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坊主山
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今年の9/19〜23日は連休、シルバーウィークとも呼ばれている。
秋の行楽シーズンで何処も多くの人で一杯だろう。
わざわざ人ごみの中に行くこともあるまいと、連休中は予定を立てず庭仕事でもしているつもりだった。
9/20、スーパーの朝市に買い出しに行っていたカミさんが帰ってくるなり「凄いお天気よ、もったいないからどこか見晴らしの良い所へ行きましょう!」さて、近場の支笏湖周辺の樽前山や紋別岳は混んでいるだろうし、どうするか?
ひらめいたのが、穂別の坊主山。
あそこなら今から行っても静かに楽しめるだろうと、急遽思いつきで訪ねることに。
10時に家を出て、穂別のコンビニでおにぎりやお菓子を買い求め、登山口へはお昼前に着いた。
登山口には三台の車が停まっていた。やはり連休なのだな。
カラマツ林の道を気持ち良くゆっくり歩く。
道は登山道というよりは散策路、幅も広いし傾斜も緩やか、おしゃべりしながらのんびり歩くのが似合っている。
20分も行くと小さい二本の沢があり、水場になっている。
小さな山で雪も無いのに豊かな水が流れ、何処から流れ出ているのか不思議な気がする。
やはり「山や森は神様の水がめ」なんだと、素直にうなずける。
水場から少し行けば、樹林帯が途切れ笹原になる。
一面の笹原が芝生のようにも見え、その中に点々とエゾマツが生えていて、北欧の風景を見ているかのようだ。
早くも坊主山の山頂が見え始め、すでに登山は最終章である。
山頂が見えて来た
「山小屋坊主」と名付けられたこじんまりした小屋を過ぎれば、山頂はすぐそこだ。
これまで見えなかった、東側や南側の景観が広がっている。
小屋を過ぎれば山頂(奥)はもうすぐ
山頂に着くと先着していた老若男女10名ほどが休んでいる。
ご挨拶をして、風の避けられる一角に腰を下ろす。北風のおかげで視界は良好、でもじっとしていると寒さを感じるほどである。
穂別の町を越えて西側には支笏湖の山々が並び立ち、遥か向こうにはオロフレ山、さらに道南の山々の連なりまで確認することが出来る。
山頂から西の景観、支笏湖の山並みが見えている。
歩いて来た北西側方向には笹原に立つエゾマツと夕張市周辺の景観が広がっている。
そして何と言っても、ここからの圧巻は夕張岳の勇姿である。
やや雲が多いが、大きく裾野を広げそびえ立つ姿は雄大そのものである。夕張岳の紅葉はどんなだったかな?
忘れてしまって思い出せない、時間を作って行ってみようかな。
山頂から見る夕張岳
期待に背かぬ素晴らしい大展望に大満足しながら、お昼を頂く。
丁度良い腹ごなしで食欲も十分、りんごやコーヒー、コンビニで買ったおにぎり、大福が抵抗無くお腹に収まってゆく。
至福の一時である。そんな中、小選挙区はどうの、比例は・・・、あいつは駄目だ、あれを当選させるには・・・など、山頂での会話には余りふさわしくない、声だかの会話が否応無く耳に飛び込んでくる。
私より先輩格の数人が口角泡を飛ばして、熱烈議論の真っ最中。
他の人は下を向いて押し黙っている。
今回の選挙で落選した候補者の後援会の人のような雰囲気であったが、楽しみに来た所では純粋に楽しみましょうよと申し上げたい気分であった。私たちは聞こえぬふりで、自分たちのおしゃべりを楽しみ、景観を楽しむ。
冬の登山ルートとなる南側には鵡川の流れとハッタオマナイ岳、振内山の山列、さらに貫気別岳、リビラ山などが見えていた。
南側の景観
少し残念なのは、日高山脈に雲がかかりその勇姿が見られなかったことだった。
先着していたグループが下山した後は私たちの貸し切りの山頂。
風を避ける日溜まりに寝転んで、空を見上げる。すすきの穂が風にゆれ、青空に映える。
秋だな〜!
まどろみぼんやり目を開けると、すすきならぬ、でっかいものが威風堂々と立っていた。
ビックリしたな、もう・・・!
急遽思いつきで出かけた坊主山。
いつ訪ねても、気持ちよく過ごせる山である。
疲れることもなく、清々しい気持ちになれる、そんな山である。帰りに安平町の農家に野菜を求めて立ち寄った。
計算が苦手になったらしいおばあさんの為に、おつりが無いよう丁度千円のお買い物。
山のようなお野菜、夕食は野菜たっぷりのラタトゥーユにサラダ、湯豆腐と肉っけなしの精進料理、坊主山へ行ったのだから仕方ないか???