに駐車して入渓準備です。


入渓準備
奥は空沼岳登山口、湯ノ沢には右の林道を入る

しばらく林道を歩き、C350mの支流から入渓しました。
雪解けで水量は多く流れも強い、足を踏ん張らないとすくわれてしまいそうです。
水温も低く手を浸けるとしびれるほど、でもネオプレーンの靴下のお陰で足に冷たさを感じる事はありません。

本流合流点は6mほどの滝になっていて、木々に掴まりながら降り立ちました。


6mほどの滝

直ぐに100mほどの一枚岩の岩盤に流れ走る水の波紋が美しい。
平行して走っている林道の下に埋められている土管を潜っていきます。
良く見ると沢水が少し白く濁っているようです、「湯ノ沢」の名の通り温泉が湧いているのでしょうか?
大理石のような模様がある白っぽい一枚岩から幅8m高さ2mの滝となって流れ落ちています。


少し濁った水が流れていた

30メートル近いゴルジェ状の所が現れました。
幅は狭いのですが、激しい勢いで水がほとばしっていていい雰囲気。


激しくも美しい水の流れ

沢沿いにはダイモンジソウが目立ち、夏の終わりには可憐な姿を見せてくれそうです。
5段20mの滝が出て来ました。肌色の岩に流れ落ちる水が美しく、歓声が上がります。


5段の滝

そして五段の滝の上は100メートルに及ぶ一枚岩のナメが続いていました。


流れは速いが気持の良いナメ

数は多くありませんが、タチツボスミレ、シラネアオイ、ツバメオモト、サンカヨウ、ノビネチドリ、ネコノメソウ、クルマバソウ、アイヌ葱、アズキナ、オオアマドコロ、オオカメノキ、ツツジなどが咲いています。

でも、リーダーのganさん、SLのYMさんの目は花を素通りし、ウド、アイヌ葱、フキにロックオンして離れません。
遂に、お昼の天ぷらの材料集めと称して10分間の山菜狩りタイムです。


大収穫に顔もほころぶ

ザックから漂うウドやアイヌ葱の香りに包まれつつ、遡行を続けると小さな滝が幾つも出て来ます。


小滝が連続する

入渓時には曇っていた空模様、次第にガスがかかり雨が降り始めました。
新緑が雨に濡れ奇麗なのですが、沢は薄暗い感じになってきます。


ガスが掛り幻想的な雰囲気に

標高600m付近にやって来ました、ここから標高差300mが湯ノ沢の核心部。
大小様々の滝を慎重に乗り越えていきます。


C620mにある20mの滝
水しぶきを浴びながらの遡行が続く

大小の滝、廊下状のナメ滝と変化に富んでいますが、雲の中に入って薄暗い中では美しさも半減です。
きらめく陽光の下だったらどんなに素晴らしいでしょう。


100メートル以上、延々と続くナメ滝

雨が段々本降りになってきました。
動いていないと少し寒いぐらいです。

C680m二股に着きました。
ここから上にはゴルジェと直登出来ない大滝があるのだそうですが、この時期ゴルジェは雪で埋まっているのと、雨が本降りになってきたので、早めに林道に出ようと右の支流を登る事にしました。


この滝の手前で右の支流に入った

支流を遡っていくと枝沢が何本も合流してきます。
地図で判読出来る所は良いのですが、地図で沢地形が判読出来ない所はリーダーの勘がものを言います。

ルンゼ状の沢を上り詰めC800mからは、林道めがけ薮漕ぎです。
この薮、かなり濃密で40分も格闘、途中、滑る急斜面の笹藪の中ではじき飛ばされたメガネを何度も探すはめとなりました。

やっと林道へ飛び出しました。
心底ホッとした気持、リーダーの「今日の山頂はここ!」の一声に全員で握手、万計山荘へ向かったのでした。
そしてその林道はウドの畑でもありました。まだ若い美味しそうな奴を頂きました。

万計山荘に着き、水を汲みに万計沼へ行くと溢れて登山道まで水浸し状態、こんな万計沼の姿は初めてでした。
ストーブを付け、濡れたものを乾かしながら身体を温めます、暖まってくるとウトウト眠くなってきます。
ganさん御自慢の天ぷら、採ってきた山菜の揚げたてを舌鼓、実に手際よく美味しく皆さんモリモリお腹に収めていきます。
2時間近くゆったり過し、気力体力を回復して夏道を駆け降りるように戻ってきました。

札幌にこんなに近い所に素晴らしい沢があるのですね。
今回は天候に恵まれなかった為、この沢を最後まで遡る事は出来ませんでした。
お天気の良い日に是非もう一度訪れたいものです。

御一緒して下さったganさん、YMさん、TRさん有り難うございました。

GPSトラック
2006.8月の湯ノ沢へ

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