北海岳から烏帽子岳、黒岳、桂月岳、凌雲岳
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濃霧
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霧に浮かぶワタスゲ
クモイリンドウ(トウヤクリンドウ)
忠別沼を過ぎ、約1時間で平ガ岳。
この辺りで霧が急速に解消し青空が顔を出し始めた。
高根が原の右下には高原温泉や沼巡りの沼が点在しているのが見え出した。
後一ヶ月と少しで美しい紅葉の時季になるとは信じられない緑色の世界が広がっている。
高原沼
霧も晴れ、この先は露で濡れるような所も無いので雨着を脱ぎ、平坦な高根が原を白雲岳や旭岳の勇姿を見ながらのんびり進んで行く。
白雲岳避難小屋へは0920に到着、休憩しながら今後の行動に着いて相談する。
今日の予定は裏旭のキャンプ場までであるが、時間も十分あるしこれまでのペースを維持すれば旭岳を越えて下山できそうである。
私の脇腹の痛みの事もあるし、可能な限り下山の方向で行くことに決心を変更した。とは言え、やたら急ぐ必要は無い。
折角のよいお天気、景色を楽しみ花を愛でながら歩く。凌雲岳(右)と北鎮岳
昨日から外国人とすれ違う事が多くなった。
昨日は5人、今日は6人である。
全ての人とは話をしていないが、アメリカ人、フランス人、ロシア人(?)、イタリア人と様々。
北海道の山も国際的になったものだと思う。
また、彼らの行動の勇敢で大胆な事。日本語を話せないし読めなくても平気で知らない山を歩いている。
このうちの大半はトムラウシまで、数人は十勝まで縦走すると言っていた。彼らの積極性、行動力を見習わなくてはと今更ながら思った次第である。
北海岳からお鉢平
今回の山旅も終わりが見え始め、最終章へと突入した。
北海岳には1100に到着、烏帽子岳、黒岳、凌雲岳、北鎮岳などが出迎えてくれた。
黒岳(右)、桂月岳、凌雲岳(左)
NMさんも元気一杯だ。大きなザックが目立っている。
NMさん
北海岳からお鉢回りのコースを通り、間宮岳へ。
裏旭のキャンプ場が1200、ここで今日中に旭岳を越えて下山する事を最終決定。
間宮岳から旭岳
旭岳の登りに掛かる、最後の登りだ。
ザレ場のため滑り易く注意が必要だが、約1時間で旭岳山頂。NMさんと山頂で固い握手。「お疲れさまでした。有り難うございました」
走破し終わって笑顔
その後旭岳を下り、ロープウエイで旭岳温泉へ。
温泉で汗を流し、東川の道の駅で意識不明になるまで二人で飲み明かしたのでした。
美瑛富士から旭岳まで、4泊5日の計画を3泊4日で歩き切ることができた。
NMさんも私も区間こそ違え、歩いたことの無い所を歩くことができ満足している。今年の北海道の山は冬の小雪の影響で水不足が目立つような気がする。
今回のルートに於ける水場の状況は以下の通りであった。
場所 |
水場の状況 |
美瑛富士避難小屋周辺 | なし |
双子池キャンプ場 | なし(滴る位) |
二つ沼 | 十分あり |
トムラウシ南沼キャンプ場 | なし 溜まり水あり |
忠別岳避難小屋 | 十分あり |
白雲岳避難小屋 | 十分あり |
裏旭キャンプ場 | 十分あり |
今回の山行で興味深く感じたのは、普段の生活環境が大きく異なるNMさんと私の気温に対する感覚の違いであった。
私はNMさんより約5度ほど低い気温が快適と感じ、暑さに極めて弱い事が判明した。
逆にNMさんは私が快適な気温だと寒く、最終日などは大半をウィンドブレーカーが手放せなかった。最後に私の痛めた右脇腹であるが、帰宅後整形外科を受診した所、右の肋骨(10番)一本が骨折している事が判明した。
医者からは6週間の静養を申し渡され、しばらくは山歩きも禁止となってしまった。
残念だが仕方がない。今後はより注意を払いながら怪我や健康に配慮して楽しんで行きたいと思う。