奥手稲山 (949m) (道央) 2007.2.3(土) 晴れ、曇り
奥手稲山山頂から銭函方面の海岸線 |
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奥手稲山は札幌手稲山と札幌国際スキー場との間にあり、山頂下のコルに北大ワンゲル部の「山の家」がある事と夏道がない事から、スキー1泊登山を楽しむ人の多い、山スキーのメッカとも言える山です。
私はこの1月中旬にも訪れたのですが、山の家南側の994mPの登りでシールが剥がれ、応急修理も上手くいかず途中撤退の憂き目に遭いました。 定山渓から道道小樽定山渓線を走り、札幌国際スキー場の2kmほど手前の春香山小屋が登山口、前日かなりの雪が降ったらしく、通ってきた道路の周囲は真新しい雪で美しく化粧されていました。 ラッセルに苦戦するかもと思いつつ登山口に着くと6名の人達が登山準備をしています。 |
登山口の小さな「春香山小屋」 |
歩き初めて間も無く、春香山への道を分け夕日沢の右岸の林道に入ります。
真新しい雪に覆われ足跡もトレースも無い静寂で美しい林道風景です。
静かな林道を進んでいく |
雪はやや重く脛から膝近くまであります、元気一杯の皆さんは小屋泊りの食料やシュラフ、防寒具など大荷物を背負っていますが、そんなことはお構いなしの感じで快調なペースでラッセルしていきます。
お陰様で私などはほんの形だけラッセルに参加しただけ、有り難うございました。
休憩中の仲間の皆さん、冗談も飛び交う |
歩き出して約2時間、私達が西尾根に取り付く予定地点にやって来ました。
エールを交換してお別れ、仲間の皆さんはそのまま夕日沢を詰めて北大の山の家へ向かいます。
西尾根へはどうルートを選択しようとかなりの急斜面、私達はスノーシューですからお構いなく登ります。
15分ほどで尾根に上がり、後は岳樺や大きなミズナラの疎林をラッセルに息を弾ませながらゆっくり登って行きます。
ダケカンバの林を行く |
木々の混んだ尾根は視界が利かず、膝近くまでのラッセルがジャブのように効いてくる感じです。
樹林の間から時折奥手稲山がかすかに望まれます、遠いな〜。
奥手稲山がかすかに見え隠れする |
せめて動物の足跡でもあれば、何をしていたんだろうかなど想像して単調さを紛らわせるのですが、降雪直後で足跡すらありません。
何か面白いもの無いかしら? |
お天気は晴れているのですが、強い風で飛ばされた雪のせいでしょうか、全体に霞んでして春香山や白井岳など周囲の山々の姿も目にする事は出来ません、ひたすら頑張るだけです。
静か過ぎる時間が過ぎていく |
二人で交代でラッセル、ふと気付くとカミさんが広い尾根から外れそうになって進んでいます。
「オ〜イ、方向が違うよ〜」
「下ばかり向いて頑張っていたら、変な方に行っちゃたわ!」
「疲れたんだ、休憩。ご飯にしよう」
お昼を食べて気分転換 |
すでに11時半を過ぎています、地図を見ると今までのペースで行くと微妙な距離が残っています。
「タイムリミットを13時として、行ける所まで行ってみよう」と決め、温かい食べ物を口にして体力・気力を充電しました。
歩く尾根には2004年の台風19号で倒れた倒木が多く歩きづらいと聞いていましたが、雪に覆われ然程ではありません。
ダラダラと登り標高900mを過ぎると奥手稲山への少し急な登りとなりました。
山頂空際がハッキリしてきました、もう少しです。
登り詰めた山頂台地 |
今まで見る事が出来なかった、手稲山と石狩湾の海岸線が目に飛び込んできました。
「やったね〜、今日は無理かと思ってたよ!」
「手稲山がこんな感じに見えるのね、あれは銭函天狗岳かしら? あすこは前田森林公園でしょう?」
霞んでうっすら見える手稲山 |
時間は丁度13時、時間切れぎりぎり辿り着いた奥手稲山山頂です。
北東側は切れ落ちた崖になっていて迫力満点、手稲山の左下には石狩湾の海岸線が横たわっています。
石狩湾の海岸線が見える |
山頂で |
北側には銭函天狗岳と市街地が見えました。
やや霞んでいて空と海の境がハッキリしないのが残念です。
銭函市街地 |
ゆっくりしたい所ですが下山を急がねばなりません。
写真とコーヒーだけ、立ったままの僅か15分の山頂でした。
可能であれば「山の家」経由で降りたかったのですが、素直に往路を戻る事にしました。
札幌国際スキー場を正面に見ながら下山開始 |
ボンヤリ霞んでいる札幌国際スキー場や白井岳を正面に、春香山を右手に見ながら往路を戻ります。
夕日沢まで戻ってくると安心感からか疲れがどっと出て、腰から下に重りでもつけているような感じ、時々立ち止まり励まし合いながらトボトボ歩いていると下から軽快に登ってくるHYMLの仲間であるKTさん御夫婦に遭遇、山の家での大宴会に参加との事でした。
今回はゆっくり日帰りのつもりだったのが、予想外の積雪でかなりの強行軍になってしまいました。
朝、仲間の皆さんと御一緒にならなければとても頂上には立てませんでした。
皆さんに心から感謝です。