七条の滝

道央 2009.1.12(月) 小雪


 

七条の滝

 

2009.1.12(月)
パーキングエリア 0920
七条の滝 1005〜1045
パーキングエリア 1130

七条の滝

七条の滝は支笏湖の東側、樽前山から流れ出る「丸山川」の上流部、千歳市と苫小牧市の境界付近にある滝である。

赤い柔らかい砂岩から放物線を描いて流れ落ちる優しい姿の滝で滝の裏側に回り込む事も出来る裏見の滝でもある。
時折、自然観察会等で利用されているが、訪れる人は余り多くない。

江戸時代後期、松浦武四郎が千歳から苫小牧を踏査した折り、この付近を通って勇払へ出たそうだ。

 

 

枯れ飾り花

七条の滝は一年中楽しむ事が出来るが、結氷し分厚い氷のカーテンと化す厳冬期は格別だ。
1月も中旬となり寒さも盛りの時期、氷の滝を期待して訪れてみた。

苫小牧からの国道276号線が美笛峠方面へ左折する少し先に大きな駐車スペースがあり、ここへ駐車する。
パーキングエリアから国道を渡り正面やや左手から東に延びる林道に入る、つぼ足では膝下まで潜るのでスノーシューを履いて歩き出した。

林道には鹿、兎、狐、テンなどの足跡が沢山、彼らが歩き回っている姿をあれこれ想像しながら歩く。
「この兎、お腹をすかせているのかな? フラフラしているもの・・・」
「狐が急に走り出しているわよ。獲物でも見つけたのかしら・・・」
勝手な想像をして笑いが絶えない。

ツルアジサイとウコンウツギが似たような枯れ花を付けて、寂しい冬の原に彩りを添えている。

林道林道を行く

 

唖然!

しばらく行くと大きく重そうな三脚を担いだ一人の男性が戻ってくる「滝はどうでした?」と聞くと、「道が解らず戻って来たのです、連れて行って下さい」とのこと。
一緒に歩きながら話を聞くと残置テープを見つけては、そこから横道に入り戻る事をくり返していたらしい。
地図も磁石も標識も何も持っていない、こういう人が実際に居るんだ。
遭難騒ぎになったらどうするつもりなのだろう。

途中、ウサクマイ林道を左に分け、北五条林道を過ぎると七条の滝への入り口は近い。

 

あれれ?

七条の滝へは台地から約40m程降りていく。急な階段道なのでスノーシューは降り口に置いてつぼ足で降りる。
直ぐに滝の水音が聞こえて来た。
「まだ、完全に凍っていないみたいだね〜」「温かい日が続いていたから・・・」
足元に注意しながら滝へ近づいていく。

斜面を降りて滝へ滝へ

滝が見えて来た。
「アリァ〜! まだ半分位しか凍っていないよ!」

七条の滝

厳冬期には本流はもとより、水がしみ出している壁全体が幾重もの巨大な氷柱に覆われるのだが、今は最盛期の半分以下。
残念だが自然現象だから致し方ない。今日の滝を満喫しよう。

 

冬の滝

 

滝

最盛期には赤い砂岩の壁が見えない程、幾重もの青氷に覆われる。
でも見方を変えれば赤壁に氷柱もなかなかのものだ。

氷柱

大きな氷柱は長さが約5m、時折差す日ざしに輝いて美しい。

氷柱

本来ならこのような氷柱が重なって厚さ1〜2mもの青氷となり、滝の壁全体を覆い尽くすのだ。

滝

カミさんは氷の滝を見ながら、手帳に思い浮かべた歌を書き留めている。
私が見せたかった滝の姿とは違っているが、思うような歌が作れたら良いな〜!

滝

途中からご一緒した男性は撮影に無我夢中、大きなカメラザックを広げ、風情や余韻を楽しむ様子は皆無である。
冬の滝の風情をゆっくり楽しもうと温かい飲み物、食べ物なども持って来たが、せわしなく他人の存在など眼に入らない様子にそのまま引き返す事にした。

七条の滝、まだ完全結氷には至って居なかったが、寒さが続いた時にまた訪れてみようかと話しながら小雪の林道を車へと戻った。

 

 

 

  • 冬の陽をひそかに集めふきのとう浅き緑で谷川にあり

  • 雪深き沢に倒木幾筋も墨絵のようなる橋をかけ居り

 

 

 

2012.1の七条大滝へ

 

 

 

 

 

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