ピッシリ山 (1032m) 蕗の台コース

天塩  2010.8.26(木)  晴れ時々曇り


 

ピッシリ山

 

2010.8.26(木)
登山口 0540
釜ガ淵岳 0705〜15
熊岳 0810
ピッシリ山山頂 0900〜40
熊岳 1025
釜ガ淵岳 1120〜30
登山口 1230

ピッシリ山

ピッシリ山は天塩山地の最高峰なのだが、知名度は低く、ご存じない方も多いのではなかろうか。
名寄市の西、朱鞠内湖の北、羽幌町の東に位置する山で、標高こそ1000mを少し越える程度だが、長大な山頂稜線を持つどっしりした大きな山である。

登山道は東側の蕗の台からと西側の羽幌から開かれており、今回は長い稜線歩きの蕗の台から訪れた。

登山口へは名寄市から688号線で母子里へ、国道275号線を横切り直進して蕗の台方向へ11.5km。「朱鞠内湖」の標識と手書きの「ピッシリ山登山口」の小さな看板に従って未舗装路に左折、約1km走ると右側に「ピッシリ山登山口」の標柱と滝ノ沢林道の標識がある。
ここを右折し道なりに3.5km、林道の終点が登山口である。

 

朝霧

ピッシリ山へ向かう道は幻想的な朝霧、朝霧はお天気の前兆だと勝手に思いながらライトを付け慎重に車を走らせる。
数台の車が止められる登山口には、立派な案内看板と入山ポストが設置されていた。

登山ポスト登山口

それによるとピッシリ山まで8.7km。登り4時間10分、下り3時間半。
結構距離があると気を引き締める。
登山口からすぐに小さな沢を対岸に渡り一登りして、平坦な広い道を歩く。
霧の晴れない道は湿度たっぷりで何種類ものキノコがニョキニョキ生えている。
僅か二三種類しか判別出来ない私には、いくら生えていても手を出せない代物だ。

キノコ

 

巨木

登山道の周りは、白樺や岳樺主体の深い林。
白い幹が霧と相まって幻想的。
樺の林は明るく爽やかだ。

しばらく歩くと、ミズナラの大木が周囲を圧する迫力で立っている。
幹周りが10m近くある巨木である。雷にでも打たれたのか上部は折れ、倒れ朽ちている。

思わず手を合わせてしまうほどの神々しさだ。

神々しさを感じるミズナラの巨木ミズナラ

 

長大!

登山口から30分ほど歩いて、道はようやく本格的な登りになる。
赤い吊り花やオオカメノキの実に励まされながら汗をしぼられ頑張れば、ようやく稜線に出合い左側の展望が開け始める。
霧の雲海が一面に広がって美しい。
風も通りだし、熱くなった体に心地よい。
ここから一登りで、925mの釜ガ淵岳である。

雲海
広がる雲海

釜ガ淵岳を後にすると、稜線はアップダウンを繰り返して1025mの熊岳へ、そしてさらに右奥に目指すピッシリ山の姿が望まれる。
見た目にも遠くて長い、延々と続く稜線である。

ピッシリ山
熊岳(左)から稜線を右奥へ、ピッシリ山が見えている

幸い道は広く刈り払われ、整備されていて有り難い。
危険な所はないが、稜線の一部は狭く切り立っているので注意が必要だ。
秋の花である、トリカブトやエゾオヤマリンドウ、アキノキリンソウ、コガネギク、ヤマハハコなどが所々に咲き、目を慰めてくれる。

熊岳熊岳(左)への道

熊岳まで来るとピッシリ山が近く大きくなってきた。
どっしりした堂々たる山容である。

霧はすっかり晴れ、強い日差しが容赦なく降り注ぎ暑い。
雲海になっていた低い雲が上昇し始め、動き出した。
風向きから私がピッシリ山に着く頃には、山頂は雲に覆い隠されてしまう感じがする。
「お願いだから、少し待っていて!」

ピッシリ山
熊岳からのピッシリ山

熊岳から一旦大きく下がって、目指すピッシリ山への登りとなる。
笹とハイマツの中を道は広く明瞭だ。
右斜面が崩れた細い尾根を越えれば、山頂は一息である。

ピッシリ
いよいよピッシリ山への登りを残すのみ

 

ウ〜ン!

ピッシリ山の山頂は広く広場のようだ。
その真ん中に立派な山頂標識が立っている。

山頂標識山頂

真上は晴れているのだが、周囲は流れてきた雲に覆われ、見通しは利かない。
もしかしたらと一縷の望みを持ってきた、利尻や日本海を望む事は叶わなかった。
でも雲の切れ間から羽幌付近に風力発電の塔が幾つも立ち並んでいるのを確認することはできた。

歩いてきた熊岳へ至る笹原の道が印象的だ。

熊岳熊岳(左)

山頂広場には秋の花々が咲き乱れている。
その中で、ごろりと横になって空を見ながら大休止。
流れる雲が私の顔を覗き込んでいるようだ。

花達
エゾオヤマリンドウ、ヨツバヒヨドリ、ヤマハハコなど

おやつを口にしながらしばらく待つが、流れ雲は次々に湧き、収まる気配もない。
景観を楽しむ事は出来なかったが、なかなか訪れる事の出来なかったピッシリ山へ登れただけでも十分満足、そう思って引き返す事にした。

山頂標識に軽くタッチしてきびすを返す。

 

朱鞠内湖が・・・

帰りのコースも長く距離がある、ペース配分を考えながら熊岳へ登り返す。
釜ガ淵岳への稜線も小さなアップダウンがあり、うんざりする思いだ。
そんな気持ちを和らげてくれたのは、流れ雲の雲低が上がり、景色が見え始めた事だ。

三頭山だろうか、印象的な形の山が南に見えだした。

三頭山三頭山

そして南東に朱鞠内湖がその全容を見せている。
登って来る時には雲海の下だったのだ。

北海道でも有数の寒さの厳しい所。
冬はどんな感じなのだろう? そんな思いで複雑な形の湖に見入ってしまった。

朱鞠内湖
釜ガ淵岳からの朱鞠内湖

 

暑さ対策

いくら北海道とは言え、夏場の山歩きでは暑さが大敵である。

今回のピッシリ山は日射しを遮るもののない長い稜線歩きを強いられる。
つばの広い帽子、涼しい服装など暑さ対策をしっかりすることが望まれる。
特に熱中症予防の観点からも、十分な量の水を持つ事だ。

今回私は2リットル持っていったのだが、戻ってきた時には残り僅かであった。
体質にもよるが2.5〜3リットル位、用意した方が良いのではないだろうか?

 

林道情報

ピッシリ山を訪ねた後、下川町にあるピヤシリ山にも訪れようと思っていた。
下川町にある森林管理所へ行くと、林道崩壊のため通行止めになっていると知らせれた。
二度手間を避ける意味からも、事前に森林管理所へ問い合わせてから行かれる事をお勧めします。

ピヤシリ山:下川北部森林管理所 Tel: 01655-4-2551
ピッシリ山:朱鞠内森林管理所  Tel: 01653-8-2143

 

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