楽古岳 (1472m)縦走(札楽古〜楽古岳〜楽古山荘) (日高) 2007.10.13(土) 晴れ
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楽古岳は南日高の名峰、一目で判る美しい二等辺三角が何処からでも望まれます。
楽古岳には三本のルートが付けられています。 左足首骨折のリハビリ登山の最終テストとして、これまで登ったことの無い「札楽古コース」から訪れてみることにしました。 浦河町から天馬街道を通り、国道336号線を広尾方面に約8kmで左手に「シーサイドパーク広尾」の大きな看板、その下に「楽古岳→」の標識があります。 この林道、登山口から約1kmの所で崩壊していました。 |
登山口への途中から見た広尾側からの楽古岳 |
駐車地点から登山口までは林道を歩いて約20分、登山口で沢を渡りますが飛び石の間隔が微妙に開いている上、滑りそう。
最初から濡れるのは嫌だと渡れそうな所を探しますが、何処も同じような感じ。
覚悟を決めて「エイヤ!」と飛び渡りました、ギリギリでセーフ、良かった〜。
登山口の徒渉点 |
道は楽古岳の東尾根から派生する尾根に付けられているようです。
取り付きから笹に覆われ、道が良く判りません。
しゃがんで姿勢を低くして道を探し、笹を漕いでいく感じです。
もう何年も手入れがされていないようで、大丈夫かな〜と不安が走ります。
少し我慢していると笹被りは薄くなってきて一安心、ですが結局、札楽古コースは濃淡こそありますが終始笹被りの道でした。
見晴らしの無い笹藪の中に道を探しつつ、かなりの急斜面を登っていきます。
笹の薄い地点に出てホッとして振り返ると、通ってきた林道や広尾の町が見えていました。
C700m付近から振り返る、この笹原を登ってきた |
見通しの利かない笹の中の道で楽しみは高度計の針と木々の姿形ぐらいです。
今年の楽古岳の紅葉は余り奇麗ではありません。
くすんだ色で鮮やかさが足りないのは何が原因なのでしょうか?
木の実は当たり年だったが、紅葉は外れ年だったのかな? |
歩き初めて約2時間半、笹に苦戦しましたが東尾根に出ました。
これまで見えなかった南側の景観が広がります。
東尾根が落ちていく向こうには広尾の町や太平洋が見えています。
東尾根に出て、広尾方面を見る |
葉を落としたダケカンバの林越しに僅かに楽古岳の山頂部が見えています。数人の人がすでに山頂に居るようです。
東尾根出合いから楽古岳山頂を望遠で、数人の人影が見える |
東尾根出合いから肩までは僅かな距離ですが、笹やハイマツ、ダケカンバでスッキリしない道です。
黙々と歩き、C1413mの肩に出ると今までがウソのように急に視界が開けました。
これまで見ることの出来なかった北側の主稜線、南側の主稜線、そして目の前に楽古岳の雄姿、振り返れば東尾根も見通せます。
肩付近から南側の主稜線を見る。中央遠くは豊似岳 |
今まで遮られてきた北西の風が冷たく吹きつけてきました。
今年一番の寒気が襲来しているのです、シャツを1枚羽織ります。
肩付近から東尾根を見下ろす |
久し振りに見る北側の主稜線が懐かしく感じられます。
肩から見る北側の主稜線の山々 |
そして山頂は目の前です。
肩から見る楽古岳山頂部 |
急激に落ち込むコイボクシュメナシュンベツ川の谷を見下ろすと、昨年攀じ登った爽快且つ高度感溢れる沢登りの思い出が込み上がって来るようです。
肩からは、僅かで楽古岳山頂です。
山頂で休んでいた人達に挨拶しながら山頂の人となりました。
楽古岳山頂からアポイ岳、ピンネシリを見る |
先着していた御夫婦と山座同定を楽しみながら簡単な昼食を摂ります。
十勝岳、オムシャヌプリ、野塚岳、トヨニ岳、ピリカヌプリなどを望む |
寒気が来て風が強いせいでしょう、素晴らしい遠望です。
南日高の山々は勿論、中日高、北日高の山々まで見えています。
見え過ぎて、山座同定に迷うほどです。
オムシャヌプリから野塚岳、トヨニ岳、ピリカヌプリ、神威岳など |
寒気のせいで大雪や北日高の高峰は雪の予報でした。
十勝幌尻岳付近は雪ではなかったようですが、遠くには雪化粧した山の姿も見られました。
遠くには雪化粧した山の姿も |
御一緒した御夫婦は札楽古コースの事を良く知っていて、「笹刈りしていないから大変だったでしょう?」等と聞いてきます。
お話を聞くとこの方達、広尾の方で4年ほど前までは町の山開き行事で札楽古から何度か登っていたとの事。
この4年ほど、笹刈りも登山会も無くなってしまったそうです。
南側のポン楽古岳から広尾岳へと続く稜線、中央遠くは豊似岳 |
「楽古山荘へ降りるのなら、札楽古の登山口まで送っていきますよ」の申し出。
思いもかけなかった楽古岳縦走が実現することになると有り難くお受けして、一緒に楽古山荘へ降りることにしました。
上杵臼方向の肩からみた楽古岳、こちらからも鋭く美しい姿を見せていました。
肩からの楽古岳 |
札楽古コースとは比較にならないほど整備された上杵臼コース。
名にし負う、急坂を痛めた左足首に注意しながら慎重に下りていきます。
三週連続で山歩きをしているという御夫婦はさすがと思わせる安定した足取りです。
2時間と少しで楽古山荘へ下りてきました。
札楽古の登山口へと乗せていただいた車の中では、山の話し、キノコの話、広尾の話などで盛り上がり楽しい一時を過すことが出来ました。
偶然お会いした方の御好意で、札楽古から楽古岳、楽古山荘と縦走して楽古岳を存分に楽しむことが出来ました。
感謝・感謝です。
何時か、この恩返しをしなくてはと思います。