登山口付近の紅葉
|
東ヌプカウシヌプリ
|
登山口
登山口から明るく開けたエゾマツの林の中を歩く、西ヌプカウシヌプリが笹の道であったのとは対照的に明瞭でしっかりとしており気持ちが良い。
幾分日射しが出る天候は、晴れてゆくのか再び雲に覆われるのか判断が難しい。
晴れてくれる事を期待し、心に念じて、足を進めた。
エゾマツの中を行く
そして次第にエゾマツ林の周囲は苔に覆われ、緑の絨毯のよう。
落ち着いた雰囲気の中を
苔が何種類もが共生し、うまく住み分けているようだ。
霧でしっとりと濡れているのが、苔を美しく見せている秘密なのかも知れない。
しっとり美しい
穏やかだった道は石ころとエゾマツの根を縫うような急登に変わり、周囲は再び雲に覆われ白一色、木々がぼんやり浮かぶ妖しくも幻想的な世界。
風景が見えず残念ではあるが、開き直ればこれはこれで、なかなか風情があり乙なものだ。
何より涼しく、呼吸が楽なのがありがたい。
霧に浮かぶ木々
30分も登ると傾斜は急に緩み、稜線に出た模様。
白くかすむ視界に、時折現われる黄色く鮮やかに黄葉した葉が目に新鮮だ。
黄色も鮮やかに
大きな岳樺が点在するほぼ平らな稜線を進んでいく。
左側が急斜面になって落ちている他は何も見えず分からない。
平らな稜線を行く
平坦な道を進んでいくと、立派な山頂標識が立っていた。
なんと、あっけない。そんな感じの山頂である。山頂
本来なら十勝平野の大展望や白雲山、天望山、西ヌプカウシヌプリや遠くウペペサンケ山、クマネシリ山塊などの景観が広がっているのだろうが、残念ながら想像すら出来ない霧の山頂なのだ。
携帯が通じるのでカミさんにTel。
千歳は朝は霧だったが、今は快晴との事。
「貴方、本当に霧男になってしまったんじゃないの?」気にしている私の心を抉るようにズバリと切り込んでくる。
「そうかもな〜、晴れ男だとばかり思っていたのに自信がなくなってきたよ〜!」と私。
「お天気は人の力ではどうしようもないけれど、山頂に立つのは健康で体力と気力に優れた人だけの特権よ。それだけでも素晴らしいわ!」けなしたり、褒めたり、まさに彼女の手の平の上で操られているかのようだ。牛乳で溶かしたような周囲を眺めながら簡単な昼食を摂り、次の予定地「東雲湖」に向かうべく往路を駆け下りた。