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安平山
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この冬は暖冬傾向が強く、先週は4〜6月並みと異常な高温に見舞われた。
今週に入って冬らしい天気が戻り、この2日間は最低気温が千歳市で−20℃を下回り最高気温も−5℃より上がらなかった。
この日もあまりもの寒さに家で本を読んでいたが、外を見ると清々しい青空が広がっている。
遠出するには時間がないが、こんなお天気に家に引きこもっているのはもったいないと散歩気分で出かける事にした。
安平山なら車で20分程で行くことができる、遊歩道もあるそうだからスノーハイクには良いかも知れない。ダメでも付近を散歩すれば良いじゃないかと思ったのだ。安平から長沼へと続く丘陵にある峠「コムカラ峠」を越えると、田園風景が広がりまもなく安平町へと入って行く。
コムカラ峠からは千歳市や恵庭市、そしてその向こうには支笏湖の山々〜札幌の山々の繋がりが横たわっている。
コムカラ峠から千歳方面の風景
安平山スキー場でスノーシューを履き、遊歩道入り口を探す。
スキー場の左手に「安平山登山コース (2)」の標識が立っている。
雑木林の上には奇麗な青空が気持ち良く広がっている。
遊歩道入り口
地元の方々の散策コースにもなっているらしく、しっかりした踏み跡が付いているし、テープの道しるべがこれでもかと言うほどあり、迷いようが無いほどだ。
歩き出すとすぐに「らくらくコース」を左に分け、北へ5分も歩くと尾根に出る。
そこにはスキー場のゲレンデが広がり、脇を走るリフトの横を西へと登って行く。
スキー訓練に来ていた自衛隊のお兄さん達が「何を好き好んで・・・」と言う顔をして私達を見ている。リフトの終点を通り過ぎ50mも行けば、そこがアンテナ反射板のある安平山の山頂であった。
何ともあっけない!
安平山山頂から東を見る
山の東側にはスキー場を挟んで安平の町並みが小さく纏まって佇んでいる。
残念ながら、夕張や日高の山並みは雲に隠れて見ることが出来なかったが、晴天ならば見事な展望が広がっている事だろう。山頂には三角点の他、石の標識も置かれている。
安平山山頂
「このまま降りてしまったら、散歩にもならないね〜」などと言いながら南に延びる稜線を進む。
すぐ南のC160mPで「らくらくコース」が左から合流してくる。
道は「尾根縦走コース」が真っすぐ南へ続いていた。もちろん、縦走コースへと入って行く。幼木の多い混んだ雑木林、葉の落ちた冬でも見通しは利かない。
でも何の変哲も無い林の中をうねうねと続く道を歩くのは気持ちが良い。
僅か標高150m前後の町に近い山を歩いているとは思えない静けさ、木漏れ日、木々の影、鳥のさえずり、それらを心と体で感じながらのんびり歩く。これが低山歩きの魅力の一つなのだろう。
雑木林の稜線を
遊歩道を南下しC163mPで縦走コースは東へ降りて行く、踏み跡は無いがもう少し先まで進んでみようと足を伸ばす。
15分程歩くと送電線が通る広場のような所へ出た。
安平町や苫小牧市や厚真町へ繋がる丘陵地帯も一望だ。
時間も歩き始めて1時間、丁度良いと休憩だ。
南東の厚真町方向を見る
室蘭本線や国道を列車や車がおもちゃのように走っている。
静かだ、燦々と降り注ぐ陽光、風も無くさして寒くもない。
用意してきたコーヒーを飲み、四国の友人から送って頂いた文旦を食べる、爽やかな香りとジューシーでほのかな甘みが口一杯広がる。ゆったりした夫婦二人だけの時間が流れて行く。
これも低山歩きの楽しさ、魅力なのかも知れないと感じた。
道は送電線沿いにさらに続いているような感じであるが、何所へ降りて行くのか判らないのでここで引き返す事にした。
安平の町並みを前に
C163mPまで戻り東へと尾根を降りると、牧場か畑のような所、そこを迂回しながら北へ進むとスキー場の脇へと戻ってきた。
そこには「安平山登山コース (2)」の標識が立っていた。
安平山は、約2時間の気軽に歩ける極上の低山散策コースであった。
安平山の丘陵地帯、車で僅か20程で来られるのにこんなに良い所だとは知らなかった。
近場に眠っていた穴場、そんな感じだ。
そう言えば私の好きな千歳の穴場「千歳湖」も、存在さえ知らない千歳市民がたくさん居る。
遠くの名のある山へ出かけるのも楽しいが、自分たちの町近くの良い所を知るのは大切な事だと思う。
良さを知るから好きになり、さらに良い町にしようと思うようにもなるだろう。そんな意味からも、低山を楽しみ、喜びとする事を続けてみたい。
これなら齢をとってもしばらくは出来そうだし・・・。
可愛い「赤いヒマワリ」の街灯(安平町)
・なだらかな安平丘陵春を待つ木々の隙間の青空が好き・越え行けば光の春が広がりて深呼吸するコムカラ峠 |