三国山からニペソツ(右)とウペペサンケを
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三国山
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早朝道の駅で目覚めると昨日と同様なべっとりとした低い雲がたれ込め、嫌〜な感じである。
今日は士幌からほど近い東大雪のクマネシリ山塊のクマネシリ岳と南クマネシリ岳を訪れる計画であるが、このままでは最近娘から付けられた「霧男」のニックネームが定着してしまいそう。
この霧と低い雲は太平洋の海霧が南風に乗って侵入して来ているに違いなく、それなら北に逃げるのが一番だと考えた。せっかく訪れようと計画していたクマネシリ山塊だが、汚名返上のほうが大切だ。
急遽、ユニ石狩岳付近まで行ってみようと北へ北へと車を走らせた。考えは図星、糠平湖を過ぎる辺りから北の空が明るくなり期待が高まる。
三国峠の近くから三国山がハッキリ見えだした、ユニ石狩岳も問題はなさそうである。
それなら両方とも登ってみようと三国トンネル層雲峡側にある、大きな駐車帯に車を停めた。
ここにトイレは無いが、トンネルの反対側にはとトイレ付きの展望台がある。
駐車帯からトンネルへ200mほど道路の左側を歩く。すでに薄い踏み跡が出来ている。
トンネルの左を行くと、踏み跡はすぐに左に入り、小さな沢沿いに延びている。
小さいが奇麗な小沢、まだ日の射さない薄明かりの中、岩の苔と白く流れる水のコントラストが美しい。
小さな沢に沿って
以前は沢歩きのルートだったようで、沢沿いに道や巻き道が付けられている。
途中で沢の中を歩く所もあるが、登山靴を濡らすほどではない。
秋で水量が少ない時期でもあるが、全体としてそれほど大きくない山なので雪融けの時期でも沢靴を履くほどではないように思われた。30分近く行くとC1330m付近で沢は二股となる。本流は左だが、道は右に付けられている。
右股を登るとすぐに涸れ沢となり、そのまま涸れ沢を登っていく。
小さな沢型で標高差100mも登れば、稜線空際が見え始めた。
涸れ沢を行くと間もなく稜線へ
稜線に出て笹の道を左へ進んでいくと大きな巨岩が聳え立っていて驚く。
大岩が突如
そしてほどなくピークに出た。
だがそこには三国山はあちらと矢印の木切れが吊るされ、「北海道大分水点」の標識が置かれていた。
太平洋とオホーツク海、日本海の三方向へ流れる分岐点なのか?
壮大な情景が目に浮かぶようである。この分水点から目の前に三国山が見えている。
分水点から見た三国山
分水点から見晴らしの良い稜線を15分ほど歩いて、三国山山頂である。
まだ朝の日射しを受ける三国山山頂。小さく控えめな山頂標識が立てられていた。
本当は今日訪れる筈だったクマネシリ岳を始めとするクマネシリ山塊が雲一つない姿で出迎えてくれる。
計画通り訪れれば良かったか・・・! 複雑な心境である。
朝日を浴びて クマネシリ山塊
そして圧倒的な威圧感で迫って来るのは、ニペソツの雄大な姿。
鋭く尖った頂、均整のとれた美しい山容、裾野に広がる錦の紅葉、思わず見とれてしまう。
錦秋の名峰 ニペソツ
石狩連峰も手に取るほどの近さで立っている。
ユニ石狩岳( 左手前)と石狩岳(中央奥)、音更山(右)
そしてクマネシリ山塊が影絵のようなシルエットを見せ、優雅に聳えている。
長い稜線を従えたクマネシリ岳、少し離れた南に聳える南クマネシリ岳、今日はドタキャンしてしまってゴメン。何時か必ず行くから待っていてね。
左にクマネシリ岳とピリベツ岳・西クマネシリ岳、離れて南クマネシリ岳
石狩連峰の北側には、表大雪の主峰たちが立ち並んでいる。
何時見ても感動する山並みだ。
表大雪の主峰たち
雄大な山々の姿を愛でつつ、おやつを口にする。
気持ちまでおおらかになる幸せ感に包まれて記念写真を一枚。
北側には武華山、武利岳から平山、ニセイカウシュッペ山へと続く北大雪の山並みが一望だ。
北大雪の山々たち
そして東側には、逆光で山々と雲が層を成して横たわり、独特の風情を感じさせている。
何処を見ても美しすぎる。感動の連続だ。
三国山がこんなにも景観に優れた山だとは知らなかった。
まさにお買い得、お値打ちの山なのだった。
三国山からの大景観を堪能し、霧男の汚名も返上して晴れ晴れした気持ちで下山する。
沢まで降り、写真を一枚と思ったが構図が気に入らない。
もう一段降りてとカメラをバックにいれ蓋を閉めないで降りたときである。
「アッ!」カメラが転がり落ち、岩に「ゴン!」そしてそのまま滑って沢水の中に「ボチャン!」ヒエ〜!! あわてて拾い上げ点検。
しっかり正確に作動している。良かった〜!
これまで何回も岩にぶつけたり、水に落として傷だらけだが、正常に作動してくれている。
防滴、防塵、耐衝撃性のお陰か。
愛機よ、ありがとう。これからも大事に使うからよろしくね!
キチンと映っていた