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北八甲田
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北八甲田を歩く際の起点が酸ヶ湯温泉である。
私達もここに一泊して温泉を楽しみ、翌日に北八甲田の山々を楽しむ計画である。
酸ヶ湯温泉には1泊2食に登山時のお弁当とロープウエイまでの送迎さらに下山後の温泉がセットに成った「八甲田登山パック」と言う宿泊方法があり私たちはこれに申し込んだ。
酸ヶ湯温泉
これが大正解、青森ひばをふんだんに使った古く立派な千人風呂(混浴が原則らしいが女性専用時間帯が設定されているので女性も安心して利用できる)が気持ちよく、食事もとても美味しくて流石に人気の温泉施設である。
また自炊もでき食事の材料なども販売されている、特にここで売られているりんごは契約農家のもので大変美味しく私たちも幾つも買い求め後々重宝した。
始発のロープウエイに間に合うように送ってもらい、山頂駅へ。
山頂駅からは岩木山、白神岳も遠望でき、極上の展望への期待が高まる。
30人以上の団体さんと一緒となるが、自分たちだけで静かな山行を楽しみたいと一足早く歩き出し、井戸岳まで足早に進む。
湿原展望台からは草紅葉が美しく、たおやかで優しい北八甲田の山並みが広がっていた。
田茂萢岳付近からの赤倉岳(左) 井戸岳(中央) 大岳(右)
赤倉岳山頂からは青森市街が一望だ。意外な近さに驚く。
一方、先程まで見えていた岩木山や白神岳は白く霞んでしまい見えなくなっている。
大展望を期待したのにちょっぴり残念だ。
赤倉岳から見る青森市街(右上)
ゆったり連なっている稜線は歩けば意外に短く、会話を楽しみながらあっという間の近さである。
全体に紅葉はまだ進んでおらず、一部草花が色づいている程度だ。
今回の山旅、紅葉を楽しむには少し早すぎた感がしないわけでもない。八甲田大岳には一旦コルへ下って上り返していく。
カミさんの腰への影響を心配したが、一定のペースで足取りも安定していて大丈夫のようだ。
コルから振り返る井戸岳
コルから30分弱で大岳山頂に着いた。
大きな山頂標識が立っている。
目を転じれば高田大岳のスックと立った姿が印象的。
南八甲田の山々の連なりもなかなか魅力的だ。
高田大岳(中央) 雛岳(左) 小岳(右)
山頂で酸ヶ湯温泉特製のお弁当を頂く。
山のお弁当としては大変豪華で何時も簡単な食事ばかりしている私達には嬉しい驚きだ。
同じお弁当を広げている人達が何人もいる。大岳の山頂は広く十分なスペースがあるが、続々と登ってくる人達で満員状態。
山頂標識の傍で休んでいる人に写真を撮るのに邪魔だから退けと口汚く怒鳴っている人がいる。
譲りあったり静かにお願いすれば皆さん心優しく過ごせるのにと残念に思う。
こういう人に限って一見して山の素人、山の素晴らしさを存分に楽しんでもらいたいとは思うけれど殺伐としたシャバの雰囲気を持ち込んで欲しくない。
大岳からの下りはザレ場が続き歩きにくい、椎間板ヘルニアのリハビリ中のカミさんは転んで尻餅をつくのが厳禁だ。
ゆっくり慎重に仙人岱へ下る。仙人岱からは小岳がアオモリトドマツに覆われ独特の景観を見せ佇んでいる 。
ここに湧き出している八甲田清水は冷たくとても美味しい清水だった。
アオモリトドマツに覆われた小岳
やがて硫黄臭のする地獄湯の沢を渡り、約1時間で酸ヶ湯温泉に戻ってきた。
北八甲田はたおやかな山並みばかりでなく、池塘や草原、火山らしい景観などを満喫できる山である。
酸ヶ湯温泉登山口から大岳を見上げる
下山後酸ヶ湯温泉で汗を流し、明日の予定である八幡平へと移動。
途中立ち寄った十和田湖では高村光太郎が妻の千恵子をモデルにしたとされる「乙女の像」を見物、その力強さに感動し後日吾妻連峰を訪れるときには千恵子記念館に立ち寄りたいと思った。
乙女の像
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