ピセナイ山 (1028m) (日高) 2007.5.12(土) 晴れ・花曇り
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日高山脈の大展望台として名を馳せているピセナイ山ですが、唯一のウィークポイントは林道崩壊の為、登山口まで片道6kmの林道歩きを強いられる事でした。 ですが2007.5現在、林道は修復され登山口まで約1.5kmを歩けば良いようになっています(約30分)。 しかも交通止め地点の手前には大きな駐車スペースも設置され、手軽に訪れることが出来るようになりました。 私は2004.5に訪れていて、日高の大展望に心打たれ大感激した記憶があります。 静内湖キャンプ場までの道は以前より整備された印象です。 林道には新しい砂利が敷かれ、崩壊していたと記憶のある所も奇麗になっています。 しばらく行くと、右手の崖に可憐なピンクの花が群生しているのを見つけました。 |
岩場に群生するコザクラ |
3年前は今回より一週間程早かったのですが、コザクラは見ませんでした。
思いもしなかった贈り物、幸先が良いとルンルン気分です。
可愛く美しいコザクラ |
静内湖の周囲の林はサクラのピンク、コブシの白、ヤナギの新緑が入り交じってまさに春模様、花や景気を楽しみながら歩を進めます。
優しい色が混じり合った、春景色 |
ピセナイ沢沿いの林道に入りしばらく行くと解放されたゲートがあり、ピセナイ山登山口まで4kmの標識。
林道はきっちり整備されていて車で問題ないと確信するが、今日はこのまま歩くことに。
今度は土の斜面にコザクラより濃いピンク色が見え出しました。
エゾオオサクラソウ、これが斜面全体に広がっている。
こんな群落は様似山道で見た以来の事。
エゾオオサクラソウ |
サクラソウの他にもカタクリ、ニリンソウ、エゾイチゲ、ヒトリシズカ、スミレ、キケマン、エゾイワハタザオなどが道端に沢山咲いていて、飽きることはありません。
かって林道が大きく崩壊していた場所も作り直され、景色が変わっています。
作り直され、整備された林道 以前はこの辺りを徒渉した |
静内キャンプ場から約4.5kmで林道は一ヶ所崩落していて車は通れない状態です。
この手前下側に大きな駐車スペースが作られていました。
長年車が通らない林道にはスミレなどを中心に花が沢山咲いています。
沢山咲いていたスミレ |
ピセナイ沢から離れ登山口への道に入ると、エゾマツの倒木が多くなりこれを避けながら少し行けばようやく登山口、キャンプ場から徒歩1時間半でした。
しばし休憩して林道歩きから山登りモードへ切り替えです。
登山口 |
道は取り付きから急な尾根道、最初から汗を絞られ一頑張りすると傾斜が緩み2合目、展望台となっていましたが花曇で霞んでいて今一でした。
「今日も霞んでいて日高は見えないかもね〜」不安がよぎります。
2合目の展望台 |
左手にピセナイ山の山容を枝越しに眺めながら歩きます。
道端にはエゾオオサクラソウが蕾を付けていますし、カタクリ、エゾイチゲが今が盛りと咲いています。
4合目からやや急な登りとなって6合目の稜線出合いへ。
6合目からは笹とダケカンバの緩やかな尾根道、3年前は雪がびっしりだった尾根も今年は殆ど雪はありません。
7合目付近からのピセナイ山 |
9合目付近からの景色 |
山頂直下を数十メートル直登すると、いよいよ山頂です。
そこに待っていたものは・・・。
さあ、山頂だ |
花曇で霞んでいる空気、見えるかどうか期待半分、諦め半分で目をやると
イドンナップ(左)からカムエク(右)へ続く山並み |
スッキリ、クッキリと云う訳にはいきませんが、日高主稜線の山々が立ち並んでいます。
「見えたね〜、良かった! 嬉しい!」
1839峰(中左)と右にルベツネ、ペテガリ |
残雪をタオルに包み顔や襟元を冷やしながら大展望を満喫、北はイドンナップから南は楽古まで、カムエクや1839峰が凛々しい、優雅なピリカヌプリ。
難しい山ばかりだけど、ぜひ訪れてみたい山々です。
食事をし、コーヒーやグレープフルーツなどを楽しみながら山座同定に興じます。
カミさんも大満足の様子、よかった〜。
小一時間のんびり過し、もう一度景観を目に焼き付けて下山です。
登山口までは約1時間で降りてきました。
キャンプ場まで歩いて帰るのは正直少々辛い感じですが、見落とした花や夕食のおかずを採りながら帰ることに気持を切り替えます。
小沢沿いに咲く、エゾノリュウキンカ |
コゴミやタラノメ、ウドを少し頂き、休みながらゆっくり戻ります。
午後となり花の開き方も朝方とは異って、それはそれで楽しめます。
小さな滝とコザクラ |
キャンプ場に帰り着いた時はやはり疲れました。
花を見ながらの林道歩きも良いけれど、やっぱり次は絶対車だな。
ニリンソウ |
ここ数年、長い林道歩きを覚悟しなければ行けなかったピセナイ山、今年からは気軽に訪れられそうです。
大展望を楽しみに多くの人達に訪れてもらいたい山だと思います。
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