ピセナイ山(1027m)

日高 2008.11.23(日) 晴れ


 

2008.11.23(日)
静内キャンプ場 0800
登山口 0930〜0935
6合目 1050〜1100
ピセナイ山山頂 1140〜1205
2合目 1255〜1300
登山口 1315
静内キャンプ場 1420

ピセナイ山

ピセナイ山は新ひだか町にある静内ダムの東4km、神威岳(南日高)の西約20kmに位置する標高1000m程の山である。

南北100km以上も北海道の背骨として聳え立つ日高山脈、その勇ましくも神々しい姿は見る人々を魅了してやまない。
ピセナイ山はその日高山脈をほぼ全域に亘って見渡すことの出来る、数少ない第1級の展望の山でもある。

11月も下旬、そろそろ日高の山々は雪に閉ざされる。
その前に日高の白き女神達の姿をピセナイ山から堪能し、そして可能であるなら少し触れてみたいと楽古岳を訪れる計画を立ててみた。

ピセナイ山には春に2度訪れているが、この時期は初めてである。
静内ダムへ向かう道路は昨夜降った雪でうっすら白くなっていた。
牧場の馬達も寒さよけのマントを羽織り真っ白な息を盛大に吐いて群れている。

 

嬉しい出合い!

静内キャンプ場先の林道ゲートに着くと一台の車が止まっていて2名の方が登山準備をされている。
情報では登山口まで車で入れると聞いていたのでその旨を伝えるが、鍵を閉められたら大変と迷っておられる様子。
ゲートは解放されているが、丈夫な鍵が吊るされていて万一閉められたら万事休すの状態である。
登山口まで入ろうと思っていた私だが気の弱さは人一倍(誰です、笑うのは)、結局不安になり私もこのゲート前に車を停め歩くことにした。

準備をしながら話せば、同じHYML(北海道の山メーリングリスト)仲間のSJさんとHSさんであることが判明。(メーリングリスト仲間は名前は知っていても顔を知らないのが特徴なのである・・・)
お二人は「地図がガイドの山歩き」と言う著名なHPを持ち、登山道の無い山を中心に歩かれているその道の草分け的存在の大ベテランなのである。
こんな機会は滅多に無いと、お願いしてご一緒させて頂くことにした。

お仲間SGさんとHSさん

 

新雪軽く

登山口へ続く林道は昨夜降った新雪が10cm弱、お天気は少し雲が多いものの晴れており大展望の期待が否が応でも高まる。

静内湖も薄く雪化粧、山肌が白く輝く雪景色が眼に優しい。

静内湖の雪景色静内湖

四方山話をしながら歩く林道は気持ち良く、あっという間に1時間半が経ち登山口へ到着した。

山道には15〜20cmの軽い新雪、SGさんを先頭に汗をかかないペースで登って行く。
2合目までと4合目から6合目までの急坂では、雪が締まっていないのでスパイク長靴でも滑り易く、足をフラットに置くと言う基本を復習する思いである。

山頂部新雪の感触を楽しみつつ

春には花々が咲き乱れていた道も笹だけが目立つ様変わり、でも花達は雪の下で着々と来年の準備をしているのだろうと思うと心も和む。
木々が混んでいて景色は今一だが、時折覗くピセナイ山山頂は白く輝いている。

4合目付近からの山頂部山頂

 

期待そして不安!

C 684mの6合目で稜線に乗り、そこからは気持ちの良い稜線歩きである。
振り返る南西方向には静内の町や海が見えている。

太平洋稜線から静内方向

風はそよ吹く程度だがさすがに冷たい、パーカーを羽織り足を進める。
緩やかな起伏を越えながら笹と岳樺の稜線を辿り8合目、9合目付近からは木も少なくなってピセナイ山の山頂部がすっきりと見えて来た。

ピセナイ山山頂を望むピセナイ山

最後の登りに差し掛かる、斜面の右側前方には青空を背景に南日高の山並みが見え始め白き女神達の神々しい姿が眼に浮かぶ。
しかし左側には黒いモクモクした雲が不吉な感じで見えている。

山頂まで後十数歩の地点でSJさんの足が止まった。
「見えるのか見えないのか? 怖いような気がして・・・」
本当にドキドキする瞬間である。

最初に山頂を踏んだHSさんは静か。
私が次いで山頂を踏む、「ム・ム・ム・・・、微妙!」
そしてSJさん、「ウ〜ン! 北側が〜・・・。でも聞きしに勝る展望の山ですね〜!」

 

山座同定

白き女神
雲は多いが「中の岳〜楽古岳」に続く、南日高の白き稜線

360度、遮るものの無い広く平らな山頂を三人で独占し眺めを堪能する。
ルベツネ山、ペテガリ岳はなんとか、中の岳以南はしっかりその姿を見せているが、それ以北は雲が低く山頂を隠している。
「雲よ退いてくれ〜!」と力一杯息を吹きかけるが、願いは届かない。

神威岳
中の岳(左)、ニシュオマナイ岳、神威岳(右)

神威岳が何とも凛々しく素晴らしい。ソエマツ岳は神威岳の陰で見えないがその南にはピリカヌプリが鋭い姿を見せトヨニ岳の長く緩やかな稜線に続き、野塚岳・オムシャヌプリの二子山、ドッシリした十勝岳、三角錐の楽古岳へと息を呑む眺めである。

明日登ろうかと思っていた遥かに望む楽古岳は雪で真っ白だ、今回は姿を眺めただけで良しとしよう。

ピリカ
ピリカヌプリ(左)からトヨニ岳へ続く稜線

私にとって長年の夢となっているピリカヌプリ、来春には是非にも訪れたい。
どうかその時には穏やかにそして優しく受け入れて欲しいと思いつつ、その姿を見つめる。

今年訪れることができた1839峰はあいにく雲に隠れていて、感激を新たにすることは出来なかった。
1839峰付近の少し北に見えている真っ白な山はシカナイ山だろうか?
詳しいSJさんに訊ねるが、全体が見えないので断言はできないと言う。
山座同定では確信できなくても断言してしまう人も多いのに何と言う謙虚さ、お人柄がしのばれる。

山頂にて山頂のHSさんとSJさん

コーヒーと温めて来たおにぎりでお腹を満たす、HSさんは優雅に山頂ビールを楽しみ、SJさんは撮影に余念がない。

マッタリした気持ちの良い時間が過ぎて行く、少し寒くなって来てセーターを着込む。
静内の町方向も雲が多くなって来たようだ。

静内方向の眺め静内方面

 

エピローグ

ピセナイ山山頂をそれぞれ満喫し、下山にかかる。
雪の下りは慎重さは必要だが、クッションが効いて膝には優しい。
山の事、仲間の事等、たわいのない話に花を咲かせつつ登山口を経由して林道ゲートへ戻った。
お二人にお逢い出来、思いがけず楽しい山行となった今回のピセナイ山、本当に有り難うございました。
また何処かで御逢いしたいものです、その時もよろしくお願い致しますね。

可能ならばと計画していた翌日の楽古岳を諦めた私は静内の町でお土産のホッケやイカの開きを買い求め、家路に着いた。
ただ、頭の中はSJさん、HSさんからお聞きした「12月初めまでなら襟裳岬周辺の山々がお勧め!」と言う情報で一杯になっていた。

 

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