歌才ブナ林 (道南)   2007.5.28(月) 曇り・霧



ブナ林は日本ではそんなに珍しいものではないと思います。

新緑や紅葉時期の美しさ、保水能力の高さ、動物達の貴重な餌として貴重な存在として昔から大切に維持され保存されてきました。
ですが開発や伐採などにより少なくなりその大切さや貴重さが再認識されました、その結果東北の白神山地は世界遺産として指定され保存されているほどです。

ブナの自生北限は、北海道黒松内町(一説には寿都町)と言うのが定説です。
黒松内町にある黒松内岳や歌才ブナ林のブナの純林(昭和3年に天然記念物に指定)が特に有名で地元でもその保存に力を入れているようです。

5月下旬の一日、黒松内岳に登ろうと訪れたのですが予報に反し天候は霧が深く登山には適していませんでした。
そこで良い機会だと歌才ブナ林を散策してみることにしました。


歌才ブナ林入り口

黒松内町の歌才ブナ林駐車公園に車を停め、ブナ林へ向かいます。(歌才森林公園からも行くことが出来ます)

約500m程、トドマツや白樺の林の遊歩道を歩くと小さな沢を渡ってブナの純林へ入っていきます。
丁度新緑の季節、林の中は明るい黄緑の新緑で一杯、緑が溢れています。

緩やかにアップダウンを繰り返す遊歩道は思わず深呼吸をしたくなるほど清々しい空気と雰囲気、これがブナの持つ癒し効果なのでしょうか?

白い木肌に苔をつけて真直ぐ延びるブナの幹は太いもので1.5メートル、高さは30m近くありそうです。
歌才ブナ林には約1万本のブナがあるそうでその平均樹齢は150年とか、ブナが培ってきた悠久の時間と言うか密度に圧倒されるようです。

中には太い幹に空洞が出来ている木や折れて倒れかかりキノコに侵食されている木なども目に付きます。
自然のままの世代交代が行われているのですね。

林の中には鳥も多く、さえずりが飛び交っていますし、キツツキのドラミングも聞こえています。

林床部は笹で覆われていますが、道端には季節の花々が数多く見られました。
この時期咲いていたのは、オオタチツボスミレ、クルマバソウ、マイズルソウ、ツクバネソウ、ユキザサなど、花の終わっていたものはキクザキイチゲ、カタクリ、エンレイソウ、ニリンソウなど、これからのものはササバギンラン、シラネアオイなどでした。

身も心も洗われた気分、トドマツやエゾマツなどの植林された林では味わえない爽快感です。
これほどの癒し効果がブナにはあるのだとは知りませんでした。
大切に次の時代に受け継いでいく必要があると痛感しました。

まだ訪れたことのない方は、是非行かれてブナの緑の中に浸ってみてはいかがでしょうか。

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