ピンネシリ (958m) (日高) 2007.11.4(日) 晴れ
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南日高のピンネシリは花の名山アポイ岳、吉田岳と同じ山塊の北端に位置しています。 私達は花の時期にアポイ岳・吉田岳は訪れましたが、ピンネシリは未踏でした。 11月に入って雪化粧した凛々しい南日高主稜線の姿をピンネシリから見たいと訪れることにしました。 ピンネシリとはアイヌ語で男山、女山を意味するマチネシリと共に北海道には幾つものピンネシリという山があります。 前夜は三石の道の駅で車中泊、明るくなって様似町へ走る車窓に朝日が眩い光を降り注ぎながら昇ってきました。 |
アポイ岳の横から昇る黄金色に輝く朝日 |
ピンネシリの登山口へは様似町大通り2丁目の道道233号線新富方面の看板に従って左折、約10km走って「エサマンベツ橋」を渡ってすぐに右折して林道へ入ります。
ピンネシリ登山口の小さい標識が要所要所に付けられている林道を途中でアポイ岳山荘からの道を合わせて約8km進むとアポイ岳登山口と標識のある登山口です。
ピンネシリ登山口 |
準備を整え歩き出します。2時間ほどで山頂に着く比較的距離の短い山ですので、のんびりゆったり楽しみながら歩きます。
出だしは樹林帯の中のササの刈り分け道、枯れ葉が厚く積もった道はC835mPへ向かう支尾根をジグを切りながら登って行きます。
樹林帯の中を行く |
ササの刈り分け道はやがてハイマツとシャクナゲが目立つ道となり、道幅は細く獣道と交錯している所もあり道迷いしないよう注意が必要です。
風が強いのでしょう、樹林帯の中では風を感じませんが轟々と鳴る風の音が響いています。
標高650mを過ぎると、樹林帯を抜け背の低いハイマツの斜面をトラバース気味に登るようになりました。
低いハイマツの斜面をC835mPへトラバース気味に登る |
風がまともに吹きつけ体を冷やします。
突風にあおられ、バランスを失いそう。「オットットト!」
C800m付近から振り返ると南日高主稜線がズラリと並んでいるのが見え始めました。
あれは何処かしら? |
今年は雪の訪れが遅いようで、期待していた雪化粧はまだでしたが、ピラミット型の山々が並ぶ姿は神々しいばかりです。
南日高主稜線の山々、中央右に楽古岳 |
ピンネシリからC957mP、C835mPへと続く稜線に出て、稜線の東側を歩くようになると風の当たる西側とは違い、嘘のように風は無くなり陽射しで暖かくハイマツなどの木も大きく育っています。
自然の力の凄さを改めて感じた場面でした。
稜線の東側は草やハイマツの背が高くなる |
C850mを越える所辺りから目指すピンネシリが姿を見せ始めました。
手前のC957mPと並んでそびえ立っています。
ピンネシリ(奥)とC957mP |
歩きはじめてまだ1時間そこそこ、後1時間もあれば山頂へ着きそうです、急ぐことはないとC957mP横で腰を下ろしゆっくり休憩です。
東に幌満湖の一部が見えていて、様似山道を訪れた時のことが思い出されます。
ピンネシリの山頂部が平に見えています。
C957mP横から見るピンネシリ |
道はハイマツの道が続き、枝を払いながらの歩きになります。
背が高く太い木も多く、カミさんは押し開いて歩くのに苦戦しています。
その内、枝の下をしゃがんで潜り抜けるという裏技を使い出し、器用にハイマツをクリアーしています。
私には潜ろうとしてもお腹がつかえて苦しくとても無理、腕力が頼りの力技です。
山頂直下は岩混じりの道になってきた |
山頂に近くなると岩混じりとなりました。
やがて吉田岳へと続く道と山頂への道の分岐、山頂へは僅か1分です。
山頂標識が一本建つ山頂へ着きました。
ハイマツが直径2m程に整地され三角点が設置されています。
襟裳岬の特徴ある姿が印象的です。
少し霞んでいて水平線はよく見えないのですが、それがかえって空中に浮かんでいるように見え不思議な感じでした。
山頂から南東方向に襟裳岬が太平洋に突き出している |
山頂では風を強く感じます。パーカーを着て寒さを防ぎ、コーヒーやリンゴを口にします。
山頂にて、後ろは吉田岳とアポイ岳 |
アポイ岳を挟んで襟裳岬と反対側には様似の町並みと港が横たわっています。
様似町市街と港、親子岩も見えている |
そして目を北東へ転じれば、日高主稜線の山々が屹立して立ち並んでいます。
楽古岳(右)から野塚岳にかけての稜線 |
お天気が良過ぎてやや霞んでいるのが残念です、北側に見える神威岳のさらに北には微かに白く輝く山が見えていました。
ピンネシリ山頂にて |
東側には豊似岳、オキシマップ、ルシチ岳など襟裳岬北側の山々が重畳たる姿を見せていました。
豊似岳を中心とした山々の重なり |
そして南側には稜線続きの吉田岳とアポイ岳が大きく見えています。
同じ山塊の吉田岳とアポイ岳 |
山頂でゆっくり過し、少し寒くなってきました。
もう一度、主稜線や襟裳岬、アポイ岳などを見やり、下山です。
ゆっくり下ったつもりでも、下りは早い。
1時間半も掛らず、登山口に戻ってきました。
この山塊はダニが多いことで知られています。
11月ですからもう大丈夫と思いつつ、登山口でダニC'Kをすると何匹もズボンにしっかり付いていました。
アポイ岳をはじめ吉田岳、ピンネシリを訪れる時は、季節に関係なくダニに御注意です。
帰りにはアポイ岳山荘へ通じる道を利用して帰りました。
全線舗装ですので、こちらの方が運転は楽かも知れません。
途中、アポイ岳、吉田岳を望める所もありましたよ。
アポイ岳(左)と吉田岳(中央)、左に辿るとピンネシリへ |