武利岳(1876m)

北大雪 2008.7.16(水) 晴れ

 

武利岳

 

2008.7.16(水)
登山口 0450
水場

0500〜0505

3合目 0530〜0535
5合目 0610〜0620

8合目

0710〜0720
9合目 0750
武利岳山頂 0800〜0845
7合目 0930
3合目 1040
登山口 1100

不安!

悪天候に祟られ敗退した山を再び訪れる旅(決してリベンジでは無い)の2日目は、北大雪の武利岳である。
前回は南に位置する武華岳を訪れた際、尾根続きに踏み跡を辿って登ろうと思ったのだが、濃いガスで尾根の取り付きが判らず断念したのだった。

武利岳登山口へは国道39号線の厚和から丸瀬布への道路を通り、峠を越え下ると左へ「武利岳登山口5.5km」の標識がある。
標識に沿って行くが、やがて車一台がやっとの狭い道となる。これで良いのか疑心暗鬼となり一度引き返して再確認。
しばらく我慢して行けば、小さなお社のある広場に出る。
ここが実質的な登山口、1合目までさらに細い林道が延びているが高性能の車と相当の腕が要求されるようなので、私には無理とこの広場に駐車した。

真っ暗闇の山の中、一人で過ごすのは正直薄気味悪い。
お酒の力を借り、さっさと夢の中へと潜り込む。

 

鬱蒼!

目覚めると晴天、今回は大丈夫だろうと朝食をかき込みザックを背負う。
歩き始めて約10分、林道の左手に水場。湧き水なのだろうかホースから細い流れが落ちている。
冷たい水を汲み、改めて歩き出す。

深いえぞ松・とど松の森は晴れているのに薄暗く、露の雫が落ちる音が雨のように響いている。
見通しは全く無い、そんな中の急坂を喘ぐ。辛抱、我慢、忍耐だ。

C1240mの3合目、やっとお日様と北東側の景色が拝める場所だ。
雲海が広がって神秘的、その代わりオホーツクの海は見えない。

雲海広がる雲海

4合目・5合目と樹林帯を登ると、次第に岳樺や松の密度が薄くなり木々の間から周囲の山々が見え出すようになった。
鬱蒼としジメジメした暗い気配から、乾いた爽快さへの転換点である。

山
ニペソツ(右)とウペペサンケ(左奥)も姿を現し、気持ちも弾む

感謝!

武利岳の登山道は素晴らしく整備されている。
昨日の愛山渓温泉からの登山道より、しっかり手が入っていて気持ちが良い。
しかも階段や派手な看板などは無く、自然の中をさりげなく歩ける整備の仕方。
ありがたい限りだ。
森林管理所なのか自然保護官事務所なのか地元山岳会なのか存じ上げないが、有り難うございます。

気持ちの良い登山道に感謝しつつさらに登れば、南側の景観が広がり出す。
クマネシリ岳・ピリベツ岳、石狩連山などの東大雪の山々の姿も雲海をまとって美しい。

クマネシリの山並みくまねしり

武利岳の中腹付近にはシャクナゲが多い、丁度花の盛りで莟の鮮やかな赤色から開き始めの薄ピンクそして開き切った白へと色の変化も美しく咲き競っている。

シャクナゲシャクナゲも多い

デカッ!

7合目の小ピークに近づくと岩場が多くなりロープ場や鎖場も出てくる。
乗り越えるとそれまで見えなかった武利岳の山頂部が姿を見せた。
デカッ! 岩稜なんだ! 思わず見とれてしまう程の迫力ある姿だ。

姿を見せた武利岳武利岳

ハイマツと岩、エゾツツジとヒメイソツツジが武利岳を象徴しているかのようだ。

えぞつつじ岩場に咲くエゾツツジ

ナイフリッジ!

8合目からは細い岩稜を辿る。
稜線はスッパリ切れ落ち、正面に見える大雪の山並みに見とれていると危ない位のナイフリッジだ。
ここは慎重に足を運ぶ。
9合目で山頂部の端に出る、ここからは小さな岩稜のアップダウンをくり返せば間もなく山頂だ。

9合目から山頂を見る武利岳

シャイ!

武利岳山頂に着いた、この山にふさわしく感じられる飾り気のない山頂標識。
静かで男っぽい印象の山頂からは表大雪の山々、東大雪、北大雪の山々が一望できる。


表大雪
表大雪の主立った山々が一望だ

 

トムラウシ
忠別岳からトムラウシ山へ連なる山々

岩角に腰を下ろし想う。
この山は山容も大きくどっしりして立派、展望も超一級、花も良い、アルプス的な雰囲気もある。
それなのに派手な浮ついた感じはない、謙虚で恥ずかしげな山、控えめな山、シャイな山。そんな印象である。

 

武華岳武華岳と石狩連山(奥)・ニペソツ

 

武利岳山頂にて武利岳山頂

 

LOVE!

なんだか、とても好きになってしまった。シャイなこの山が。
そう思うと山頂から見える武利岳全体、周囲の景観まで愛おしく感じられる。
また何時か訪れてみたい山、武利岳。
「ありがとう」と声をかけ、山頂を後にした。

山頂部山頂から9合目方向

 

9合目のピーク

溢れんばかりとなった豊かな気持ちをこぼさないように注意しつつ岩場を下り、樹林帯を下る。
晴天だった空模様もオホーツクから忍び寄って来た雲に覆われ始め、益々静かに落ち着いた気配となった。

 

餌の魅力!

下山しもう少し山を楽しもうかと思ったが、明日は雨の予報。
家に帰る事にしよう、鎖は解き放たれても飼い犬は飼い主の笑顔といつもの餌が懐かしく食べたくなって戻るのだ。
それに他の山で、今日感じた武利岳への愛おしい気持ちが変るのも怖いから・・・。

 

 

GPSトラック
GPS

 

Homeへ
Page Topへ
次に進む

 

inserted by FC2 system