喜茂別岳 (1177m)

道央  2009.10.12(月)  曇り


 

kimobetu

 

2009.10.12(月)
中山峠 0755
NTT中継塔 0850
喜茂別岳山頂 1020
最高点探索 1020〜1100
昼食 1100〜1140
NTT中継塔 1250

喜茂別岳

喜茂別岳は中山峠の北西にある余り目立たない山。
無意根岳、中岳、並河岳に連なるなだらかな山で、通常は積雪期に登られ山スキー愛好者達が訪れ楽しんでいる。

夏道は無いとされていたが、中山峠奥のNTT電波中継塔から道が続いているとの情報がHYML(北海道の山メーリングリスト)に紹介された。
早速その道を歩いてみようとのお誘いを受け、体育の日に訪れた。

この日、総勢15名ほどの人がこの山を訪れたのだが、すべてHYMLのメンバーでまさに登山会の様相であった。

 

グループ

岳友である函館のSGさんからご一緒しませんか? とのお誘いを受け、久々にグループ登山へ参加することにした。
ご一緒するのは、昨秋ピセナイ山で偶然ご一緒したSJさんHSさん達「地図がガイドの山歩き」グループの皆さんとその友人、そして私も何度かお目にかかったことのあるHYさんの6名に私たちで総計8名である。ちなみにSGさんは急用が出来、参加を見送られた。

「地図がガイドの山歩き」の皆さんは、基本的に今回のような山にはまず行かない人達である。
道のない山を地図を読みながら、豊富な経験、山勘、多少の運を総動員して、沢を登り、岩を攀じ、薮を漕いで、目指す山頂を手中にするのを常としている人達。
私たちには真似をしたくても出来ない山歩き、普通なら住む世界が違うとお付き合いもしないような人達なのだが、何故か優しく馬が合う。

 

キノコ

中山峠の駐車場で皆さんと合流し、ご挨拶。
準備を整え、NTT電波中継塔へ続く全長3.5kmの林道を歩く。
この林道、電波中継塔がすでにその使命を終えているため、今後は整備もされないとのこと。
ゲートがあり、通常は鍵がかけられているらしいのだが、この日は解放されていた。

メンバーの中にキノコに大変詳しい方がいて、キノコを見つけては名前や食べられるのかどうかを教えてもらう。
キノコに興味はあっても、判別が出来ない私達にとっては山歩きより嬉しいことである。
おかげさまで「ムキタケ」と「オシロイシメジ」の2種類はなんとか判別出来るようになった。

ご一緒しているHYさんは好奇心旺盛な方で、何でもやってみる人。
キノコに限らず食べ物に関しても、毒かどうかに関係なくとにかく試しているという。
興味が高じれば、怖さより調べる方が大事になるのかな〜?
「あれは旨かった、あれにはひどい目にあった、あの枯れ葉は香ばしかった・・・」などの話に大笑いしながらひたすら林道を歩く。

NTT電波中継塔まで約1時間、それから山道となりほとんど平らな緩やかな道を登って行く。
背の高い笹を切り開いた立派な道が続いている。
しかも最近開かれたものではなく、かなり以前からあった雰囲気である。
知る人ぞ知る、道であったのだろうか?

ただ、笹のため見晴らしは全く利かない。

 

山道
笹の刈り払われた道を進む

 

山頂は何処に?

倒木の多い道を緩やかに歩く。
斜度がないためか気温が低い為か、汗もかかない。
振り返ると歩き始めた中山峠の道の駅などが見え、恵庭岳の姿も見え始めた。
昨日降ったものだろう、道には雪が出始めた。

うっすらと白くなった道、久しぶりの雪の感触だ。
笹の背が幾分低くなってくると、三角点のある喜茂別岳山頂は間もなくである。(ページトップの写真)
そこには素晴らしい大景観が待っていたと言いたい所なのだが、低い雲がたれ込め気持ちが晴れ晴れするような景観はおあずけであった。

山頂から
喜茂別岳から南東の景観(札幌岳〜恵庭岳)

南東には左から札幌岳、狭薄山、空沼岳、漁岳、恵庭岳、丹鳴岳などが。
南から南西には、ホロホロ山、徳舜督山、オロフレ山、尻別岳、羊蹄山、昆布岳が低い雲に頭を抑えられながら姿を見せている。

羊蹄山羊蹄山

 

尻別山
尻別岳(左)と昆布岳(右奥)

そして北から北東にかけては、定山渓天狗岳、手稲山の勇姿が。

定山渓天狗岳定山渓天狗岳

SJさん達、習性なのか三角点より10mほど高い最高標高地点まで行ってみるという。
すぐ近くに見えてはいるが道は無い、笹とハイマツを漕いで行くのだ。
道からはずれ、笹の中に入る。雪が僅に覆っていて、かき分けなくても踏みつけて進むことが出来る。
苦労しながら登るとハイマツ帯となる、いよいよ歩きにくくなって来た。
ハイマツ帯の向こうにナナカマドの林が見える、SJさんがそこまで行くがまだ山頂は先のようだという。

冬に来た時は何でもなく歩けたように覚えているが、笹やハイマツが出ている時とは全く違う。
結局、どこが最高標高地点だか特定出来ず、三角点に戻った。

三角点
三角点のある喜茂別岳ピーク、奥は漁岳と恵庭岳

 

ラーメン・パーティ

三角点ピークへ戻り、喜茂別岳から続く無意根岳をゆっくり眺めるが、低い雲に覆われ優美な姿を堪能することは叶わなかった。

無意根岳
並河岳〜無意根岳の山々

気温はかなり低く風もあり、先ほどの薮漕ぎで濡れた手袋が冷たい。
予備で持って来た手袋に換えると暖かさが戻ってくるようだ。


山頂で喜茂別岳山頂

風も冷たい。少し下がって風の避けられる所で昼食に。
立ち止まると寒い。パーカーの下にダウンを着込む。
皆さんも夫々フリースなどを着込んでいる、多分氷点下近く、それに風が加わって体感的には−10°位になっていたのではないか。

SJさんが担いで来てくれた大きなコッフェルでラーメン・パーティの始まりだ。
チャーシューやメンマ、若布まで入った豪華山頂ラーメンである。
何より暖かさがごちそう、体の内側から暖まり嬉しい。ホッとする。

ラーメン
道ばたでラーメン・パーティ

お世話になるばかりの私たち、せめてもと昨夜二人で作ってきた栗きんとんのお団子を食後のデザートにとお配りする。

そうこうしているうちに、登って来る一団がある。
なんだか、知った顔ばかりだ。
「やあ、やあ」「誰かに合うんじゃないかと思っていたよ」「新しい情報にはすぐ食い付くね〜」・・・
気兼ねの無い、無遠慮な会話が乱れ飛んでいる。
新たな山の情報が手に入れば早速行ってみる。いやはや、HYML恐るべしである。

 

エピローグ

雪の無い時期には登れないと思っていた喜茂別岳、それだけに訪れられて嬉しい。
情報を流してくれた方や誘ってくれた方達に感謝である。

今回私たちが歩いた道を使えば、比較的容易にそして楽に訪れることが出来る。
ファミリー登山にも適しているようだ。
多くの人達に楽しんで頂ける山になるだろう。

教えて頂いて採ってきたキノコ、早速夕食に食べてみた。
多くの人が夢中になるキノコとは違って、食べられるけれどそんなに美味しくはない。
美味しければ、あんな道ばたに沢山あるわけないよな〜!

キノコ
食べられることは食べられるけど・・・

 

 

GPSトラック

 

 

 

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